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禁眼の吸血姫  作者: 榛名 怜
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第十四話 準備

遅くなりました。

私達は現在森の中を移動している最中であった。


「ねぇ無理ぃぃぃぃ。落ちるぅぅぅぅ」

「ルナちゃんと掴まないと落ちるよ」

「ルナ頑張ってじゃないと私も落ちる」


昨夜に捕捉した獲物を狩るため、私達は隷属した魔物に乗って森の中を移動していたのだが。


「アリス!あなた馬鹿じゃないの!ってうぁ落ちるぅぅぅ」

「ルナお願いだから手離さないで」


私は、狼の魔物にルナとノアは熊の魔物にそれぞれ乗って移動しているのだが、あまりの速さに二人は四苦八苦していた。

はじめは二人ともしっかり乗れていたのだが、今はノアはすでに熊から半ば落馬ならぬ落熊しルナの腰に必死に振り落とされないようにし、ルナは熊の体毛を鷲掴みし落ちないようにこらえていた。


私はというと、至って普通に狼に乗っていた。

なぜこんなに二人と違いがあるかというと、私は体を魔法で固定し落ちないようにしているのである。


無論、私が魔法で落ちないようにしているのは、二人には教えていない。

二人の訓練を兼ねてあえて、私は教えていないのだ。

ただ、二人が必死に熊から落ちないようにしがみついている様子は、なかなか痛快であった。



それから数時間後、私達は予定より早く目的地である場所の近くに着くことができた。


「し、しんどい」

「アリス。なんであなたは、あんなのに平然と乗れるのよ」


二人は疲労のから地面にへたり込んでしまった。


「鍛え方が違うんだよ」

「鍛え方ねぇ」


私が胸を張りながら言うと二人はじとーとした視線を向けてきた。


「まぁいい。それより奴らはどこ」

「あの崖の下にある洞窟が奴らの根城みたいよ」


私はやや離れた崖を指さしながら言った。

崖下の洞窟は木の影に隠れており、そこに入り口があると言われなければわからないほどであった。

しかし、私の優秀な僕たちは奴らがこの洞窟から出入りするのを発見し、こうして私が狩りに来ることができた。

さすが、疲れ知らずの優秀な動く死体達である。


「それじゃあ作戦会議をはじめましょうか」


その後、私達は簡単な打ち合わせをし、襲撃の準備を整え夜になるのを待った。





日が沈みわずかに、差し込む月明かりのなか私達は目的の洞窟が辛うじて見える程度の距離にいた。


「『探査サーチ』」


探査サーチの魔法は本来、周りの地形の様子や生き物を探す魔法である。

一見便利な魔法に思えるが、発動と同時に莫大な情報量が脳に流れ混んでくるため、あまり広い範囲はできない。

また、魔法のイメージが正確であればあるほど、使用者により正確な情報がなだれ込む。

草木の様子や虫の動きなど、不必要な情報まで使用者に負担をかけてしまう、扱いの難しい魔法である。

逆に意識して余計な情報を排除すれば、非常に使い勝手がいい魔法でもある。

私は、洞窟内部の地形と人間の有無のみに限定して、魔法を使用した。


「どう?」

「洞窟はほぼ一本道で奥に広い空間が五つあるわ。出入口は一つ。人数は四十七」

「少し多いわね」

「まぁ大体予想道理ね……」


洞窟内部の様子を地面に描きながら二人に伝えた。


「さて、二人とも準備はいいね。それじゃ予定通り。さぁ狩りの時間よ」






薄暗い洞窟の中、たくさんの男たちと縄で縛られた女たちがいた。


「へへ兄貴今回の奴は上玉ですね」

「いや、助けて助けて」


男たちはこの森一体を取り仕切る山賊であった。

近くの街道を通る商人や貴族を襲い金目の物を奪い、女を攫い、略奪の日々を繰り返してきた。

今日も山賊達は、攫った女たちを犯し下品に笑い盛大に騒いでいた。


「あんまりやり過ぎるんじゃねぇぞ。あとで奴隷商人に売り払うんだからな。ガハハハハ」

「お前はいつもやり過ぎて壊しちまうもんな」

「いや、来ないで」

「いや、やめて」


女たちは、手足を縛られながらも懸命に差し迫る手から逃れようとした。


「無理無理、逃げられるわけないんだよなぁあ」


男は、一人の女に跨ると女の服を引きちぎり始めた。


「いやぁ、やめて」

「やっぱり、泣きわめく女を犯すのは最高に気分がいいぜ」


女を犯そうとしていた男の様子を見た、他の男たちも他の縛られていた女に襲いかかった。


次回の投稿は土曜日の12時を予定しています

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