交差する光、夢へ走り出す時
海美:気持ちはわかる、でも…ここまでしないでほしい…
??:何この集団、ひかり!こんな集団なんかほっといて家でお勉強よ!
ひかり:お母さん!
ここはとある高校の演劇部。脚本会議中に寂しそうな顔を見せたひかり、親がきていたらしく、部活に入ることを反対されたひかりは隠していたが…とうとう気づかれた。
クロエ:黒門さんのお母さんでしたか。私が部長のクロエです。
ひかり母:まぁ、どうも。うちのひかりはこんな底辺とは違いますので。
ひかり:お母さんやめて。私が決めたの…高校生活も私が…
ひかり母:なんで!ひかりはお母さんの言う通りにすればいいの!勉強してこんな底辺高校から国立大学を目指すわよ!だからこんな部活をしている暇なんてないの!さぁ、帰るわよ!
クロエ:…先輩…帰っちゃったかな…
海美:こういう親は真っ向勝負じゃなくて交わすことも大事なの。
昴:子どもと親、二人だけにさせましょう。気が済むまで言い合いさせましょう。
くるみ:役者になりたいって言った時、こんな反応したなぁ。私じゃ無理だって。
早苗:あ、昔言ってましたね。たまにご飯を奢ってましたね…
きらりん:私はその逆で役者にならないとだめ…でも、正直揺らいでいるんですよ。
わたぼう:…こんなにガチでいいのかな?目標は同じでも才能や技術は人それぞれだよ…私は私らしくできればいい。周りに嫌われてもいい、壊れたっていい。でも、私らしくできなくなったらそれで終わりだと思うの…
クロエ:わたぼうって結構まともなんだね。
きらりん:でも言いたいことはわかる。
結愛:ちょっと!?机を投げ始めたよ!実の子に!
ひかり母:ふん、私に物言う態度じゃないわね。あ、部長さん、あの子に退部届をお願いしますね。
クロエ:…は?はい?
智美:ちょっと待ってよ。なんでひかりのやりたいことまで奪うんだよ。あたしには理解できない。
ひかり母:別にいいじゃない。君の家って里親なんでしょ?親に捨てられて可哀想ねぇ!
智美:…なんで私が部活をサボっていたかも知らないでしょ。私は…ひかりを幸せにしたかったの!あの子も私と同じ目をしてた!あの子は寂しそうだったの…だから毎日遊んで…でも、なんでだろう。なら部活すればよかったじゃない。あー私って馬鹿らしい!
ひかり母:やっぱり馬鹿じゃない。こんな人間と関わっちゃいけません!さぁ!勉強しますわよ!
柴乃:ちょっと質問してもいいですか?勉強って言いますけど、それってどういうことをしてるんですか?
ひかり母:まぁ、家庭教師をつけたり、塾に行かせたり…私は心で応援しているだけよ。中卒だもの。
杏子:…黒門って名前、聞いたことがあったと思ったら…昔私を馬鹿にしたの、貴方ですよね。覚えていないと思いますけど。
ひかり:…あの時の!母が本当にごめんなさい…
ひかり母:…演劇部のあの子ね。まさか再会するとはね…でも私、負けないから!
わたぼう:…もう負けてください。これ以上説得しても、暴力をふるっても、死んでもあなたの負けなんです。認めてください。彼女の熱意は本物です。机を投げられて腕をケガしても…あなたに認めてもらいたいからここにいるんです…だから…お願いします。
彩子:私もひかりさんの演技を見て彼女の向上する力や真面目なところが見えたんです。そういう姿勢を奪わないでください!
ひかり母:そう。そこまで言うなら勝手になさい。でも私は認めないわ。
こうして母は帰っていった。そのあとはひかりの治療が終わり次第部活を終わらせた。脚本はその後彩子が主体で作ることになった。
ひかり:今日はごめんなさい…
杏子:気にしなくていいよ。
海美:でも…
早苗:海美、今日のここから!ここがスタートラインだよ!