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戦国クラス転生  作者: 月本 一
295/297

294 遷都特需

感想、誤字報告いつもありがとうございます。

次回更新は03/29(日)

(1580 一条房基(58))

 最初は日本統一は後回しにして、駿河から長門までのエリアで幕府を樹立する予定だった(272話)。九州、関東、東北は切り捨てて、名古屋京遷都を優先させるはずだったが、北条氏政の暗殺で流れが変わってしまった。関東の鎮圧で幕府の重臣達が関東で国持ち大名になり、他の重臣達のために九州、東北への進出を余儀なくされたのだ。


 日本統一戦により戦争特需が発生した一方で、名古屋京建設にブレーキがかかった。働き手の多くが兵役に駆り出され、残った人々も食料生産で手一杯になったからだ。そこで四国から人手をかき集めて投入した。木材などは幕府が美濃や尾張、三河、信濃から調達した。四国からは石材を運びながら人も運んだのだ。四国での築城は打ち止めとなっていたが、姫路城を始めとして毛利領での築城を支えた瀬戸内海の石材は質も量も優れていた。


 名古屋一帯を更地にしながら、川を付け替え、水路を作り、建材が揃うまでは広大な農地に転換して自給自足していた。ほとんどが水田ではなく芋畑だった。建物の建設が始まると、土木従事者の多くは郊外の開拓や低地を埋め立て、湾内での漁業を行いながら大工達の生活を支えた。


 帝の行幸が決まると、ルート上の近江・美濃・尾張では街道や宿場町の整備が優先された。四国の労働者は立ち入れない領域であるが、商機は別だった。規格が統一された草鞋や杖、女子供を運ぶための駕籠(かご)、ゴム底の地下足袋を京で売り込んだ。四国で農閑期に大量に生産して備えていたのだ。四国ブランドの旅行必需品は行幸に同道した公家衆からは強い支持を受け、大人気商品になっていた。


 遷都を前にスーツケース代わりの葛籠(つづら)行李(こうり)も規格を統一して大量に生産していた。幕府と朝廷から引っ越し費用の助成金が支給されることになっていたが、荷物の量を減らすために京では断捨離が大流行していた。使わなくなった道具、書物、文物、武具、防具などの買い取りを行っている。大半は土佐へ送られた。着物や装飾品はまとめて名古屋に送ってリサイクルショップに並べられた。土佐の音楽学校を京に移すつもりであり、楽器類のみが京で保管された。


 物品だけでなく土地屋敷を売る者も多く、名古屋で稼いだ分のほとんどを京に投入して買い漁った。一条氏と長く取引してきた大商人達は何か儲け話があるのではと不動産投資に追随した。大金を抱えた公家に向けては新しい金融サービスを立ち上げさせた。京を離れる前に各所の借金を清算し、残った金額を名古屋で受け取るサービスである。最終的に名古屋で預け入れたままにする公家が多かった。銀行業とは少し違う。預け入れても利子はつかず、手数料を取られてしまうし、集まった資金を貸し付けに回さないことにしていたからだ。これにより京にあった多くの金貸しには大量の現金が集まったが、貸し付ける相手がどんどん京から名古屋に移っていった。名古屋では幕府が厳しく取り締まりを行い、これまでのような暴利を取れないために途方に暮れていた。


 労働者の次の就業先として、傘下の商会に名古屋で人力車サービス業を始めさせた。広大な名古屋京の平坦で広い道に最適な交通機関に育つはずだ。北区の御所、中区の議事堂、南区の名古屋城を結ぶ馬車専用レーンでの乗合馬車も幕府で検討されている。ゆくゆくは馬車鉄道として港まで延伸する構想が前提にあった。


 10万を超える人が動き、物が動き、金が動く。戦争に寄生していた商売で財を成した京の商人や幕府の商人は新しい時代に乗り遅れつつあった。これまでは生産・分配・流通・金融を国が統制していた。北朝鮮やキューバのような社会主義国家に近かったが、四国では農村にまで貨幣が浸透し、自由主義経済に近づいていた。商科学校も設立され、多くの商家が育っていた。遷都特需に沸いていたのは四国であった。京から名古屋に人が移り住み始めるのはこれからである。


 人力車は1869年に発明されたという説があります。19世紀末の日本には20万台もあったともいわれています。


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― 新着の感想 ―
公家が自前で持つ牛車は企業や官公庁が所有する黒塗りの高級車、人力車は庶民の利用するタクシーといったところでしょうか。あとはバスや電車が欲しいところです。
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