34 堺
感想、誤字報告いつもありがとうございます。
(1530 冬 8歳)
堺に上陸した。
京へ戻る猿楽集団「中村座」の人々とはここからは別行動だ。
父母の警護をする者とは別に「中村座」を護衛をするものを雇い入れ、
父母とともに京へ先発させた。
私だけはしばらく堺に残り堺商人との会合に立ち会うことにしていた。
堺の豪商、天王寺屋の津田宗達に紹介してもらい
魚屋の田中与兵衛に会いにきたのだ。
津田宗達も興味があるのか、ライバル心からなのか同伴している。
土佐からは寺田屋、天野屋がいっしょに来ている。
ととやでは清酒・米・椎茸を天王寺屋の独占契約でなく、
堺衆全体での取引になるように協力を願う。
もちろん天王寺屋とは優先的に取引をするが
これからも拡大していく量を早くさばくためにもチャンネルを増やしたい。
それぞれに得意な方面があるだろうから、
なるべく広範囲に売りさばきたいのだ。
米の種籾だけでなく野菜や果樹の種や苗も広範囲から入手したい。
他に大量の鎧兜の購入先の紹介を依頼した。
これまで土佐からは戦で荒廃した寺社や屋敷の再建用の木材が
取引の柱のひとつだった。
それらを運ぶための船、しかも大型船をつくりたい。
その伝手とつなぎを願う。これまでにない大型船を希望する。
しかも、複数。まずは三百石クラス。ゆくゆくは千石船。
これまでの儲けのほとんどを投入する予定だ。
京や近江などの戦乱からほど遠い土佐に造船所も誘致したい。
商談だけでなくととやには
新開発した宗田節と削り箱を評価してもらい、ハートをつかむ。
『商売の話はここまでといたしましょう。あとは寺田屋、天野屋たち
本職同士で詳細を詰めてください。
魚屋の田中様にひとつお願いがございます。』
「何でございましょう。私どもができることであれば何なりとお申し付けください。」
『ご子息に、茶をたてていただきたい。』
「せがれはまだほんの子どもでございます。茶をたてるならば私が」
『おいくつですか?』
「8歳であります。未熟者ゆえどうかご容赦を」
『おぉ、私と同い年ではありませんか。私も未熟者ですか?』
「失礼いたしました。滅相もありませぬ。
恥ずかしながら、まだ茶の湯を教えておりません。」
『茶の湯の準備をした上で、ご子息にあわせていただきたい。』
無理を通して、茶の湯の用意をさせる。
さぁ、同じ転生者と初めての遭遇だ。胸が高まる。
面白いと思った方、ブックマーク、ポイントをお願いします




