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幽冥婚姻譚  作者:
第三幕 白鼠の御宿
43/43

十九 とある噂

 ◆◇◆◇◆ 


 

 とある宿場町(しゅくばまち)で不可思議な事が起こった。

 なんでも、人が生き返ったんだとか。


 ある日突然。四人の男が死んでしまった。まるで魂でも抜かれてしまったように、こてん、だ。その死に顔も苦しみなんてこれっぽっちもない安らかなもんで、誰もが首を傾げた。

 なんなら、医者まで死んだ原因が判らないと匙を投げたんだと。

 まあ、それでも死んでしまったものは仕方がない。通夜をやって、葬儀の手筈も踏んでいた。

 四人もいっぺんに死んだものだから、祟りじゃないか、なんて言い出す町人もいて。何の祟りか心当たりがなくとも、流石に四人も一片に死んだとなると気味が悪いからって事で、金を出し合って祈祷もしようという事になった。三人が荒くれだったのにも関わらず、だ。まあ、それはそれは仰々しい葬式が準備されつつあった。


 ――――だが、通夜も終わって寝ずの番(蝋燭や線香を絶やさないようにする役目)の男が棺桶四つの前で、頭がゆらゆら揺れて舟を漕ぎ始めた頃。

 四つ並べられた棺桶のうちの一つから小さな物音が鳴った。かりかり――かりかり――まるで鼠が這い回っているような……。

 四人の妙な死に様と良い、一人で寝ずの番をする者の肝を冷やすには十分な要因だった事だろう。音が単調に続くだけならいざ知らず、四つ全部から音がするので寝ずの番の目がしっかり覚めたのは言うまでもない。それどころか、顔を真っ青に染めて棺桶から遠ざかるように後退っていた。

 段々と音は大きくなって、やがて――


 どんどんどんどん――――


 中から何かが叩きつけるような……まるで、死体が暴れているようだった。

 これには寝ずの番の男も耐えられず、抜けそうになる腰をなんとか引きずって、誰か、誰かとその場を離れ外へと飛び出した。そして、大勢を引き連れて戻った時には死体だった筈の四人が、棺桶の蓋をこじ開けて立ちすくんでいたんだとか。


 


 

 

 第三幕 了



 第三幕を最後までお読み頂きありがとうございます。

 これにて了ですが、第四幕に続きます。けれども、これっぽっちも出来上がっておりませぬので、しばしお待ちを。

 では、また第四幕でお会いいたしましょう。

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