82 文科奉行
感想、誤字報告いつもありがとうございます。
流れの中でここで挟んでおきたい話が続きました。
土佐に戻ります。またしばらくは内政回となります。
(1535 春 12歳)
短期間というほど短いわけではないが、半国以下の領地が3倍以上になったのだから
いろいろと細かな問題はおこる。
中村御所に行政機関を整え、各氏ごとに仕事を与え続けたおかげでなんとかまわっている。
余計なことを考えられないほどに仕事は山積みだ。
小荷駄(兵糧の管理)奉行、
中村のある幡多郡以外の農民の救済のための炊き出し中
具足(武具防具の管理)奉行、
臣従した各氏の兵の再配備と組織化中
寺社(寺社の修理建築、寺領の管理)奉行、
統一された土佐国内の寺社の修理がフル回転中
勘定(財政)奉行、
土佐国内の商家の監督、普請と寺社修復への予算割当に四苦八苦
普請(土木)奉行、
河川と街道整備の段取り
式目(立法司法)奉行
法整備は手探り中だが、各地の小競り合いの仲裁に忙殺されている
現場は現場でとにかく人手が足りない。
山奥にある村のいくつかは集団で平野部に移住させたほどだ。
十分に開発されていない土佐(高知)平野を集中的に整備し、
生産能力を数倍に引き上げている最中だからだ。
戦がないことが大きい。兵のほとんどが河川工事や農地整備に駆り出されている。
農民は生産作業に集中できる状況だ。
戦をしている余裕などない。国内整備だけで精一杯なのだ。
そんな忙しい中でもうひとつ新しい省庁=奉行を作った。
文科奉行だ。土佐学校、航海学校、医学校を監督させる。
土佐学校は足利学校のような高等教育機関を目指す。軍事色の強い学校だ。
足軽合宿所で学んだ武家の子弟で優秀な人材が学ぶ場所だ。
航海学校は水兵合宿所の上位学校。
望遠鏡と鏡を開発できたとはいえ、うろ覚えの知識では六分儀は作れそうにない。
現状は四分儀と望遠鏡での航海となっている。
複数の唐船と多くの弁才船の所有権を盾にして海図の情報を共有させている。
土佐に寄港した船は全て海図を提出させ最新版を渡す。
各船には必ず海図を書く担当者と見習いの副官を配備させる。
腕がよければ唐船の乗組員に登用され、収入も格段にアップするからモチベーションも高い。
まだ低倍率の望遠鏡しか開発できていないが
望遠鏡は唐船と朝廷への献上品しか外には出していない。
戦場にも出していない。海図の流出はある程度覚悟しているが望遠鏡は最重要機密だ。
国内航路には医学生を乗せていく予定だ。
海外航路のために船旅に慣れさせておきたい。
医学校は中村に作った。
朝鮮や明の医学薬学の関連書はまず中村にある中村文庫に集まる。
京の一条家と角倉家からは京にある医学薬学の関連書の写本が届く。
周防大内家からも写本が届くが重複も多い。
中村文庫は国内随一の医学図書館になりつつあった。
漢方医学が主であるから、中村郊外には薬草園も作った。
これに家庭医学レベルであるが少ない知識を書き出した私本と
教材として理科標本で使われる人体解剖模型や各臓器の機能説明書も用意した。
学校では罪人を使った解剖実習までも取り込むつもりでいる。
画期的な医学校ができつつあった。
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