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神とペン  作者: RGDR
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序章

魔法がある世界。見たことのない生物がいる世界。様々な世界がそこでは描かれている。今まで見たことのない世界を創造するものそれは創造主とも神とも呼ばれている。これから始まる世界もそんな世界の物語。そしてそれは一人の青年の運命を変える出来事から始まるのだが今は誰もまだ知らない。


「はー、またいい本がなかったな。今度はもう少し遠い町の本屋でもいってみるか」


男の名前は本條優二ほんじょうゆうじ年は24歳、町の図書館で働いている。

彼の唯一の趣味それは本を読むこと。暇な時にはまだ行ったことのない本屋を巡りまだ見たことのない本を読むこと探すことを楽しみにしている。


「やっぱり小さな本屋の方がいいかな。レア物をおいてることが多いしなー」


そう思いながら車を運転していると道の端の方に露店を出しているのを発見する。


(今時珍しいな。こんな人通りの少なそうなところで何を売ってるんだ?)


本條は少し興味は持ったが車を駐車出来るところがないためそのままスルーしていった。その日は結局欲しい本がないため家に戻っていった。しかし本條の心に少しの疑問と後悔が残っている。

あの露店には何が売っていたのだろ?もしかしたら外国の古い本とかが売っていたのだろうか?そうだとすれば惜しいことをしたのではないのか?などなぜかあの露店が頭から離れないのだ。


(あの露店を見かけてから3時間くらいたってるな。まだあるかな?)


本條は気になって仕方ないので再び車を出し露店の元に向かっていくのである。それが自分の人生を大きく変える出来事になるなどと今の本條には夢にも思わなかったのだった。


(確かこの辺だったと思うけどまだあるかな?)


露店のあった近くの駐車場に車を止めて先程露店があった辺りまで歩いてみる。


(おっ、まだあった!)


露店は先程と変わらない位置のあった。本條は早速店先においてある商品に目を向けてみる。


(やっぱアクセサリーとかかな?外国の人ぽいけど帽子をかぶってて顔が見えないな。ってかなんでシルクハットなんだ?)


露店の店先には奇妙な物の置き方をしている。テーブルの半分にはアクセサリーを並べてあるが残り半分にはなにも置いていない


(売れたのか?どちらにしろ無駄足だったか)


本條は帰ろうと店を通りすぎようとすると


「お客様、何がお探しですか?」


急にシルクハットの店主が声をかけてきた。


(うお!ビックリした!ってか声をかけられるとはおもわなかった)


「いやー何を売っているのか興味があったもんでちょっと見に来ただけなんですよ」


本條は店主の質問に答えながら店主を観察する。シルクハットをかぶっており口元には立派な白髭がありモノクルまで装置している。


(まるで漫画とかに出てくる貴族のようだな)


そんなことを思いつつも面倒な事になったかなと考えていると店主の方から話かけてきた。


「そうですか。ところでこちらの指輪などいかがでしょうか?あなたの指に合うよう微調整もいたしますよ?」


(やっぱ普通の露店商か。適当に返事してかえるか)


「いやー自分アクセサリーには興味がないので・・・」


「さようですか。失礼ですが何かをお探しのようでしたが何をお探しだったのですか?」


(あー面倒くさいなー。けどまあアクセサリー屋ぽいから本当のこといっても大丈夫かな?)


「いやー自分本が好きなんで珍しい本でもないかなーと思って見にきたんですよー」


ここがアクセサリーを売っているのだから本はないだろうと思いそう告げながら去ろうとすると店主から驚きの一言が返ってくる。


「なるほど。ではこちらの商品はどうでしょうか?」


そういいながら店主はどこからか一冊の本とペンをとり出してくる。


「・・・これは?」


「私も詳しくは知りませんがとある方が作られた本でございます」


「中を見てもいいですか?」


「もちろんです。どうぞ」

本條は本をとり題名を確認してみると空白になっており何も書かれていない。


「これ題名が書かれていないけど未完成品ですか?」


「いいえ、こちらは完成品でございます」


自信満々に言う店主に不可解な感じを抱くがとりあえず本の中身を見てみようと本を開いてみると・・・


「えっ!何にも書かれてないんですけどこれ?」


そういいながらページをめくっていくが全てのページをめくっていくがどのページも白紙になっている。


「はい。こちらの商品は本の中身は書かれておりません。こちらは自分で作る本なのです」


「自分で?」


「はい、失礼ですが貴方様は様々な本を読み最近読みたい本がないのではないでしょうか?」


一瞬ドキッとした。知り合って間もない人にそこまで読まれていることに!


