52 土佐首脳会談 前編
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(1532 秋 10歳)
祖父房家から津野氏の高岡郡の東に位置する
長岡郡の本山氏の攻略の指示がでた。
そこで、祖父房家と父房冬を説得して無茶な計画を通した。
まず当主房家自ら本山氏を訪れ、そのまま人質として残る。
同じく長岡郡の長宗我部氏には父房冬が訪れ、残った。
高岡郡の大平氏には祖父の弟で家老の土居宗珊が訪れ、残った。
代わりに各当主には中村に集まっていただき首脳会議を
開くことにしたのだった。京から戻った津野国高も同席させた。
本山氏と長宗我部氏は険悪な間柄だった。
1509年、長宗我部国親が5歳の時、
本山氏・山田氏・吉良氏・大平氏に攻められて本領から脱出。
幼少の国親を保護したのが祖父房家。
その後、祖父の仲介で和睦し、長宗我部氏が元の領地に戻ったのは
国親14歳の時だった。未だに長宗我部氏は弱小勢力のままだ。
本山氏は長宗我部氏にとっては憎き仇なのだ。
なお、前世で四国を統一した長宗我部元親はまだ生まれていない。
時間差で集まってくるので収穫風景を視察させた。
千歯こきや唐箕の実演つきだ。
整然と並んだ黄金色の稲の豊かな実りと
省力化した道具の便利さを見せつける。
刀などの武器は預けてもらい、各家の当主と側仕え2名ずつを
広間に通して待ってもらっているところに乗り込んでいった。
参加メンバーは本山茂宗、長宗我部国親、大平元国
『一条房基です。
この度は皆さまお集りいただきありがとうございます。
これより会談を始めさせていただきます。』
「お主のような小僧が一条家の代表なのか。話になるのか?」
『本山様の身に何かあれば殺されることを房家に承知させたのは私です。
長宗我部様のお城には父房冬が、大平様のお城には大叔父宗珊が
残っております。この会談の絵を描いたのは私でございます。
ご納得いただけないのであればお帰りください。』
「房冬殿は何やら楽しげにやってこられたわ。
肝の座った小童よな。房冬様はよいお子を持たれたの。」
『いかがでしょう。皆さま、話を進めてもよろしいですか?』
「「「・・・・」」」
『では、話を進めさせていただきます。
単刀直入に申しますと、皆さまには一条に臣従していただきたい。
一条が土佐をまとめあげまする。』
「わはは、たわけたことを。やはり話にならぬわ。
従わねばいかがするのじゃ小僧。」
『潰させていただきます。』
「できると思うてか?」
『できぬとお思いですか?』
「・・・・」
「本山と仲良くできるはずもなかろう。こいつらは仇よ。」
「幕府にすり寄る野狐がほざいておるわ。」
『お互い敵同士と噛み合っている限り、戦は終わりませぬ。』
「我らを犬畜生と同じと愚弄するか、小童め。」
『犬のほうが利口です。親兄弟の仇などと考えるのは人だけです。』
「小僧、親兄弟の仇を取るのは愚かなことか?」
『そもそも愚かか愚かでないかの話ではないと思います。
左手をご覧ください。あの襖の絵は四国の地図です。
赤く縁取っているのが土佐です。
右手にある襖の絵は日の本の地図です。
赤く縁取っているのが四国です。
いいかげんに土佐の中で争うのは終わりにしないと
豊かな細川や大内に食われてしまいます。
戦がしたいのであればいくらでも戦場をご用意します。
ここですぐに答えよとは申しませぬ。戻ってから家中でご相談ください。』
「われら大平は臣従いたします。家中をまとめた後は
津野殿のように中村で隠居してもかまいませぬ。」
「「「大平殿!!!」」」
「どうか大平の民を一条の民のように豊かにしてくださいませ。」
「小僧に化かされたか!」
「津野殿、いい顔立ちになられた。羨ましいです。
房基様は仕えがいのあるお方か?」
「甘さが目立ちますが、器の底がみえませぬ。」
『そこまでにしろ。これが全て仕込みで、
大平殿にひと芝居うたせたように思われるではないか。
私抜きで話したいこともあろう、席を外す。
話が済んだら自由に国へ帰られよ。』
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