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風の終わり  作者: 竹内すくね
一部
15/37

踊る料理人



 突風同盟の北寮にある食堂で、深刻そうに顔を伏せる者たちがいた。彼らの表情は一様に青褪めている。

「……どうするつもりだ?」

 震える声が、深夜の食堂に響いた。

「どうするつもりって……」

「どうもないだろ! どうにも出来ないじゃないか!」

 一人の男が椅子を倒さんばかりに立ち上がる。彼は顔を真っ赤にして、この場にいる全員の顔を見回した。

「このままでは我々の責任問題に発展しかねん。そうなれば終わりだぞ。腹を空かせた狼たちの前では、我々などただ食われるが為の羊でしかない」

「しかし打開策は望めん。ただでさえ人手が足りないギルドの現状で、こちらにまで割いてくれるような人員がいるかどうか……」

「かと言って、外部から全くの部外者を呼ぶ訳にもいくまい。やれやれ、巨大な城を築くのは構わんが、動きが鈍重になってはかなわんなあ」

「私たちだけで状況を打破出来ないの? 他の戦場に比べれば、私たちが相手をするのはまだマシじゃないかしら」

「……数だけで見ればの話だ。我々の相手は歴戦を生き抜いた古強者だぞ。彼らを相手取るなら、新兵百人に囲まれた方がまだ生きた心地がする」

「まあ待て、少しは楽観的に考えるべきだ。幸い、材料だけは揃っている。明日一日を耐え切れば、援軍もやってくるだろうさ」

「全員が休みなしでか? 馬鹿を言え、まともなローテーションも組まずに奴らと一戦交えようなどと、貴様は今までに何を学んできた。息の抜き方だけを小賢しく身に付けおって……!」

 殺伐としてきた空気に、皆が押し黙る。が、ここで最も若い男が口を開いた。

「あ、あの、要するに問題なのは人が足りないって事なんですよね?」

「……ああ、どう見積もっても五、いや、四人は足りない」

「僕が連れてきます。何とかしてみせます」

 場が俄かにざわめいた。

「君にそれが可能だと? 失礼ながら、一番若い君に信頼を置いている者は少ない。この苦況から逃げ出したいが為の一時凌ぎ、世迷言にしか聞こえないのだよ」

「そう思われるのは承知の上です。けど、ううん、だからこそ、僕は何とかしなきゃいけないんです。皆さんに信じてもらう為に、何よりも、僕自身が今をどうにかしたいから……」

「しかしだな」と、一人の男は食い下がる。が、他の者は若い意見に賛同したらしい。

「私は賛成よ。彼以外に案を持ち出す者もいないんだし、これ以上時間を使っても、明日に悪い影響が出るだけだと思うわ」

「俺もだ。いつまでも会議を踊らせていても仕方あるまい。何、若者に己の命運を託すのも分の悪い賭けじゃあないと思うがね。いつまでも年長者が出張っていては後進が育たない。はっは、早いとこ安心したいんだよ、俺は」

