#09 コラボの誘いとゲリラ配信
7月中にこの話も投稿するつもりだったけど45分くらい誤差の範囲内でしょ
「ふぅ……」
鬱な気分でお風呂に浸かる。傷ついた心が癒される。お風呂大好き。愛してないけど。
昨日の配信でのやらかしは瞬く間に切り抜かれ、世間へと広まった。燃えると思っていたが、視聴者にはかなりウケていたようで現在進行形で登録者数、フォロワー数が共に急上昇している。昨日今日で5000人は増えた。
ツミッターでエゴサをすると、凄いネタにされていた。しかし、全員が好印象を持っているわけではなく、偶に映る非難の言葉が私の心を傷つける。
昨日の配信のことは流石にマネージャーに怒られる思ったが……特に何も無かった。どうやら今回のことは予想済みだったらしい。いや、マジかよ。よくそんな爆弾を採用したなおい、めるライ。事務所の人達が優秀なのか、もしくは頭がおかしいのか。できれば優秀なだけであって欲しいとこだ。かなり正気は疑っているが、前者の方が安心できるので。
というか、私が薄い本が好きみたいなこと事務所に話してたっけ? いや、流石にそれは絶対ない……はず。確か応募の書類で自分の特徴を書く部分があった気がする。そこに百合が好きみたいなことは書いてた気がする……まさか、それだけで全て見透かされていたのか? 恐ろしや……
そろそろ逆上せそうなのでお風呂から上がる。バスタオルで体についた水滴を拭き取り、脱衣所にある全身鏡の前に立つ。
もう随分と見慣れた少女の裸体。特に恥ずかしがることも無く観察し、慎ましやかな胸に手を揃える。そして2揉みほどするが大きくなったようには感じられない。
くっ、せっかく美少女なのに! あと胸さえあれば完璧なのに! 何故小さいんだ!
そう心の中で嘆くが、この声はどこにも届かない。
「はぁ…」
胸を揉むのをやめ、一つ溜息をついてから、私はネグリジェに着替え始めた。
ʚ✞ɞ
お風呂から出た後、晩御飯を食べた。
今日はミートスパゲッティだった。いつも通りとても美味しかったです。
部屋に戻るとさっそくスマホRPGを弄りだす。ソシャゲなどの通知を眺めていくと、ディスコードにメールが届いていることに気づいた。送り主はどうやら同期の咲淫リリィさんのようだ。
『今度アタイとコラボせーへん?』
内容はコラボの誘いだった。おそらく私の配信を見ていたのだろう。
え、コラボ? 無理無理無理無理。あ、もしかして送る相手を間違えたのかもしれない。
私は一途の望みにかけてメッセージを送信する。1分ほどで返信がきた。
リリィ『アタイとコラボせーへん?』
『私と…ですか? 他の方とじゃなくて?』
リリィ『間違いなく雛天さんとやで。そんでコラボしてくれるか?』
人違いではないようだ。どうしよう。どうやって断ろうか? あまりストレートに言うのも失礼だしなぁ……
『そのぉ…事務所からの許可は?』
リリィ『許可はもう貰っとるから安心しとき、後は雛天さん次第やで』
そっかぁ、許可はもう貰ってるのかぁ……もし貰ってなかったら、許可を取りに行くフリをしてコラボしたかったけど出来なくて残念みたいな感じで断れたかもしれないのに……
『で、でも私達あまりお互いのこと知りませんし』
リリィ『お互いを知るためにコラボもするんやろ?』
『確かにそうですね…』
ごもっともだわ。え、もうこれコラボしかないのか? いや、諦めるのはまだ早い!
