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マスク

作者: 佐藤。

思いつきで書いてみました。

本文内で結論を出さないキモチ悪さも味わえるかも?


 マスク。マスク。マスク。


 最近、マスクを着けているヤツ等をよく見かける。花粉の季節でも、風邪の季節でもないのに。

 色つきとか、立体構造とか、顔が半分位隠れるやつとか、昔の人が見たら奇っ怪だろうなぁと、電車内でヤツ等ぼんやり眺める。あれっぽいよね。烏天狗。又は河童。河童、花粉の時期はマスクなんかじゃ耐えられねぇか。全身粘膜かもしれないもんな。


 そういえば、今朝、久しぶりに見かけた妹がマスクを着けていた。馬鹿は夏風邪をひくと言うから、アイツの場合は風邪かもしれない。だと言うのに、何時ものように短いスカートを履いていた。ついでに腹も冷えてしまえ、バカ妹め。これだから女子高生は。


 女子高生と言えば、昨日のニュースで、顔を隠したくてマスクをしている若者もいるって言ってたな。安心するんだとか。コミュ障?うちの母親は化粧してないときに顔隠しで使ってたっけ。ズボラ?


 電車が駅に着いて、いつもの位置でホームへ降り立つ。


 マスク。マスク。マスク。

 制服なんか着ていたら、パッと見違いがわからない。特に女子。


 キャラキャラと笑い声をたてる女子高生達とすれ違う。


 流行りらしいぬいぐるみをカバンに着け、似たような茶髪に、似たような髪型。無個性かもしれないが、本人が良いなら別にいいじゃんって俺は思う。まぁ、俺に彼女達の見分けがつかないから、そも、どうでもいいんだけど。双子コーデなんてのが流行った事もあったっけ?女はお揃い好きが多いのかもしれない。


 昔は兄妹でお揃い着せられた事もあったなぁ。


 あの頃は妹も、女というよりは小動物とか、獣だったから、喧嘩にすらならなかったし、思春期とかってやつでもなかったから、飯を一緒に食ってたけど、今はクソ生意気にも俺や父親を避けてやがる。


 ……あれ?


 最後に一緒に飯食ったのっていつだっけ?………てか、今年に入ってから、口さえきいてないかも?まぁ、困ることはないんだが、どうなの?これ?普通??


 現代の家庭内別居について考察しながらカバンの中身をかき回す。鍵が見つからない。キーケースが壊れたからって、鍵をそのままカバンに放り込んだ俺が悪いのは重々分かっているが、過ぎたことを言っても仕方ない。無ぇなぁ、ちくしょう。


「邪魔。」


 玄関前でもたつく背後から、不機嫌な声をかけられる。件の妹である。チラと横目に確認して、二度見する。


「なによ。キモチ悪っ。」


「……なにその荷物」


 スクールバックとかではなく、些か薄汚れた、デカイスポーツバックを二つも抱えている。


「重いんだから、早く退いて。」


 じろりと俺を睨む妹は、マスクなどしていない。しかもちょっと日焼けして浅黒い。今朝よりも。


 カチャリと音がして、玄関が開く。内側から。


「え、」


 父親も母親も、この時間はまだ帰っていない筈なのに。


「おかえりなさい」


 妹と同じ制服を着たソイツは、穏やかな声で出迎えながら俺達の間をするりと抜けた。


「……アンタの彼女?高校生と付き合ってんの?しかも妹と同じ学校の?キモっ」


 違う。

 俺には、女子高生どころか、彼女何てもの自体いない。

 

 俺達兄妹の見つめるなか、ソイツは通りへ出てタクシーを止めた。


「彼女じゃ、ない。」


 言って、駆け出す。


「あ?」


「俺、今、女いねぇ!」


「はあぁっ?」


 タクシーへ乗り込んだソイツは、俺達へ手を振る。顔は、長めの前髪とマスクのせいで、2.0を誇る俺の視力をもってしても判然としない。タクシーが動き出した今、尚更だ。


 玄関前まで戻ると、妹がなんとも言えない顔をしていた。


「お前、どこいってたの?」


「……合宿………ねぇ……」


 タクシーの走り去った方向を見ながら、妹の顔色が白くなる。




「誰よ、アレ。」


 


 俺も知りたい。

多分、このあと引っ越し鍵の取り替えと、警察への相談がが行われます。


マスクさんは、愉快犯かもしれないし、ストーカーかもしれないし、泥棒かもしれないし、人ではないかもしれません。


好きに妄想するも良し。

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