「……むう、君たちがそこまで言うのなら。他の者も、彼に賛成するという事でよろしいか?」

 男が尋ねると、ささやかな拍手が返ってくる。彼は頷き、全員を見回した。その後で、若い男に顔を向ける。

「正直なところ、若い君に全てを委ねるのは心苦しい。しかし、今の我々は君に頼らざるを得ないんだ。……情けない大人たちだと蔑んでくれても良い。だが……っ!」

「気にしないでください。僕がやりたいからやっているだけなんです。それに、皆さんにはいつも助けられていますから」

「うむ、ありがとう。それでは解散っ、明日の朝は早い。皆、遅刻しないでくれたまえ」



 ガラン班に宛がわれた部屋には、いつもと同じような時間が流れていた。トーマを除いた三人はポーカーをしており、

「ぬあああっ!? 何故俺が負けるのだっ!」

「お前向きのゲームじゃねぇって。あーあ、カモがいちゃあスリルってもんがないよなあ」

「…………同感だ」

 レオが最下位になり、翌日以降雑用を命じられるのはもはや彼の日課とも言える。

「貴様ら、よもやグルか? イカサマを使っているのではないだろうな?」

「アハハっ、てめぇなんかにサマぁ使うのは勿体ねぇっつーの。なあ、顔隠してやればちったぁマシな勝負になるんじゃねぇの?」

「黙れっ、くそっ、このレオ・バーンハイトに辛酸を舐めさせるとはぁ!」

 レオはベッドの上のトランプをぐちゃぐちゃに引っ掻き回して毛布を被った。

「オレのベッド使ってんじゃねぇよ!」

「農民には使わせておったではないか!」

「ぐ、う……気のせいだから早く退けっ、マジでぶっ殺すぞ」

 ウェッジは散らかったトランプを片付けながら、小さく息を吐く。

「ええい、煩わしい駆け引きなど俺には最初から不要なのだ。ナイフを抜け女、このレオ・バーンハイトがその剣ごと粉砕してくれるわ!」

「あー、うっせぇなあ。一人でやってろよ単細胞」

「……ただいま……」

 その時、何も知らないトーマが部屋に入ってきた。彼はレオとジュリがいがみ合っているのを見て、肩を落とす。

「少しは仲良くしなよ……」

「遅いぞ農民っ! 見ておけ、今からこの生意気な女が俺に跪いて許しを乞う様を!」

「ヒヒっ、よう、田舎モン。お前も混ざろうぜポーカー」

「僕は……あ、いや、やろうかな」

「へえ? 珍しいな、いつもは乗り気じゃねぇのによ」

 トーマはベッドの縁に座り、ウェッジが手慰みにシャッフルしているトランプを見遣った。

「…………何か賭けるのか?」

「ううん」と、トーマは頭に手を当てた。何か考えているような素振りである。

「金だよ金、金賭けようぜ」

「その、お願いがあるんだけど」

 目を伏せながらで、トーマはおずおずと口を開いた。

「明日、皆暇かな? 付き合って、と言うか手伝って欲しい事があるんだ」

「却下だ。俺は自分を研くのに忙しい」

「オレはだらだらすんのに忙しい。パース、一人でやってろよ」

「そ、そんなあ」

「…………明日、何がある?」

 見兼ねたウェッジがトーマに声を掛ける。

「う、その、実は人手を集めてて。ほら、黒い屋根の寮の食堂、明日忙しいんだよ」

「む。そう言えば、農民は料理人の真似事をしていたな。下っ端らしく使い走りをさせられている訳だ」

「厨房で風邪が流行ったらしくて、人が足りないんだ。お願いっ、明日だけで良いから手伝ってください!」

「…………良いだろう」と、ウェッジは躊躇わずに頷く。トーマはぱあっと瞳を輝かせた。

「あっ、ありがとうウェッジ!」

「…………俺は何をすれば良い?」

「ううん、仕込みかな。野菜を切ったり、後は洗い物とか」

「容易い事だ」

「本当に助かるよ!」

 トーマとウェッジが二人だけで話しているのを見て、レオはつまらなさそうに彼らを見遣った。

「貴様ら、俺を無視するか。ふん、良い度胸ではないか」

「え? あ、だって、来れない人に話したって……」

「このレオ・バーンハイトを蔑ろにぃ! その罪、万死に値すると知れっ」

「じゃあ、折角だから君も手伝ってくれないかな」

 レオはぐぬぬと唸り、髪の毛を掻き毟った。

「農民の……しかも下働きのような仕事、バーンハイトのやるような仕事では……!」

「皿洗いが嫌なら、あ、に、荷物運びとか。重いものを持つんだから鍛えられると思うよ」

「む、そんなのもあったのか。……良かろう、感謝するのだな農民。この俺が手伝う事など……」

 トーマは耳を塞いでお礼を口にする。少しぞんざいかもしれなかったが、お礼を言われた当の本人は気持ち良さそうにぺらぺらと喋り続けていた。

「良かったあ、これでどうにかなるよ。じゃ、明日は早いからもう寝ようかな」

「ちょ、ちょっと待てやコラ」

「……?」

 立ち上がったジュリに、トーマは『どうしたの? 何かあったの?』 とでも言いたそうな視線を向ける。

「あー、アレだ。もう必要ねぇのかよ?」

「必要って?」

「…………明日の手伝いの事を言っているのだろう」

 ウェッジに教えられたトーマは、ああと手を打つ。

