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お風呂(三人称)
三人称は、慣れていません。
何となく書いてみただけです……。
あんまり色気はないので安心して読んでください。
まだ湯気で満ちていない時、少女は一人で湯をかける。
湯の熱が伝うたびに、少しずつ青ざめた肌が桃色になっていく。
水滴が肌を舐める。その様子を見て少女はため息をついた。
少女は浴槽につかる、目をつぶる、顔に湯をかける。そして熱を帯びた手でまぶたに触れる。
顔はまだ冷えているらしく、土気色をしている。
「アイマスク……なんてね。」
少女は一人呟いた。
少女は暴れる。湯の重みで浴槽は響く。
どしん、どしんと。まるで地震のように揺れる。
少女はわめく、自身の苦しみを込めて。
反響する。しかし少女はわめき続けた。
少女は一人立ち上がり、お風呂でのもろもろを済ませる。
泡が肌を滑る。色づいた肌に、滑る。
やわらかい湯気が浴槽を満たし、泡は少しはじける。
そして、湯が少女を隠す泡を洗い流して……。
少女は、浴槽を出た。