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禁眼の吸血姫  作者: 榛名 怜
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第二十一話 ステータスside勇者

その後、神崎と北条が私のことを夕食に呼びに来て、共に夕食を取りに行った。


夕食は、戦時中の国とは、思えないほど豪勢なものであった。

長いテーブルの上には、色とりどりの果実や香ばしく焼かれた肉や魚などが並べられていた。

テーブルには、すでに私以外のクラスのみんなと担任が着席していた。


私も急いで開いている席に座ると、こぞって皆が私に心配したと声をかけてくる。

私は、当たり障りのないように、返答をしていると私達を召喚させた人物が部屋に入ってきた。

入ってきたのは恰幅のいい男であった。マントを身に纏い、頭には宝石のちりばめた王冠を被っていた。

男は優しく、私達に語りかけた。


「まずは、先ほどの件について謝罪と感謝をする。我が王国はそなたたち勇者に最大限の支援をすると約束する。今日は、疲れたであろう。ささやかではあるが夕食を召し上がってくれ。詳しい話はまた後日するとしよう」

「アレク王。感謝します」


担任が男に礼を言うと他のクラスの皆も続いて礼を言った。

私も流れで頭を下げた。

担任からアレク王と呼ばれた彼がこの国の国王なのだろう。

私が気を失っている間に皆は国王と面識を得たのだろう。


国王は、私達の反応に満足すると、部屋を出ていってしまい。

代わりに執事の様な身なりの若い男が入ってきて料理の説明をし始めた。

説明後にやっと食事が始まった。

長い間待たされた挙句、料理がまずかったらどうしてくれようかと内心思っていたが。

出された料理はどれも絶品であり、みな満足していた。


その後は一端部屋に戻り、明日まで自由行動ということであった。

生憎というか、やはり部屋は相部屋で私は神崎と同じ部屋であった。

私は夕食後、早々に寝る支度をし、布団をかぶった。



次の日、私達は昨日と同じ制服のまま王城にある訓練場に集められた。

闘技場を彷彿させるような円状の敷地にそれを囲む石でできた観客席の様なものは地球のコロッセオのようであった。

訓練場には、金属の鎧を身に纏った、筋骨隆々の男とローブを着込んだ長髪の女性がいた。


「よく集まってくれた。私はこの王国の聖騎士団の団長を務めている。バーナードだ。君たちの戦闘訓練を担当するものだ」

「同じく私は、王国の聖魔法師団副団長を務めます。セルシスです。私は魔法分野を担当します」


セルシスと名乗った女性は、挨拶をすると右手に水の球体を生み出した。

初めて見た、魔法というものに私達から驚嘆の声が漏れる。


「それでは、まず君達には自分のステータスを確認してもらう」


そういうと入り口から走ってきた彼の部下らしき者たちが私達に金属のプレートを渡してきた。


「皆さん受け取りましたね。それでは次にそのステータスプレート金属の板に魔力を注いでみてください」

「あのー。魔力ってなんですか?」

「魔力とはこの世界に存在する力です。勇者様方でしたら軽くイメージするだけでも使えると思いますよ。皆さん手から水の様なものが出るイメージをしてください。そしてでできた水で板を包むイメージをしてください」


私は彼女の言う通りにイメージすると青白い粒子の様なものが手から出てきた。

これが魔力なの?


『肯定』

「ひっ……」


そうですか。急に出てこないでよ……。変な声が出たじゃん。

私は一人愚痴りながら作業を続けた。

私の魔力に触れた金属の板には、文字の様なものが次々と刻まれていく。

板には次の様に記載されていた。

―――――――――――――――――――――――――――

ヒジリ アマノ 16歳 女 

レベル: 1

職業 : 大賢者 

筋力 : 1

体力 : 10

敏捷 : 10

魔力 : 1000


贈り物:咎眼セラフィム{【雪銀ノ知恵(ラグエル)】【紅蓮ノ節制(ウリエル)】}

スキル:言語理解 高速演算 魔法強化

―――――――――――—————————————————


なにこれ?

『回答 人間の持つ特性ステータスです。値が大きいほどその分野が強化されます。職業はその職業に対する恩恵が与えられます。また、スキルは一定条件をクリアすると得られる恩恵です』

はーそれでこのステータスは強いんですか?

