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禁眼の吸血姫  作者: 榛名 怜
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第五十三話 敗北

虎目ノ計測(アザゼル)と話し今後の方針を決定し、ノア達のところに戻ったのだが……。


「鬼畜エロ吸血鬼!」

「最低!変態吸血鬼!」

「……(じとー)」


私を待っていたのは、ノアとルナの暴言とクレハのジト目だった。

まぁそんなこんなことになる気はしていたけどさ、思った以上に二人の獣人コンビはキレていた。

ノアにいたっては、ガルルゥと威嚇までしてくる始末だ。


「鬼畜吸血鬼、何か言い残すことは?」


ノアは腰に吊るした短剣に手をかけながら私に聞いてきた。


「……こ、今回は漏らさなかったんだね?」

「アリスは吸血鬼……一回くらい死んでも大丈夫だよね」

「ノ、ノア?嘘?本気なの?ルナ!ノアを止めてよ!」

「ノア、援護するわ。このエロ吸血鬼には一度死んでもらいましょう」

「クレハ!」

「……(プイ)」


私を殺そうとするワン娘とニャン娘、私を無視する鬼姉さん。

ここに私の味方はいなかった——。


「ぶっ殺す!」

「死ねぇぇぇ!」

「……」

「ちょっと待って、話し合いをし——」


二人は私の制止を振り切り、魔法やら投げナイフやらで攻撃してきた。

ナイフは目や急所に向かってわざわざ、月光魔法で隠蔽している。

どんだけスライムが嫌だったんだよ、殺意高すぎだよ。


まぁ戦闘に関して禁眼(ディアボロス)を持つ私が負けるわけはない。

けれど少しくらい私にだって三人に罪悪感くらいはある。

だから攻撃を防いだり、避けることに専念した。

私達の戦闘は二人の気が済むまで続いた。


「はぁはぁ……もう疲れた」

玻璃ノ未来(ラプラス)虎目ノ計測(アザゼル)まで使って……どんだけ本気なのよ」

「はぁはぁ……私だって死にたくないもん……死ぬのだって痛いもん」


私達は激しい戦闘のせいで息を上げていた。

いくら戦闘で圧倒的に有利な能力を持っていても所詮、私達は少女だ。

獣人でもそれは同じだ。動けば疲れる。なんてことない当たり前のことだ。


「もういいか?」

「うん。もう十分」

「そうね。もういいわ」

「ふぅーもう疲れたよ」


クレハは戦闘が終わったと判断し、こちらに寄ってきた。

クレハは戦闘にこそ参加してこなかったが、たまに私に殺気を放ってきたり短刀を投げて牽制したり遠くから二人の支援をしていた。

攻撃に参加していたら流石の私も片腕くらいはもっていかれていたかもしれない、まぁ死ぬほどじゃないけどね。

私はクレハに先ほど向けられたジト目を真似して言った。


「クレハは私のものなのに、なんで二人の味方をしたのかな」

「俺は何もしてないし、何も言っていない。ほら、つかまれ」


あくまでも白を切る、クレハだが私に手をかしてくれるくらいには許してもらえたらしい。


「ありがとう」


私はクレハの手を握った。手を握った瞬間クレハはニヤッと笑った。

クレハは私の手を握るとグッと引き寄せ、羽交い締めした。


「捕まえたぞ!」

「ちょっと!何するの!」

「ふふふ、アリスに正攻法で勝てないのはわかっていた」

「でも、こういうやり方なら話を変わってくるわ」

「アリスの負け。これまでのお返したっぷりしてあげる」

「クレハ!私を裏切ったな!」

「アリス、俺はお前のものだ。だが、罪は償わなければならないよな」

「まずは、その眼を塞がせてもらうわ」


そう言ってルナは私に布で目隠しをした。

私の禁眼(ディアボロス)は視認することが前提の能力である。

そのため視覚を塞がれてしまった今、能力を発動することができない。


「アリス安心して、私はアリスほど鬼畜じゃない」

「ええ。私達はとっても優しくしてあげるわ」

「アリス、これも罰だ。甘んじて受けてくれ」

「ちょっやめて、何する気なの!」


身長の高いクレハに羽交い締めにされているために上手く身動きが取れず、視界も塞がれた今私には逃げるすべはなかった。


「それじゃぁいただきますー」

「きゃっ」

「はむはみゅぅ」

「それじゃ私はこっちを——」

「んぅぅぅ」

「なら俺はこっちを……おっ以外に育っているな」

「ひゃん、もうやめぇ」


視覚が塞がれているせいで、いつも以上に感覚が敏感になり、過敏に身体が反応し甘い声が漏れてしまう。

声からして、私の耳を甘噛みしているのがノア。太股に舌を這わせているのがルナ、胸を揉みしだいているのがクレハだろう。


「やめふぇよぉ」

「はみゅはみゅ。やめて欲しい?」

「そうね。もうスライムやらないって約束できるならやめてもいいわ」

「そうだな。ちゃんとごめんなさいって言えば許してやるぞ」

「私、悪きゅにゃいもん。私の殺ひてやいもん」


三人のせいで上手くしゃべれないが、私の言わんとしていることは伝わるだろう。

そもそも悪いのは私ではない。せっかく人間の集落を見つけたのに私は誰一人殺していないんだから。

だから、私は謝らない。悪くないんだもん。


「ふーん、反省が足らない」

「これはもっとお仕置きが必要ね」

「アリス、俺は残念だよ」

「いやん、ほんとやめれ——」


謝罪を拒否した私に三人はお仕置きという名の破廉恥な行為をしてきた。

ノアは私の耳に舌を這わし、ルナは完全に私のスカートの中に頭を入れお尻を撫でてきた。

クレハにいたってはアイツ言葉では真面目なこと言っているが私の上半身の服を半ば脱がし下着を取り去り、直接私の胸を揉みだした。

身体を襲う痺れるような感覚、吸血しているときに感じるような感覚が私の思考を乱す。

私は悪くない!けれどこれ以上この感覚が続くのはまずい。動悸が加速し何かが込み上げてくる。

未知の感覚に私は心を屈し、三人に叫ぶように懇願した。


「いやぁん。ごめんなひゃい。もうスラヒムしましぇんから。ゆるひてくらしゃい」

「ほんと?約束する?」

「しましゅ!もうひましぇんから許して」

「約束破ったら、わかるわよね」

「まぁお仕置きされたいなら、かまわないがな」

「もう、お仕置きはやれすぅ……」


ようやく解放された私はその場にへたりこんでしまった。

込み上げてきた感覚は達することなく動悸と共に徐々に沈んでいったのだった。


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