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お風呂(一人称)


前の話の一人称です。少女が鬱です……。


 何一つうまくいかないのです。今日もまた、失敗してしまいました。

私はいつも一人ぼっち。心が冷たいのでしょう、大した感情も覚えません。

心と同じく、凍りついた体にお湯をかけます。

心も体も、少しずつ解けていくといいな……。

無理だろうな、と私はため息をつきます。


 浴槽につかると、何となくしびれた感じがします。お湯が熱いのかもしれませんが、私はそれが好きです。 

頭痛がするので、目をつぶって、顔に湯をかけます。

そして、まぶたに触れます。

温めれば、コリが取れるかなと思いまして。

「アイマスク……なんてね。」

私は一人呟きました。


 鬱屈がたまってきたので、一度暴れてみましょうか。どうせ私なんて、誰も見てくれはしないのです。

水の重みは、私の苦しみです。もっと揺れなさい、響きなさい。

私は叱られることさえありません。愛情の反対は、無関心……。


 そんなこと言っても仕方がないでしょうね。私はもう、本当はあきらめているのです。そろそろ、上がることにしましょうか。

対して汚れてもいない肌ですが、気になるところに優しく泡をつけて触ります。泡を滑らせるときが、私の唯一楽しいとき……というわけでもないけれど。

そして、泡を洗い流します。


 そして私は、浴槽を出ました。





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