100 大内晴持
感想、誤字報告いつもありがとうございます。
100話になりました。
文字数が少ないので実質30話弱のボリュームしかありません。
(1537 12月 15歳)
弟大内晴持は13歳になっていた。
母親に似て将来美男子間違いなしの少年になっていた。
『別れたのはそのほうが2歳。覚えておらぬだろうな』
「ずっと想像しておりました。ずっと」
そう答える晴持は少し線が細いかとも思えた。
土佐で積極的にたんぱく質を取って鍛錬している自分と比べると
同年代は皆ひと回りもふた回りも小さいことが多い。
こちらから近寄って、ぐっと抱きしめた。
『もっと早く会いに来てやればよかった。大きくなったな』
晴持も両手をまわして強く抱きしめ返してくれた。
「あにうえ、あにうえ、あにうえ」
声が震える。泣いているようだ。優しく背中をさすってやる。
後ろに控えていた母親の梅の方も泣いているようだ。
しばらくそのままでいたが、落ち着いたようなので少し離れる。
手ぬぐいを出して顔をふいてやる。
『しっかりした体つきだな。鍛えているのがわかったぞ』
「兄上から手紙で教えていただいたように精進しております。兄上からはよい匂いがいたしました」
『あぁ、それは石鹸の匂いだろう』
「石鹸、ですか?」
『土佐で採れる果実の皮を削ったものを入れた石鹸の匂いだろう』
「では土佐の匂いなのですね。よい匂いでした」
『今度、送ってやろう』
「兄上からはいつも送ってもらってばかりです」
『おまえが喜んでくれるなら安いものだ。さて、何をして遊んでやろう』
「もう子供ではありませぬ」
『わはは、蹴鞠はどうだ』
「蹴鞠は得意です」
庭に出て、蹴鞠をしながら、積年の話をとりとめもなく交わした。
義父である大内義隆は可愛がってくれているようだ。
大内義隆には側室がたくさんいるようだが、子宝には恵まれず、
今年初めて娘が生まれたらしい。
土佐に戻ったら妊活の手引きを贈ることにしよう。
きちんとした指導者がいるのだろう。
格式通りの基本的な蹴鞠の技を丁寧に繰り出す。自ら得意というだけのことはある。
ただ面白味にかける。子供なんだからもっと自由でいいだろうに。
前世でフリースタイルフットボールを紹介した番組を思い出して
練習していた技を披露してやる。
背中で受けたり、肩にのせたり、頭や胸でトラップしたりする。
本来、蹴鞠は右足の甲以外使ってはいけない。
公家に伝わるしきたり通りならばそうであろう。
それでさえも長い間に少しずつ変わってきたものだ。
武家として生きるならあがかねばならぬ時がある。
使えるものは何でも使う準備をしておくのだ、と諭した。
最後はバク転した後に両股ではさんでのフィニッシュ。
手を叩いて喜んでくれた。そうだ、その顔が見たかったのだ。
興奮した顔で教えをこい願う。それぞれの技のコツを話しながら時間を忘れて遊ぶ。
兄貴面したかっただけなんだが、久しぶりに年相応な時間が過ごせて楽しかった。
この後、今日中に「選択順・生年順の人物一覧」を投稿します。
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