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戦国クラス転生  作者: 月本 一
287/298

286 ●伊達冬宗(輝宗)

感想、誤字報告いつもありがとうございます。

次回更新は02/01(日)

(1577 ●伊達冬宗(輝宗)(33))

 伊達家は将軍と通じて家格を高める政治戦略を執ってきた。私も元服時に足利義冬からの偏諱を受けて伊達冬宗となった(1555年)。伊達家のもう一つの政治戦略に婚姻外交がある。祖父稙宗は5人の側室を持ち、21人の子供に恵まれた。ほとんどが周辺の大名の養子や室になっている。父晴宗は側室を持たなかったが、母は12人の子を産んだ。私は次男であったが、兄は母方の岩城氏への養子入りが決まっていたため、私が家督を継いだ。弟達は皆が他家に養子入りしている。


 転生者の選択は22番目だった。それまでに織田信長と家臣が6人選ばれた状況であったから、家督を相続する前から将軍家よりも織田家との交流を重視した。中央とのやり取りは私が生まれる前から一条便と呼ばれる不定期の連絡網(113話)があったため、最大限に活用していた。一条便のおかげで中央の様子は伝わってきていた。転生者と思われる一条房基は四国統一することもなく足踏みしているようだったので、織田家や北条家に多くの進物を贈った。砂金や多くの馬を贈り、鉄砲や弾薬を購入した。最終的には鉄砲鍛冶師も呼び寄せることができた。


 鉄砲導入の効果は絶大で家中の反乱を鎮圧し、長年争っていた相馬氏を降した。最上氏の親子抗争には介入せず、北の大崎氏を降した。これにより多くの国人が伊達家を奥州の盟主として配下につくことを決めた。側室の数は4人となり、多くの子供に恵まれた。東北統一はできそうにないが、ハーレムは作れた。なお、長男の梵天丸(政宗)は土佐に留学した医員達のおかげで右目を失うことはなかった。


 征夷大将軍となった織田信長に拝謁するため上洛することになった。一条家船籍の唐船3隻で500名の兵を伴って太平洋を移動した。最上義光は日本海を移動したという。京では他の転生者と会合を持つことができた。一条房基とは一言二言交わすだけであった。


 濃密な京滞在を終え、帰途で開発中の名古屋に立ち寄った。名古屋では豊富秀吉(40)が出迎えてくれた。

「開発の様子はいかがですか? 助言いただけることがあれば遠慮なくお願いします」

 豊富秀吉は一条房基の一家臣ではあるが、商人を束ねる仕事をしている。領地は持たないが、官位では私よりも上の従四位上を持っている。現場では並ぶ者がいない立場だそうだ。


『こんなに田畑が広がっているとは思いませんでした』

 港近くには広大な資材置き場と商家の倉庫が並んでいた。薬師寺という真新しい寺くらいしか大きな建築物がない。後は作業員達の長屋が並んでいるくらいだ。


「そのうち屋敷が建つのですが、今は御所の建設が最優先だから、作業員の食事を支えるために田畑にしているのです」


『御所はどこに?』


「遥か北に造られます。川の付け替えや水路の整備をしているところで、今は整地中です。近くに神宮を造営しています。御所よりも神宮が先にできるでしょう。帝の行幸が行われて、御所の建設が始まる予定です」


『建設が始まってもいないのに、これほどの人が集まっているのだな』


「ほとんどが四国からの出稼ぎです。人材派遣を取りまとめている口入れ屋、宿舎の手配や食堂の運営、便所の汲み取りに至るまで、裏方の業者も四国の商人が多い。名古屋は”東京”のように地方出身者の都市になるでしょう。伊達家を含めて大名屋敷も並ぶようになります。今の内から人を送り込んでおくことをお勧めしておきます」

 御所ができてから大名達の江戸屋敷ならぬ名古屋屋敷が並ぶ。今は土木業者の町、そのうち建築業者の町になっていくのだろう。


『町作りのノウハウを学ばせるためにも人を送り込まねばなるまい。助言をもらったのはこちらの方だったな。感謝する』


「町作りよりも田畑の作り方や農作業の効率化、塩田や醸造を学ぶことが先だと思いますけどね」


『どういうことだ?』


「ここに新しい港町ができると同時に酒、味噌、醤油の蔵元を作りました。幕府の許可を得て、近くに塩田も作りました。田畑で主に作っているのはジャガイモやサツマイモです。鍛冶屋町を作ったので農具のほとんどが鉄製です。ここは尾張ですが、中身は四国の町に近い。これまで伊達家は中央との結びつきを求めてきたのでしょうが、そろそろ房基公と真剣に向き合うべきだと思いますよ」


 上洛して気づいたのは一条房基の周到さだった。伊達家、最上家の兵員輸送、滞在地だけでなく、衣食住の手配、重要人物とのスケジュール調整など、細部まで行き届いていて手抜かりがなかった。名古屋遷都も順調に進んでいる。幕府の力ではなかった。財力の底が見えない。


『こうして教えてくれていることもまた房基公の指示ですか?』


「・・・う~ん。私がたまたま商談で名古屋にいただけですし、私個人の好意ですね。房基公は伊達殿が気づかないのならば、わざわざ手を差し伸べる必要もないと考えておられるようです。何せお忙しい方なので」


 国元に戻り、一条房基に謝罪と感謝を伝える使者を送り出した。使者が戻る前に北条氏政の死の知らせが届いた。

 前話の伊達輝宗の名前を伊達冬宗に変更しました。これで転生者全員が登場しました。

 独眼竜政宗は幼少の時に天然痘で右目を失いました。政宗の父伊達輝宗は史実では正室の他には妾が一人だけでした。伊達政宗の側室は7人、子供は16人、子沢山は伊達家の伝統です。


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