私はマネージャーにDMを送る。こちらもリリィさんと同様にすぐに返信がくる。
『咲淫リリィさんとのコラボについてなんですが……』
マネ『話はリリィさんから聞いてます。本社としては是非ともコラボして頂けると嬉しいです。それで、コラボに関して何かご質問が?』
『あっ、いえ、何でもありません。ありがとうございます』
マネ『いえいえ、仕事ですので。もし何かあればいつでも頼ってくださいね』
マネージャーはとても期待しているようだ。こんなに期待されたら断られないじゃないか……私は押しに弱いようで……
どうせいつかすることになるんだ。それが少し早まっただけだ。
『私でよければコラボさせていただきます』
リリィ『ほんまか?!じゃあ、何時にするか?』
『2年後…?』
リリィ『2年後は長すぎるわ』
『いや、まぁ冗談ですよ』
半分くらいは冗談である。つまり半分くらいは本気だった。それだけ私はコラボがしたくない。
リリィ『そうよな。今週の日曜日って大丈夫か?』
『あ、はい。特に予定とか無いので大丈夫、です』
リリィ『配信内容は雑枠談でええか?こっちまだ機材が揃いきってなくてな』
『それなら仕方ないですね。雑談枠でいいですよ』
リリィ『そうか、ありがとな。コラボ楽しみにしとくわ』
あっという間にコラボの日程も配信内容も決まってしまった。
雑談はしたくなかった。できればゲームとかの方があまり喋らなくて済むからよかったんだけど、この場合は仕方ないな……
「そういえば、まだリリィさんの配信見てなかったな」
丁度いい機会だし、できるだけ普通にコラボできるように、彼女のアーカイブを観ておこう。
『こんリリィ♪今日も来たんか? スケベ共。今日も張り切ってイクわ♪』
コメント:こんリリィ!
コメント:来ちゃいました
コメント:相変わらずエッッッッッ
コメント:ふぅ……
コメント:↑もう賢者タイムのやつおる
スケベ共って……もしかしてこの人センシティブ枠? コメントも変態多いし……
『まだデビューしたばっかやのにめっちゃマシュマロ来とったわ。ありがとな♡♪アタイ嬉しいわ♪んっ……それじゃ最初のマシュマロや』
彡□[初配信とっても良かったです!アーカイブは何度も観てお世話になってます。ふぅ…ボイス販売したら買います。買わせてください]
『そんなに良かったんか? 何度もアタイが使われてる思うと、体が熱くなってしまったわ♪ボイスにも期待しとるみたいやし、ホンマにスケベやな♪敢えて出さんでおこうか?』
コメント:急にエッチな声出さないでください
コメント:送り主抜いてて草
コメント:リリィさん言い方w
コメント:スケベでごめんなさい。あと、ボイス買わせてくださいお願いします
コメント:そんな…ボイスを買わせてくれないなんて横暴だ!お願いします。買わせてください
コメント:スケベなやつしか居なくて草。リリィさんボイス販売やめないでください、お願いします
コメント:↑おめーもやんww
リリィさんえっちすぎ。私も少し疼いてきちゃった。でも、今はコラボの予習中だから致すのは後回しにしとく。
それから約1時間半の雑談枠見て、咲淫リリィのキャラや彼女の視聴者層は多分大体分かった気がする。
今回の予習のまとめ。コラボしたくないです……知らない人(?)と話すの、怖いです……いや、予習もクソもないまとめだわ。とりあえずコラボ前日に逃げ出す準備でもしようかな? 逃げるって言っても別にどっかに行くわけじゃないけど。
悩んだ時は誰かに相談するべきだね。できればママに相談するのは避けたい。ママにはまだVTuberやってることは内緒にしてるから。でも、そうなると他に相談する人なんて私にはいない……そうだ。こういう時にリスナーを頼ればいいんだ。リスナーに相談事をしてるVTuberは偶に見かける。
こうした理由で私はゲリラ配信を開始した。
【ゲリラ枠】相談事があります【雛聖愛雛天/めるライ2期生】#ひななま
2,644人が視聴中
コメント:突然のゲリラ枠
コメント:伝説作った翌日に配信するとは
コメント:相談事…もしかして辞めちゃうのかな…?