「だって、明日は忙しいんでしょ。良いよ、二人が手伝ってくれるんだし」

「……へ、へえ? 馬鹿にされてるみてぇだな、オレは」

 ジュリはこめかみをひくつかせながら、ウェッジの持っていたトランプを奪い取った。

「賭けだ」

「いや、僕は別に」

「賭けろってんだよ田舎もんが! この際だかまわねぇ青天井だろうがなんだろうがっ!」

「……な、何起こってんのさ」

「む、またポーカーか。良いだろう、俺も数に入れろ」

「あったりまえだろクソが。おら、四人でやんぞ。ルールは単純一回勝負、一位の命令を全員が聞く事。良いな!」

 熱くなるジュリを理解出来ずに、トーマはただただ首を縦に振る。

「…………リフルシャッフルはカードを傷めるぞ」

 ジュリが山をシャッフルし、カードを配っていく。

「女、チェンジは?」

「一回切りだ。コールはなし。役のつえぇ奴が勝ちだからな」

「…………ポーカーでなくても良かったのではないか? 三枚変える」

「気分だよ気分。オレも三枚」

「ふははっ、ならば俺はオールチェンジだ!」

 トーマはレオが高笑いしたのを申し訳なさそうに見つめた。

「……田舎もん、お前は何枚変えんだよ」

「あ、と、僕は変えない、かな」

「貴様っ勝負を舐めているのか?」

「そんなつもりはないよ」と、トーマは五枚のトランプを裏にしたままで、ベッドの上に並べる。

「ほう、他者に配られた運命に頼るか。自らの手で、新たな道を切り開けるかもしれんと言うのに」

「あとはオープンするだけだ。オラ、全員見せな」

 四人が手札を表にした。瞬間、ウェッジは絶句し、レオは喚く。

「へえ、珍しいもんが見れたぜ。……文句なしにお前の勝ちだな」

 文句が出る筈がない。トーマが示した役は、ロイヤルストレートフラッシュだった。



「…………初めて見たな」

「あ?」

 レオの喧しいいびきと、トーマの規則正しい寝息が聞こえる明かりの落ちた部屋で、ウェッジは呟いた。先の結果が未だに信じられないのだろう。……否、信じていないのである。

「ま、出る時ゃ出んだろ。確率はゼロじゃないんだからさ」

 ウェッジは体を起こして首を横に振った。

「…………ゼロだ。ジュリ、君がカードを配ったのだからな」

「どういう意味だよ」

「…………君ほどの者があのような役を許す筈がない」

 ジュリは口の端をつり上げて、ウェッジを流し見る。

「アハ、その言い方だと、オレがイカサマしてるみたいじゃん」

 ウェッジは意味ありげに笑った。

「…………不器用だな」

「ああ?」

「混ざりたいのなら、素直に言えば良い」

「お前、頭沸いてんじゃないの。意味が分かんないよ」

「…………君はイカサマを使った。トーマにな。彼が勝てるようにカードを配ったのだろう」

「はっ、くだんね。決め付けてんじゃねえよ」

 ジュリは寝返りを打ち、ウェッジから顔を背ける。

「…………俺も人の事は言えないか」

「ああ? 何か言ったか?」

「何もない」と呟き、ウェッジは瞼を閉じた。



 朝、ガラン班の四人は瞼を擦りながら北寮に向かっていた。

「……農民、やはり、俺は、無理、だ」

「クソがふらふら歩いてんじゃねぇぞ。邪魔だ、邪魔」

「では、お言葉に、甘えて、俺は帰る」

「か、帰らないでよ。ジュリ、そういう事言わないでよ」

「うるせェ馬鹿」

 特に、朝に弱いレオは悲惨である。平生の彼からは想像の出来ない状態になっていた。髪の毛は跳ね放題で、足取りはどこか覚束ない。まだ夢から覚めていないのか、ぶつぶつと、何事かを呟いている。

「…………危険だぞ」

「ううん、まあ、そろそろ起きると思う。それに、起きたら起きたでうるさいと思うよ」

「ヒヒっ、同感だな。いっそどっかに沈めちまおうぜ」

 寮の入り口近くにはコックコートを着た痩身の男が立っていた。

「あっ、イジーさーん!」

「おおっ、トーマ君」

 イジーと呼ばれた男が手を振って答える。

「…………トーマ、彼は?」

「うん、突風同盟の料理人さんたちを仕切ってる人、なんだってさ」

「コック仕切ってるぐらいで偉そうにしてんじゃねぇっつーの」

「……ジュリ、そんな事を言ってられるのも今の内だけだよ」

 真剣な表情でトーマが言うので、ジュリは少しだけたじろいだ。

「どういう意味だよ。お前、まさかあんなガリガリ野郎にオレが負けるとでも……」

「トーマ君っ、と、他の皆さんも駆け足だ!」

「は、はいっ、今すぐに!」

 トーマが慌てた様子で走り出し、三人も後に続く。

 三人とも、この時はまだ気付いていなかった。突風同盟の食堂を任される者たちの事を。そしてまだ知らない。入団試験よりも、ゴブリン討伐よりも、何よりも恐ろしいモノの正体を。



「…………思い出したくない」

 彼は顔を背けて、その場を立ち去った。



 厨房は戦場と化していた。

 と言っても、決して激しくはない。誰も彼もが押し黙り、目の前の仕事に埋没し切っている。一触即発、触れれば破裂してしまいそうな、ぴりぴりとした空気がここを満たしていた。

