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戦国クラス転生  作者: 月本 一
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45 津野氏からの侵攻

感想、誤字報告いつもありがとうございます。

(1531 秋 9歳)

一条家は幡多郡だけでなく土佐国内あちこちに飛び地を持っていた。

最近ではそこを取り纏めている豪族の要請を受けて

新しい農法の技術指導者を派遣したり

千歯こきや唐箕を貸し出したりしていた。

足踏み式脱穀機は開発したばかりで飛び地にまでは出回っていない。


幡多郡の東隣である高畑郡の津野氏が

複数箇所で収穫前の稲を刈り取ったり略奪をし始めた。

正しくは配下の武将達が連鎖的に各所で暴走していた。

野分(台風)の被害が激しく冬が越せそうもない場所が多いようだ。

この夏、土佐守護である細川高国が細川晴元に敗れて死亡した。

偏諱を受けていた津野国泰は後ろ盾を失い

配下に不安が広がっていた矢先に立て続けに襲った野分。

津野氏を長く支えてきた中平元忠が幡多郡に大きく侵攻してきた。


津野氏とは領地を接しており、

これまでもいろいろと因縁のある相手である。

土佐一条家当主である祖父房家は主だった武将を集めて評定を開いた。

元服も終え、領地持ちにもなっているので私も安並とともに参加。

当主の孫とはいえ、新参なので末席に座って評定を聞いていた。

家臣達の多くの意見は津野討伐でまとまりつつあった。


祖父から声がかかる。

「房基、静かにしておるが何かあるか?」


『戦いは避けられないでしょう。皆様、どこまでやるおつもりですか?

 押し返して賠償金を取り立てるのか、

 津野氏を族滅して高岡郡を支配されるのか?』


一瞬、場が静まり返り、その後ガヤガヤとざわめく。


「その方はどう考えておる?」


『津野氏は俸禄のみで中村で隠居していただき、領地全てをめしあげるべきかと。』


「族滅と変わらぬ苛烈な話よのう。大戦(おおいくさ)じゃ。兵はいかほど出せる?」


『・・・300。馬廻衆が100、足軽衆が200。』


実際はもう少しは出せるが、ここは全力を出す場面ではない。

全員分の装備を整えられるかも微妙な所だ。兵站を支える小荷駄衆も必要。

戦う人員が300なら小荷駄衆が200、計500の糧食が必要だ。


「300!」

「馬廻衆だけで100も出せるのか!」


場がいっせいにざわめきはじめる。


「300とは多いの、なぜそれほどまで集められる?」


『ほとんどは戦は未経験です。普段は河川や道路の整備をしておりますし、

 馬廻衆は馬の生産現場で働いている者どもが中心です。

 ですが、体力と持久力は鍛え上げております。』


「なるほどな、だがその方はまだ幼い、戦に連れていくわけにもいかぬ。

 その300、わしに預けてもらおう。」


四家老といわれる為松、土居、安波、羽生のうち為松がずいと前に出た。


「おそれながら、他の諸将が出せる兵の数との差が大きゅうございます。

 房基様の兵はその半分ほどでいかがでしょう。

 できますれば5,6頭でよいので馬を買わせていただけませんか。」


「私は4頭でよいので・・・」


「私も」「私も」「私も」・・・・・・


われもわれもと声があがる。

数百キロの重量のある馬は戦場では戦車相当の破壊力がある。

だが燃費も悪いし、育成の手間もある、現役で働ける期間も短い。

どこの家もそれほど数が揃えられるものではないのだ。


「房基、いかがする。」


『馬廻衆50、足軽衆200、小荷駄衆200をお預けいたします。

 残った馬は売らせていただきます。差配は御所様に

 おまかせいたします。

 馬廻衆にとっては何年も丹精込めて育ててきた相棒ですので

 大切に扱っていただくようお願いいたします。

 また年老いたり、弱って引退した馬はこちらで引き取らせて

 もらいたい。荷運びや農耕で再出発できるよう静養させます。』


「房基にそこまでさせるのだ。皆のものも力を尽くせ。」


「「「かしこまりました。」」」


結局、津野氏をつぶすのか?、はっきり結論を出さないまま

評定は細かい役柄を詰める作業へ移っていった。

祖父房家にダシに使われた気がする。

面白いと思った方、

ブックマーク、ポイント、いいね、いただけると嬉しいです。

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