コメント:↑冗談でも辞めないでくれ…
「親鳥の皆さんこんひな。って、ぇ? 告知もしてないのに人多すぎ、、じゃないですか……?」
コメント:今回は普通に挨拶できてる
コメント:親だから
コメント:親だから何時何処で何してるか分かるんだよ
コメント:↑こえーよ
コメント:雛天ちゃん引退するの…?
人が少ないと高を括っていたこともあり、今回は普通に挨拶することができた。しかし視聴者数は私の予想していた倍以上おり、普通でいられたのは最初だけであった。
後なんかママと同じようなこと言ってる人がいるんだけど。流石に赤の他人に行動が把握されてるとか怖いんだけど……
「引退? 引退は、しませんよ? 今のところ」
コメント:よかった
コメント:本当によかった
コメント:まぁ、流石に1週間も経たず引退は無いか
コメント:じゃあ相談事って?
1日で辞めようとしてたけどな。勿論口に出さないけど。
「えっとですね、今度コラボすることになったんですよ。それでなんとかコラボしない方法って無いですか……?」
コメント:草
コメント:まぁ、この娘コミュ障だもんな
コメント:コミュ障にコラボはハードルが高いからなw
コメント:コラボ相手は誰だろ
コメント:断ればいいんじゃね
そうなんだ。コミュ障にコラボは本当にハードルが高い。私の場合、壁はダムくらいの高さがある。
「断れなかったから親鳥の皆さんを頼ってるんですよ……」
コメント:うん、ワイからは頑張れとしか言えんw
コメント:親は子を元気に送り出すのが務め
コメント:ふぁいとーw
コメント:↑ここまで回答者無しww
コメント:草ー
誰も真面目に答える所か回答さえしてくれない。この薄情者共め……!
「真面目に考えてよぉ……」
咲淫リリィ:やっぱアタイとコラボしたくないんか…?
コメント:ふあっwコラボ相手のご登場ww
コメント:御相手はリリィか、大丈夫かよ…
リリィさんも観てるの?! 私は予想外の出来事に慌てる。と、とりあえず弁明しなきゃ!
「あ、いや、決してコラボしたくないわけじ無いんです。ただ……ちょっと話すのが怖いなーとかってだけで、本当にリリィさんが嫌いとかじゃ本当にないんですよ」
コメント:必死で草
コメント:コミュ障拗らせすぎw
咲淫リリィ:まぁ、コラボしたくないわけじゃないならええわ。でも無理はせんでくれな。それじゃ、アタイは失礼するわ
コメント:逃げ道無くなったなww
コメント:もうこれはコラボするしかない
リリィさんは帰っていったようだが、に本人に聞かれてしまったのだからこれ以上配信を続けても無意味だろう。
「えー配信はこれで終わりにします。お疲れ様でしたぁ……」
コメント:もう終わり?
コメント:おつ
コメント:おつ
コメント:まぁ、本人登場したから仕方ないわな
コラボを回避するつもりが結局逃げ道を塞がれただけの配信であった。しかし、この配信でリスナーが相談相手に向いてないことがよーく分かった。
「ふあ〜」
私は大きな欠伸をした。時間はPM10:00、いつもより早いがいい時間だろう。
私は他のことを考えるのは明日にして、今は寝ることにした。
朝起きた時には半分くらい内容を忘れて何を考えればいいのか分からなくなった思瑠々だった。
この前の投稿の時に言い忘れてたけれど1000ptありがとうございます。こう言うけどぶっちゃけあんまり感謝なんてしてませんね!
リリィの語尾に「♡」付けてたけど、「♪」にすることにしました。理由は♡だと見るたびに悶えて全く書き進まないから…めっちゃ恥ずかしいねん…
掲示板回酷かったですね。ミスのオンパレード(笑)掲示板回作成ツールっていうのを紹介してもらったので調べてみました。多分使っていけば慣れるでしょう…多分
誤字・脱字などありましたら報告していただけるとありがたいです




