序章 プロローグ
初投稿です。よろしくお願いいたします。
赤い絨毯の上に、私はいた。
深紅のドレスに身を包み、一人ただ座って天井を見上げていた。
大きなステンドガラスからは、月光が差し込み、私を照らす。
コンコンと、部屋にある唯一の扉からノックが聞こえた。
音のする方に視線を向けると数人の男女が部屋に入ってきた。
彼らは鎧やドレスなど様々な格好をしていたが彼らは皆、小さな箱を持っていた。
私の方に近づくにつれ本来であれば暗くても、近づけばはっきりするはずの彼らの顔が見えない。
彼らは箱から赤い液体が入った瓶を取り出すと、それを私に差し出した。
私は一本一本、瓶の中に入った液体を飲んだ。
そのときの彼らの表情はひどく霞んで見えなかったが、私に悲しそうに微笑んでいるように感じた。
そして彼らは飲み終えた私を決まってぎゅっと抱きしめ、私に囁いた。
しかし彼らから私に向けられた言葉はノイズのようにかすんでしまって、うまく聞き取れない。
彼らは私に、とてもうれしいことを、大切なことを言ってくれているような気がした。
けれど胸の奥が締め付けられるように苦しい。
私も彼らの言葉に応えて何か伝えた。
しかし、自分の言った言葉でさえうまく聞き取れなかった。
全ての液体を飲み干した私に、一人の女性が近づいてくる。
彼女が私に問いかける。
私は彼女に精一杯の笑顔を向けて応えた。
理由はわからないけれど、ひどく悲しい気持ちになった。
彼女は私をきつく抱きしめた後、そっと額に口づけをした。




