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ジェットコースター
目を閉じて、軋みを上げつつ昇っていく機体を感じる。
下に引っ張られる、斜め下に。
目を開けてみれば、青空。だけど怖いのですぐに目を閉じた。
昇っていくのが止まった。
前に少し走り、止まる。
そして坂を下り始める、来た。
加速度は無視して、急激に下に落ちる。
真っ暗な視界には、黄色い火花。
うめき声が漏れる、悲鳴すら出ないのだ。
火花は強く輝きだす、昇って、降りて、繰り返す。
そして、ぼんやり浮かび上がる赤。
赤信号、きっとそうだ。
昇って、降りて、それを感じて。
そして最後は、軽やかに平面を走った。
機体が止まった、感謝の声が聞こえる。
ゆっくりと、目を開ける。ただいま、世界。