仲間
続きです。 つまらないです。 頼むんで読んでくれるとマジで喜びます。
シャッフは何もない草原をあるきながら考えていた。新しい出会い。ドキドキワクワクするような展開。しかし、そんなものはどこにもなく、辺り一面草しかない。
「帰ろうかな...どこに行っても何もない。かれこれ8時間はぶっ通しで歩いてるはずなのに、人影すら見えない。
今から帰っても遅くないんじゃないかなぁ」
そんな独り言を、彼は歩きながらぶつぶつ小声で言っていた。そんな時..
「ん....あれはもしかして! 人じゃないだろうか!
やったあ!遂に俺にも出会いが来たんだ!おーーい!
そこの人ー!」
「アアン? 誰だお前ってあ、あの時の!」
人影の正体は、美女でもなく青年でもない。8時間前に戦った中年のおっさんだった。
「何だよあの時のおっさん達じゃないか。何やってんだよ。」
「みりゃわかるだろ、その辺のモンスター倒してリンクを高めてんだよ。」
中年のおっさん達は、自分より少し小柄なロボットのモンスターを2人がかりでまるでちびっこのいじめのように
いたぶっていた。
「そのモンスターは人に危害を加えたのか?」
「そんなわけねえだろ。弱そうだからサクッと殺して経験値にしようってことだよ。」
「そういうことだ。新人はどっか行ってろ。」
シャッフは理解できなかった。自分達に攻撃してきたモンスターを倒そのならまだ理解できた。しかし、攻撃してきたわけでもない無害なモンスターを自分達のためだけに殺そうとすることを、シャッフは理解できないのと同時にどうしようもないほどの怒りもこみ上げてきた。
「そのモンスターから離れろ。」
シャッフはその言葉と同時に契約リングにメタルボールドラゴンのチップを挿入し、戦闘体制に入った。
「いい度胸じゃねえか。悪いが俺たちだって何も変わってねえわけじゃねえんだよ。」
「叩きのめしてやりますゼェ!」
そういうと、中年の2人はチップを2枚ほど取り出し、契約リングにセットした。、片方の男にはフレアリザードの鎧が、もう片方の男にはウォーターリザードの鎧のが、装着された。フレアリザードの方の男がシャッフに向かって走り出すと同時に、ウォーターリザードの方の男が後方から水をかなりの勢いで発射してくる。
「くらいやがれ、フレイムスマッシュ!」
フレイムスマッシュの掛け声とともに向かってきている男の拳が紅蓮の炎に包まれる。その拳がシャッフに当たる瞬間、シャッフは鎧を鉄球に変え、拳と同じくらいの大きさの壁を拳の当たる位置に作り出す。
「ふん、やっぱりたいして変わってないじゃないか。
今度はこっちの番だ!」
「それはどうかな。そろそろ...よし、今だ!」
「くらうがいい、ウォーターショット!」
その掛け声とともに、ドッチボールの球と同じくらいの大きさの水の球体が後方の男の前に出現し、そこから小さな水が大量に発射される。
「しまった!」
水の攻撃を防ぐために拳を抑えている鉄球の壁をなくして水を防げば炎の拳がシャッフに直撃する。しかし、このままでは水による攻撃を受けてしまい、ダメージを受けてしまう。シャッフは何もできずに水による攻撃をくらった。
「くっ、くそぉなんだよこれ、水とは思えない威力だ。
前に戦ったときにはここまでダメージは食らわなかったのに...グワアーーーーー!」
シャッフは威力に耐えきれず、辺りに倒れ込む。
「へっ、やっぱりな。」
「やっぱりとはどういうことだ....。」
シャッフが質問をすると、フレアリザードの男が答え出した。
「お前のその鉄球のやつ、鉄球で攻撃したり、壁を作ったりするのには鎧の防御力を使ってるみたいだしなぁ。」
フレアリザードの男が拳に炎を纏わせながら近づいてくる。
「くらいやがれ!フレイムスマッシュ!」
炎の拳が振りかざされる。しかしそのとき、シャッフは閃いた!
