表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星船  作者: カジ
6/16

6回目

「えぇ。普段は使わない筋肉でも使ったんですかね」

セイジは「あなたは誰ですか」と言い出せなかった。

ただ、なんとなく自分達とは違う。別の星の人なのだろうとは感じていた。

肌や瞳の色はほぼ同じ。目立って二人と違うのは、大人びた雰囲気と見合わない体の小ささに、不自然さを感じさせない紫がかった髪だった。

「私も始めて正装をさせられた時はそうだったな。私の故郷の正装はとにかく重くってね。何のためにあるのか分からない飾りばっかりつけてさ」

男が服の裾を掴んで、飾りがどこについていたのかを説明する。

「あの」

男とセイジがシズクを見る。

「あなたはどなたですか」

シズクの口調には訊きづらい事を訊いている様子はなかった。

「 あぁ、ごめんごめん」

男が笑いながら頭を掻く。

「初めてこの星の人と会ったから少し興奮していたよ。私はノウ・ラン。ここで働いているんだ」

「あぁ、そうだったんですか。私はシズクといいます。よろしくお願いします」

「セイジです」

ノウが頷きながら手を差し出す。それに二人が答えると、嬉しそうにまた笑う。

「私も色々、君達と話したい事もあるんだけど今日位は我慢しよう。ここで暮らしていればきっと嫌でも顔を合わせるだろうしね」

二人の間を通り抜けてノウが階段の方へ歩いていく。

「さぁ、この階段を上がったらそこが君達の教室だよ」

振り返って手すりをポンと叩いてみせる。

「慣れるまで色々大変だろうけど頑張るんだよ」

「ありがとうございます」

「あ、その前に。ちょっとカード見せてもらっていいかな」

軽く頭を下げてから、階段に足をかけた二人へ向けてノウが言う。

「……はい、これです」

「私も」

ノウが「ありがとう」といって二枚のカード表や裏を引っ繰り返して見つめている。

「あぁ、ここだ」

カードの表、その右下を指し示す。

「うん。二人とも02クラスだね」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