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遠のく縁側ライフ

更新が遅く、申し訳ございません。特に物語はすすみません。まったりとたまに更新していけたらと思っております

「素敵に彩られたお言葉は私にはもったいないほどです。貴方様が私にくださったほど素敵なお言葉で表すことはできませんが、このシャルル・グランバートル、僭越ながら、そのお申し出を受けさせたいただきたく存じます。」

わぁっと歓声が周りから湧く。良かったなぁ、と声をかけられてるのは私に求婚を今までされていた、えーっと、あーっと。あぁ、そうそう。たしかレナルド・シルフィレア様。もう、なにが怖かったって、名前が思い出せなくてどう名前なしに切りぬけようかということだったのよね。この反応を見る限りは大丈夫みたい。けど、なぁ。周りでお祝いムードに突入した人たちとは対照的に私の心は重く沈んだ。

そもそも、私が悪役令嬢に転生したのを知ったのは3歳。そこから、平々凡々に生きようとそれなりに幸せな人生を送ったはずだ。イベントの発生する学園でも、露骨にイベントを避けるわけでもなく、ヒロインおよび攻略対象者たちを全力回避するわけでもなく、会えば会う。といった感じでなににも触れないように当たり障りなーくのはずだった。将来は自由気ままに生きることを承認してくれる心穏やかな、縁側に一緒に座ってくれる人がいいと思っていたのだ。この侯爵家という身分に釣り合うくらいの家で。なのに、私の結婚相手は騎士団長の息子。といっても脳筋ではない。騎士団長ともなれば、戦況を把握して的確な指示を出す為にそれなりの頭が必要だ。だから、爽やかイケメンとかそういう感じだろうか。多分、要望は聞いてくれるのではないかとも思う。けど、けどですよ。私は出来る限り目立ちたくないのです。静かにひっそりと、図書室に籠りたい。図書室のさらに見つからない本棚の裏の椅子に座っておきたい。静かにまったりとふふ、とたまに笑えるような生活がいいのだ。決してスクールカースト上位のイケメンと甘ーい恋愛をしたいわけでもなく、いかにも青春なことをしたいわけでもない。熱意がないわけではないけれど、熱意の向くところがややずれてるのよ。さて、攻略対象者ということで、令嬢達からそれなりの人気を博していましたし、私のあと約半年の学園生活はどう変容するのでしょう?伯爵家は真ん中の位ですので高位の方から話しかけられると断れないのですよ。今の内から休み時間になった瞬間、おしとやかに逃げきるための訓練でもしておきますか。あぁ、私の縁側ライフよ。縁側や、あぁ縁側や、縁側や。だんだんと遠のく私の夢だけれど一体どうなるやら。

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