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3 それは間違えていますよ

「お嬢様、朝です」

 昨日は部屋に案内された後すぐにベッドに入って泣いてしまい、知らない間に眠っていた私。なんだか瞼が重くて頭まで痛いです。

 私付きのメイドさんがやさしく起こしてくれたけど、たぶん私の顔はびっくりするぐらい腫れてます。昔仕事で失敗した時、泣きながら寝たら次の日に顔が腫れてすんごいことになってましたから。その時は休日だったから大丈夫でしたが、今日はそういう訳にはいかないですよね。どうしましょう。

 そんな状態なのに、メイドのサマンサは全く表情に出さずに、温めたり、冷やしたりと甲斐甲斐しくお世話をしてくれました。プロフェッショナルサマンサのおかげで、何とか目の腫れと顔のむくみも少しは取れました。ありがとうサマンサ!


 もうそろそろ朝食だと言われたので、食堂に向かいました。

 食堂に着くとパパさんに家族と使用人の皆さんを紹介されました。初めてお会いする皆さんにドキドキだったのですが、最初に紹介されたママさんが

「まぁ、嬉しい。うちには息子しかいないから、娘が欲しかったの。マリーよろしくね」

 と私をぎゅっと抱きしめてくれました。ちょっぴり実家の母を思い出し危うく涙が出るところでした。いかんいかん、昨日から涙腺が壊れてますね。


 執事やメイド長なども紹介してもらってから気づいたのですが、私付きのメイドのサマンサって、沢山いるメイドさんの中でもすっごく美人。この世界の人はみんな美人なのかなぐらいに思っていたのですが、そうじゃなかったみたいです。普通の人がたくさんいました。サマンサの場合は容姿だけじゃなくて身のこなしも素敵で、お仕着せのメイド服じゃなければ、私とサマンサが2人で並ぶとどう見ても私がメイド、いやもうそれすらでもなくて、私が下女に見えちゃいます。ちょっと見習わないといけませんね。


 そして後から登場したのは昨日会ったアレックス兄さん。のんびりさんですね~兄さんは長男でした。てっきり私は甘えん坊の末っ子かと思っていましたよ。パパさんについて仕事しているそうです。パパさんのようなやり手の商人になるのは遠い先のような気がするんですが。頑張ってね。

「僕は19歳で成人しているんだよ。ああ、マリーも知っているとは思うけれど成人は18歳からだよ」

 そう言って兄さんがウィンクしてきました。ああ、ママさんや他の人もいるから私がこの国の成人を知らないと怪しいですものね。よく気が付きますって、感心してるばあいじゃないですよ!

 だって、だって兄さん今19歳っていいましたよね。全然兄さんじゃないよ!弟じゃないの!私より10歳も年下ってどういうことですか。同じくらいか、ちょっと上だと思ってたのに、なんだか悔しい気分です。あと、ここにいない次男くんと三男くんは寄宿舎のある学校へ通ってて、長期休暇にならないと帰ってこないらしいです。

 兄さんはそんな私の心を知らずにニコニコと笑いながら

「嬉しいね、こんなにかわいい妹ができるなんて」

 と喜んでます。いやいや、妹じゃなくて姉だし。はっ、もしや妹萌とかいうのですか。だから私が姉と認めたくないと…… 

でも周りを見るとそうだそうだと言わんばかりにパパさんもママさんも頷いています。そうですか、兄さんがそっち寄りの人じゃなくて、みんなにも私が妹に見えるんですね。29歳で実は妹じゃなくてごめんなさい。心の中で謝ってみました。

でもね、言わせていただくと決して私がサバ読んだんじゃないんですよ。何歳?って聞かれなかったから29歳って言い損ねました。紫レンジャーも年は聞かなかったし。

いつ言うべきだろ。今じゃないよね。


 とりあえず兄さんは便宜上?お兄様と呼ぶことになりました。10歳もサバ読んでたのがばれたらどうしましょう。日本人顔×童顔って得なのか損なのか……


 エディハム ウィンスター マリー アイドルもびっくりのサバを読んでます。

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