1話『始まりの学園』
これは、作者が筆休めの為に書いた作品ですので、更新はかなり遅いです。
今書いている作品が終われば早くなると思いますのでそこら辺はご了承ください。
「……おい!みつけたか!?」
「ううん、まだ……」
「くそっ!あいつ……何処に隠れたんだよ」
俺の名前はカズマだ、学校の先生だ。
訳あって今は数10人の生徒から逃げるために狭い部屋に隠れている。
(……ふっ、見つかるわけには行かないからな)
生徒達はあちらこちらを詮索魔法などでさがしているようだが、俺の隠密魔法のレベルだったらまず見つかる事は無い。
「……ここら一帯燃やす?」
「うん、そうだね」
(え?燃やす?ここら一帯?……それは非常にまずい!)
俺はすぐさま生徒の前に姿を現す。
「「「あっ!先生見っけ」」」
「お前ら!学校を燃やそうとするな!俺が校長に怒られるだろ!?」
ちなみに、俺達は魔法を使っての隠れんぼをしていたが、不良生徒のせいで一時中断することになったので、1回全員集める事にした。
「誰だ?学校を燃やすって言い始めた馬鹿は?」
生徒の中心から1人の少女が手を挙げる。
「また、お前か……アリア」
アリア、俺の担当しているクラスの女子生徒で、赤髪のツインテールが特徴。
クラスで1番頭は悪いが、戦闘技術はクラスの中では2番目に強い。
「え〜、先生が『俺を見つけるのにどんな手段も使っても良い』って言ったじゃん!」
「……言ったっけ?」
「言った!絶対に言った!」
周りの生徒も頷いている。
「おいおい、それでも学校を燃やそうとするなよ……」
「どんな手を使っても最終的に勝てば良いって先生言ってたじゃん」
「言ったよ!?それは戦争の時の場合な!?今回は授業だからな!?」
こいつらは罠を仕掛けずに一気に終わらせようとするから、こんなずる賢い手を身につけるんだよな〜。
「とりあえず、もう一度するけど!学校に被害を与える様な行為だけは禁止だからな!?」
そう言うと、俺は素早く遠くの部屋に身を隠して、隠密魔法を自分にかける。
(さて、ここの近くにいつ来るかな?)
☆★☆★☆
現在時刻は4時過ぎになった。
誰も俺の部屋の近くに誰も来なくて今日の授業は終了となった。
「……さて、教室に戻るかな」
俺はさっさと自分の教室に戻る。
生徒全員が疲れきった顔で机に座っている。
「さて、とうとう誰も俺を見つける事は出来なかったな?」
男子生徒の1人が手を挙げる。
「先生は最後まで何処にいたんですか?」
「校長室の校長先生の机の下に居たが?」
隠れている時は暇だったから、校長先生と話しをしていたけどな。
「ふざけんな!見つけれる訳が無いだろ!?」
「ところで、お前らは何処を探してたんだ?」
こいつらの事だから廊下を行ったり来たりしたんだろうな〜。
「女子更衣室や、女子トイレなどを」
「……は?」
俺はこいつらにいつもどんな風に見られているんだ?
「何で女子更衣室や女子トイレを探したんだ?」
「先生ならそこに隠れてる気がして」
1人の男子生徒がキッパリと言う。
「……そうか、うん、俺ってそんな風に毎日見られてたんだね?」
「え、えっと……ごめんなさい」
「いやいや、気にしなくて良いよ、今日は帰って良いぞ」
さて、かなり湿っぽくしてみたが、こいつらはどんな行動をしてくれるかな?
「おい!先生が帰って良いってよ!」
「それじゃあ、先生さようなら!」
「さようなら!」
全員はさっさと挨拶をして帰って行く。
そして、俺は1人寂しく教室に残された。
「……分かってた、分かってたけど」
俺の担当している生徒全員に優しさと言う感情は無いようだ。
「あ、カズマ先生いた」
俺の前には校長先生がいた。
身長120cmの少女に見えるが、我が校の校長先生エレナだ。
黒髪のサラサラロングヘアーの少女でいつも白のワンピースで学校をうろついている。
「……校長、俺の生徒達に優しさって無いんですが」
「それでは、私が優しくなでなでしてあげます、なでなで」
エレナはそう言うと項垂れて疲れきった俺の頭を、小さな手で優しく撫でてくれる。
(あ〜……俺の生徒達にもこんな優しさがあれば良いのに)
「あ、忘れるところでした」
「ん?どうされました?校長……」
「明日から先生の教室に転校生が入ります」
「校長、転校生は男?女?」
「お楽しみって事にしておいてください」
「はぁ……分かりました」
俺は校長が部屋から出ていくと、軽く部屋の片付けをして帰る事にした。
(はぁ、明日から転校生が来るのか……)
性別はどっちでも良いが、人に優しくできる子が良いな……。