「……あちぃな」

「火を使っているからね。それじゃあ、着替えてきてくれ」

 コックたちは厨房に入ってきたトーマたちを一瞥すると、すぐに作業へ戻った。

「着替え、だと?」

 レオがイジーを睨む。睨まれたイジーは肩をすくめ、トーマを見つめた。

「トーマ君、大丈夫なんだろうね?」

「え、ええと、多分、大丈夫、です」



「屈辱だ。このレオ・バーンハイトが、あのような……っ!」

 彼は立ち上がり、声を荒らげた。



「それじゃあ、トーマ君はいつも通りに。えーと、ジュリ君は野菜の皮むきを、ウェッジ君は料理が出来るんだったね? すまないが、遅れている者の援護に回ってくれないか」

 トーマとウェッジは頷き、ここまで来ては逆らう気もなくしてしまったのだろう、ジュリも仕方なさそうに頷き、持ち場に入った。

「……ふう、これで何とかなるかな」

「おい、貴様……」

「ん?」

 イジーが振り向くと、こめかみをひくつかせ、握った拳を震わせているレオがいた。

「俺は、何をすれば良いのだ。わざわざ来てやったと言うのに、この……っ」

「あー、えーと、そうだねえ」

 正直、イジーは困っている。トーマから聞く限り、レオと言う少年は料理はおろか、家事ですらまともにやった事のないどこかの国のお貴族様らしいのだ。厨房の仕事を任せる訳にはいかない。かと言って連れてきてくれたトーマの手前、レオに何もやらせない訳にもいかない。

「貴様口が利けないのか!? 俺はっ、何を、すれば良いのだっ」

「あ、あのー」

 その時、一人の料理人がイジーの傍に近寄る。

「どうしたんだ?」

「いや、実は、食材が少し足りないらしくて……」

「何が足りないんだ?」

「肉が……」

 料理人はコック帽を被り直しながら、申し訳なさそうに言った。

「肉が? 困ったな……あ、そうだ」

 イジーはレオを見遣り、人の良さそうな笑みを浮かべる。

「レオ君にはお使いを頼もう」

「なっ、こ、この俺が、使いを、だと……?」

「お使いも立派な仕事だよ。君がやらなければ、全ての作業が滞ってしまうからね。そう、言わば君がリーダーだ」

 レオは眉根を寄せて、リーダー、と口の中で繰り返した。

「そう、君がリーダーだ。レオ・バーンハイト君」

「ふ、ふふ、ふはは」

 低く笑い、やがてレオの笑い声は大きくなる。

「ふははははっ、そうか! 俺がリーダーか。良いだろう、遣いぐらい容易くこなしてやろうではないか。ドラゴンの肉だろうが何だろうがこのレオ・バーンハイトが見事持って来てやろう」

「助かるよ。それじゃあ、はい。これがお金で、このメモに書いてある場所へ行って、書いてあるものを買ってきてくれるかい」

「無論だ。では、行ってくる」

 厨房を出て行ってからも、彼の笑い声は止まなかった。



「アホだなあいつ」

 野菜の皮を剥いていたジュリが呟く。彼女の隣で同じ作業をしていたトーマは頷き掛けた。

「起きたばかりで頭が動いてないんだと思うよ」

「起きてる時と変わらねぇだろ」

「そうかなあ」

「そうじゃねぇか」と、ジュリはナイフをくるくると弄ぶ。

 自分よりも上手いと、トーマは彼女の手捌きに感心した。そして少し嫉妬もする。

「……何だか、慣れてる感じがする」

「ああ?」

「料理とか、するの?」

 ジュリは皮を剥いた野菜をかごに投げ入れて、トーマを睨んだ。

「悪いかよ」

「ううん、全然。良いなあ、僕、あんまり器用じゃないから」

「見りゃ分かる。お前アレだな、絶望的にグズだもんな」

 まだ厨房に入ったばかりだと言うのに、ジュリはかなりの仕事量をこなしている。彼女のかごに積み上げられた野菜を見ると反論出来ないので、トーマは口をつぐんだ。

「こんなもん早く出来たって大した意味はねぇよ。こういうのはな、テキトーにやってんのが一番良いんだ」

「良くない考えだと思うけどなあ。一生懸命やった方が後で役立つよ」

「立たねえから言ってんだバーカ。つーか、何? お前さ、働いた事とかねえの?」

「あっ、あるよ」

 ジュリは口の端をつり上げて、愉しそうな笑みを作る。

「へえ? 何、森ん中で動物追っ掛け回してたワケ?」

「それもあるけど。色々やってたもん、僕だって働いた事ぐらいはあるさ」

「じゃあ才能がねえんだな。諦めれば?」

「……料理だけは、母さんが手を出すなって」

「『うん、分かったよママー』」

「そんな事言ってないよっ、と言うか僕の真似しないでよ!」

 トーマが怒ったので、ジュリはげらげらと声に出して笑った。

「母さんの趣味、みたいなものだったからだよ」

「あっそ。聞いてねぇし」

 悔しいが、騒がしくしているのを他の者に見られたのでトーマは耐えようと決意する。

「……どっか行けば良いのに」

「あ?」

「何でもないよ」

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