普通でいるのはダメですか?
悪役令嬢に捕らわれないお話を読みたくて自作した自己満足作品です。初投稿ということもあり、拙い文章ですが、読んでいただけると幸いです。
乙女ゲームの悪役令嬢転生とやらが流行る今のご時世。大抵は悪役?断罪いやぁぁぁ!フラグへし折ってやるぅぅ!とか頑張って優しくいこう!いじめない!とかそういうストーリーが好まれるみたい。でも、悪役令嬢になりたくなかったと言っている人が「ここはゲームの世界ではないのです」って自分もゲームの先入観バチバチにあるのに、暴走したヒロインにいうのはなんだかな、と思う今日この頃。御託のようにペラペラと喋る反抗的な少女、私は悪役令嬢転生をしてはや9年の強者?である。そもそも、なんでこんなふうにべらっべら喋っているのもなにも、回想したいくらい嫌なことが今現在起こっているのですよ。とりあえず、自分の立場をハッキリさせておきますと、シャルル・グランバートル(16)一応侯爵家の次女です。悪役令嬢転生したとわかった日に方針を決めることなく、前世の知識やらなんやらに縛られず、転生したことを活かしもする気はなく、普通に記憶がない令嬢の如し普通の人生を送っておりました。
……「おりました。」つまり、過去形。
それもそのはず、私の目の前で騎士団長の息子が跪いてますからねぇ。回想に浸ろうが現実逃避をしようが変わらないものは変わりません。ただ、この状況はいかがなものかしら、と令嬢らしく頬に手を当て首を傾げます。しかし、ここで許されないのが現実の厄介なところ。状況は依然、求婚されたところで留まっております。ここはOKしないといけない所なのですかね?両親をみると精一杯頷いております。嗚呼、これも令嬢の務めかと私はこの求婚を承ることにしました。