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元人間の魔物+鳥人 or 天使の主様

思い付いたら投稿します。

魔物化した人間が更に蝕まれているので、

そういうものが苦手な方は

ブラウザバックをお願いします。


2024.03.31 加筆分追加

じわり、ずくり。

倒したあやかしから移った邪気が、

体内で暴れだす。

……自分も既に「あちら側」の身とはいえ、苛々するものは苛々する。


人に見つからないよう、

影に隠れつつ、胸を抑えた。

契約の証をそっとなぞると、

少しだけ呼吸が整う気がする。

それと同時に、主様にも戦果と自分の回収依頼が伝わって、自分はそっと影を作る木によりかかる。


邪気が脈動と熱を生むから、

まだ生きているのかもしれない、なんて勘違いしそうになってしまうけれど。

契約の証に触れ続ける指は冷たいままで、やはりもう自分は人間ではないことを自覚する。


そんな風にして蝕む邪気と戦っていると、ふわりとその体が羽に包まれる。


「~~」

歌うように呟かれるのは、

自分の主になった羽のある者の浄化術式であり、それと同時に蝕む邪気が自分に馴染みのあるものに変わっていく。

羽に包まれながらそっと頭を撫でられると、優しくて、でも少し空っぽな思いを抱いてしまうのだ。


「お疲れ様でした」

微笑む主様を見上げる自分は、

声にならない声で、それでもお礼を言った。


ーーーー


(うわわわっ やっぱりあなたに乗って帰るのは慣れません!!!!)


空の上で必死に主様にしがみつく。

復活できるとはいえ、落ちたら一度はぐしゃぐしゃになってしまうから。


(練習練習~、

それに君は、そうやってココロが動いてる方がよほど良いよ)

楽しそうに滑空しつつ回転する主様に

恐怖と諦念を抱きながらも、そっと目を閉じるのであった。


ーーーー

とある日。

自分は路地裏を歩いていた。


「お兄ちゃんだ! 生きていたの?」

誰かに声をかけられて、驚く。

(だったものには泥だか魔力だかが詰め込まれていて、声は出ない。

急いでカバンから石版とチョークを取り出す。


『人違いだから。気をつけて帰って』

そうすると、彼女は泣き出す。

「ぜっったいお兄ちゃんだもん! ずっと会いたかった……」 


困ってしまう。

とっくのとうにモンスターに乗っ取られてしまった自分は、もう「生きて」はいない。

それに彼女を「魔物側」に引き込むのも嫌だと思う。

とりあえずそれとなく人通りがある方へ向かい、心のなかで自らの主に助けを求める。


「お困りのようね〜」

空から舞い降りる主。それには彼女も驚いたようで、目を見張る。


「とりあえず、食堂に行きましょうか」

主、彼女、妹は一緒に街の食堂に向かった。


「何でも頼んでね〜」

ふわふわした主には警戒しつつ、

彼女は自分に聞く。


「お兄ちゃんは、食べないの?」

表情を暗くしすぎないように、石版に文字を書きつける。

『人間じゃないから、食べれない』


そう、あれはとある夕方のこと……


自分は買い物をした後に、『それ』に襲われた。

真っ黒な、泥のような何か。

するりと体の中に入っていって、

胃やら肺やらに詰まってしまって。

息ができなくて苦しくて、そいつが馴染むたびに衝動に飲まれていって。


すっかり魔物と化して、ふらふらと夜の街を歩いた。

そんな時に主様に保護されて、それからは同族などを狩っている。

……だけどそれを、どうやって説明しようか。


迷っているうちに、主様が全部説明してくれた。


「魔物でも私のお兄ちゃん、ってのは、だめなの? 悪いことしてないでしょ?」

妹の素朴な疑問。

『だめ。巻き込みたくないから、忘れて欲しい』

「忘れるったって、会っちゃったら忘れられないよ!」

説明できなくて、苦しくなったところに主様の助け舟。


「んん〜 狩りに連れて行くのはだめだけど、たまに会うのはいいんじゃないかしら。誰のためにこの世界を守っているか認識するのも悪くないし」

そう……だろうか。

主様が言うならそうなのだろう。

暴れ出したくなるような気をなだめてくれる主様なら。


『仕方ないな。たまになら会おうか』 

『ただ もう『お兄ちゃん』ではないことはわかってほしい』

巻き込みたくないから。彼女には人間でいてほしいから。


「わかった!」と笑う彼女がどこまでわかっているかはしれないけれど。

笑顔でいてくれてよかったな、とは思う。



しばらくして彼女が聖女様として狩りのためのギルドに加わるのは、また別の話。

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