「そこのロボット!今だけでいいこの戦いの間だけでいい!俺と契約してくれ!」
シャッフは木に倒れかかっているロボットに向かって言った。それに対してロボットはこう答えた。
「仮契約のことですか?」
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仮契約!モンスターにも、契約するかしないかを決める権利はある。モンスター側が契約者の力量や、人間性を見定めるためにも行われるものである。
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「ああそうだ!お前が嫌ならすぐに契約解除してもいい!だから今だけお前の力を貸してくれ!」
「分かりました。あなたに今だけ力を貸しましょう。」
そうモンスターが言うと、ロボットの身体がトランプのカードケースと一本の剣に分離した。カードケースはシャッフの腰の左側に、剣はシャッフの手の中に移った。
シャッフは剣を構え、迫る男の拳を右に回避し、
男を切った。その瞬間、炎の男の鎧が消え、男は地面に倒れ込む。
「ありがとう、力を貸してくれて。」
シャッフはそう言うと目の前の敵に向かい走り出す。
「ふん、この水の弾幕を抜けられるものなら抜けてみるんだゼェ!ウォーターショット!」
そう言うと男は先程までよりも速く、強い弾幕を発射し続けた。
「相手がお前だけならその弾幕は意味をなさない。」
その瞬間、シャッフの鎧の一部が鉄球に変わり、水の弾幕に向けて飛んでいった。威力はどちらの弾幕も同じ威力だったが、数に関してはシャッフの方が上だったため、無数の鉄球が水の男に襲い掛かった。
「ぐっ、まだだ..まだ俺は負けてねえ!」
男は息を切らしながらそういうと、またドッチボールの球と同じくらいの大きさの水の球体を作り出した。
「今度は一発でかいのをお見舞いしてやる..
くらえ!ウォーターキャノン!」
「腰にカードケースがついてるってことはもしかして...」
シャッフは男の方など全く見ずにカードケースに手を当てた。すると、カードケースからトランプのカードが5枚出てきた。
「おお、なんか凄そう!出てきたカードは...♠︎6と♦️6、♣︎6。それと❤️2と♠︎2か。てことはフルハウスだな。」
出てきたカードは剣の中に入っていき、剣にエネルギーが溜まった。
「なるほど。出てきたカードのポーカーの役によって強さが決まるってことか。よ〜し、フルハウスラッシュ!」
シャッフがその場で剣を一振りすると、それによって出てきた衝撃波は剣の中に溜まったエネルギーにより
威力が増大し、水の男のほうへむかっていった。
フルハウスラッシュとウォーターキャノンのぶつかり合いとなるはずだったが、威力はフルハウスラッシュの方が数倍強かったようで水の男は押し切られてしまう。
「嘘だろ....よりにもよって2回も..こんな...ガキに...チクショ〜〜〜!」
フルハウスラッシュにより水の男の鎧も消え、2人仲良く地面に倒れ込んだ。
「それじゃ、仮契約解除だ。」
そう言うとカードケースと剣は一つになり、まだロボットのモンスターへと戻った。
「助けてくださり、ありがとうございました。」
「いいってことよ。これからは気を付けろよ。」
そう言うと、シャッフはまた真っ直ぐ歩き出した。
それを止めるように後ろからロボットは大きな声で
「僕と契約してください!」
と言った。それに対し、シャッフは足を止め、ロボットの方へ向かう。
「いいよ。俺も本当はお前と契約したかったんだ。
お前、名前は?」
「ポーカード。それが僕の名前です。」
「そっか。よろしくな。」
そう言うとシャッフとポーカードはお互いに手を握り、契約を交わす。ポーカードはカードケースと剣に代わり、剣は背中に、カードケースは腰につけられた。
その様子を遠くから1人の男が観察していた。
「シャッフか。面白い。叩き潰すのが楽しみだ。」
「ん?誰かいるのか?」
シャッフが振り向くと、その場所にはすでに誰もいなかった.....。