「なぜそのことを?」


「簡単でございます。このような露店にまで本を探しに来てるということは近くの本屋などに読みたい本がないということ!そうでなければ露店にまで探しにこないでしょうから」


「なるほど。確かにその通りだが自分が嘘をついているとは思わないのか?本が好きではなくあんたから逃げるために嘘をついたと思わなかったのか?」


「確かにその可能性も考えましたが本を見た瞬間あなたの目には輝きがありました。まるで初めて玩具を手にした子供のような目でしたので嘘ではないと確信しました。」


うっ、と本條は言葉につまる。まさかそんな顔をしていたなんて思わなかったから。


「ということでこちらの商品をオススメしたいと思ったのです」


「まあそこまで読まれていたなら嘘はつけないが自分は読む専門で今まで本は書いたことがないんだよな。だからこれを買ってもなあ」


言葉ではそういいながら本條は少し迷っていた。なぜかこの何も書かれていない本が魅力的に見えるのだ。


「お客様、この国には大変素晴らしいお言葉がございます。」


「素晴らしい言葉?」


「はい。自分が欲しいのがないのであれば作ってしまえばいい。です」


「なっ!」


本條は店主の言葉に少なからず衝撃をうけた。今まで様々な本を読んできたがその考えには至らなかったのだ。


「ちなみにこちらの商品は世界に一つしかない一点物となっております。さらに不思議な秘密もございます。」


「秘密?」


「ええ、そうです。しかしこの秘密に関しては購入していただいた方にしかお教えできないのです。」


グッ、巧い手だ。書くことに興味を抱きつつその秘密も気になってしまう。どうするか買うべきか買わざるべきか。


「・・・ちなみにいくらですか?」


本條は秘密と一点物というワードにも心を引かれ店主に聞いてみる。


「こちらの商品五千円となっております。」


えっ!高!と本條は思ってしまった。しかし買えないほど高くはないので余計に迷ってしまう。どうするか?買うか買わないか!

しかし迷いながらも思う。今まで作ることなんて思いもつかなかったことに気づかせてくれたのは間違いなくこの店主だ。ならそれぐらい買ってもいいのではないかと。だから数秒迷ったあとで店主に告げた。


「よし買うよ店主。あんた商売巧いな。うまくのせられたよ」


「お褒めに与り恐悦至極でございます」


「じゃあ買うから秘密とやらを教えてくれないか?」


「もちろんでございます。こちらの本は先程申し上げた通りご自身にて物語を作るのですが一つ秘密というか注意事項がございます」


「注意事項?」


「はい。こちらの本はこちらのペンでしか記入できないのです。」


そういいながら店主は本と共に一本のペンを見せてくる。


「えっ!どういうことだ?別に紙に書くなら何でもいいんじゃないのか?」


「それがこの本の秘密なのです。どういう原理か分かりませんがこのペン以外ではこの本に書くことは無理なのです。」


「・・・本当に?試してみてもいいか?」


「もちろんでございます。お買い上げいただいたのでこちらの商品はすでにお客様の物ですので。」


そうだったなーと思いつつポケットにいれてあるボールペンをとり出し本に書いてみると・・・


「げっ、マジで何も書けない!」

本の一ページにボールペンを走らせても何も書けない。そして今度は専用のペンで書いてみると


「あっ、書けた」


「不思議ですよね?あと消すときには普通の消しゴムで問題ありませんので」


「これは確かに不思議だな。一体どういう原理なんだろ?」


「こちらの商品を作った方はすでに亡くなっているので原理などは私にもよくわからないのです。」


「・・・なるほどな、まあ買ったのは自分だしせっかくだから創作でもしてみるかな」


「ではこちらが商品となります。それとこちらは私からのオマケでございます。」


「これは指輪?」


「ええ、こちらは私のお手製でございます。ですのでこちらも世界に一つだけの物でございます。」


店主が取り出した指輪を見てみるとよく作りこまれてる。


「いいのか?」


「もちろんです。商品をお買い上げいただいたので。それで出来ればですが普段からこの指輪を着けて下さいませんか?」


「・・・なんでだ?」


「私は指輪とは指につけてこそ輝く物だと思うのです。よく棚や引き出しに入れたままのにしている方もいますが、それですと指輪達も報われないと思いまして・・・」


「確かに。だがそれも購入者の自由ではないか?」


「ええ、これは私の我儘です。しかし、先程申し上げた通りこちらは私の手作り。いわば子供のような物でして」


「なるほど、わかった。なるべく着けて過ごすよ」


「ではこちらが創世の本と生命のペン。そして指輪でございます」


「ありがと」


「それとこの指輪に名前をつけていただけませんか?」


「名前?あんたが作ったならあんたがつけたほうがいいんじゃないか?」


「せっかく購入していただいたのであなたにつけて欲しく思いましてその方が愛着もつくのではないかと思いまして・・・」


確かにその通りかな?自分の物だしせっかくくれたのだから名前でもつけてみるかなと本條は考えた。


(どうするか?本が創世、ペンが生命か。なら・・・)


「そうだな、この指輪の名前は破壊の指輪と名付けよう」


「・・・破壊ですか?」


「ああ、何かの本で読んだことがあるんだが人の世は創世し生命が宿る。そして破壊され、また創世するを繰り返していると書いてあってな。この3つにも関係性を持たせてみたんだがどうだ?」


本條は3つの商品を見ながら店主に話しかける


「・・・なるほどそういう意味ですか。素晴らしいと思います。」


「ありがとう。ではこれで失礼するよ」


「はい、またのお越しをお待ちしています。」


本條が露店から去っていった後で店主が小さく誰に言う訳でもなくポツリと呟く。


「これで新しい世界がまた一つ誕生する。ああ、楽しみだ。本当に楽しみだ。」


そう呟くと露店も店主も跡形もなく消えていた。まるで最初からそこには何もなかったように。

本條は家と戻っていく。露店がそんなことになっているとは思いもせず、これから自分で作る物語に思いながら・・・

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