『回答 『贈り物』【咎眼セラフィム】は無敵です』

そういうことじゃないんだけど……。


私が無敵を自称する天使と話しているうちに周りもどうやらできたらしく自分のステータスを見て各々が話していた。


「皆さんできましたか?普通の人間のレベル1の人の能力値の平均値は7ですので参考にしてください」


平均値が7と聞き私はもう一度自分のステータスを見つめた。

筋力は1でおそらく最低値であるが、他は全て上回っているのだが、魔力が異常に高かった。

私が自分のステータスを確認しているとまた、奴らが来た。


「ヒジリン。ステータスどうだった?見てみて私のステータス。じゃんー」

神崎は得意げに見せてきたステータスはこう記載されていた。


――――――――――――――――――――――――――———————

アユミ カンザキ 16歳 女

レベル :1

職業  :紅蓮の魔導士

筋力  :50

体力  :50

敏捷  :50

魔力  :100


贈り物 :吸熱

スキル :言語理解 炎魔法 熱耐性 

—————————————————————————————————


私のステータスよりの遥かにバランスが良く、炎や熱に特化したステータスになっていた。

神崎から他のクラスのみんなの様子を聞くとクラスのみんなも神崎ほどではないにしろ、この世界の平均よりも圧倒的に高いステータスを持っているらしい。

だが何にも例外はいるらしく……。


「バーナードさん俺のステータスを見てくれませんか?」


我らのクラスのトップである結城勇也がバーナードさんに自身のステータスを見せにいった。


「お、いいぞ……これは!全の能力値250だと!」


バーナードさんはクラスのみんなが振り返るほどの大きな声で驚きの声をあげた。

どうやら異世界にきても結城勇也は、目立たない生活を送ることはできないらしい。


結城は誇らしげに自身のステータスプレートを受け取ると、なぜかこちらに歩いてきた。


「やぁ。聖のステータスはどうだったんだい?俺のは、まぁさっき大声で言われてしまったけど見るかい?」

「あ、うん。……でもみんなみたいに私は強くはないよ」

「そんなの俺は、気にしないさ。ほら」


まるで拒否されるわけがないと信じて疑わない様子で私にステータスプレートを差し出してきた。

私も仕方なく、自分のステータスプレートを渡した。

結城のステータスプレートはこう記載されていた。


――――――――――――――———————————————

ユウヤ ユウキ 16歳 男

レベル :1

職業  :勇者

筋力  :250

体力  :250

敏捷  :250

魔力  :250


贈り物 :勇者ブレイバー 聖剣

スキル :言語理解 属性耐性 剣聖 限界突破 

——————————————————————————————


きっとこういう奴をチート野郎というんだろうなと思った。

レベル1ですでに常人を遥かに凌駕し、さらに自らが主人公であるかのような職業に贈り物がそこには書かれていた。

だが例外はもう一人いた。


「おーい見てくれよ!越前のステータスやべぇぞ」

「うそー。こんなの凄すぎだよ」

「ははは。ほんとヤバすぎ」

「ちょっと返してくれよ」


私達とは別のところにも人だかりができていた。

私達も騒ぎに誘われるようにそこに行くと一人の生徒を中心に集まっていた。

クラスカースト最下位の越前瑛太だ。

クラスの一人が越前のステータスプレートを取り上げ他の者たちに見せびらかしていた。


「おい、どうしたんだよ」

「勇也、こいつのステータス見てくれよ」


そう言って一人が結城に越前のステータスプレートを渡した。

私もそこに描かれた内容の横目から除き見しようとした。


「おいおい、これ本気か?」

「ちょっと返してくれよ」


越前は自分のステータスプレートを取り戻そうと手を伸ばすも結城に軽くあしらわれる。


「聖も見るかい?越前のステータスすごいぞ」

「えっ?」


結城は私がのぞき見をしようとしたのをわかっていたのか、私に越前のステータスプレートを渡してきた。

越前のステータスプレートにはこう記載されていた。

―――――――――――――———————————————

エイタ エチゼン 16歳 男

レベル :1

職業  :魔物使い

筋力  :1

体力  :1

敏捷  :1

魔力  :1


贈り物 :変異

スキル :言語理解 

—————————————————————————————


彼の能力値は全てが1であった。

私は一通り目を通すと彼にステータスプレートを返した。


「はい、越前君」

「あ、ありがとう天野さん」

「別にあなたのステータスをみて笑ったりはしないわ。私もあなたと同じ筋力は1だもの」


私はわざとみんなに聞こえるように、これ以上越前が馬鹿にされないように言った。

辺りは、私が越前と同じステータス1で知ると静かになったのだが、空気を読まない奴が一人いた。


「はははは、やっぱり聖は優しいね。でも聖は越前と同じじゃないだろ。君の魔力は1000もあるじゃないか。勇者の俺の5倍の数字だよ。無理してかばうことはないよ。不真面目なこいつのつけが回ってきただけなんだからさ」

「結城君……」


クラスのみんなは、再び越前を罵った。

私は居ても立っても居られなくなり、集団から抜け出した。


その後、スキルの説明やら魔法の説明やらを聞かされ午前の訓練は終了した。


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