孤独
3日連続投稿という過去最高ペース。クオリティーが落ちてないか心配です。
「よし、そろそろ行こうかスフィア」
「はい。マスター。」
少女への罪滅ぼしを終わらせたので次の試練に行こうと門に手をかけようとした時に後ろから呼び止められる。
「ねえ、ちょっと待ちなさいよ!」
「今度はなんだ?もう、罪滅ぼしは終わったからな。」
何かを求めるような顔でこちらを見てくる少女に言う。
「それは分かっているわよ。その、お、お願いがあるのよ。」
「はぁー。内容にもよるが、聞くだけ聞いていやる。何だ?」
「私も一緒に連れてきなさい!」
「嫌だ。」
少女のお願いとやらを瞬時に拒否する。
「即答しなくてもいじゃない。こう見えても私、結構役に立つと思うわ!」
「へえ~。俺にはそうは見えないけどな。」
「あなたには見えなくても。私はそうなの!」
「このままやっても埒が明かないな。お前を連れていくメリットを俺に提示してくれ。」
疲れたので迷宮の壁にもたれかかりながら言う。
「メリット?そうね。まず、私は光の大精霊だから戦闘は大丈夫よ。私がいるだけで戦況を大きく変える事もできるわ。」
「戦闘は今のところどうにかなっているから別に必要ないな。」
「そうですね、私とマスターの二人で十分ですよね。」
「で、他に何かメリットはあるか?」
少女はそう返されるとは思ってもいなかったようで、今も必死にメリットを考えているのか頭を抱えている。
「そうだ!私があなたの傷ついた心を癒すわ。この私に癒してもらえるなんてありがたく思いなさい!」
「癒し要員ならスフィアがいるな。」
「はい。私がマスターの心を癒すので。」
俺とスフィアがそう答えるとまたもや少女は頭を抱えだした。そしてしばらくして何かを思い立ったようで少女が再びこちらを見る。
「ねぇ、もしかしてだけど私って、必要ない?」
「そうだな(ですね)。」
息ぴったりの返答に少女はかなりの精神的ダメージをくらった様だ。
「そもそもお前はなんで一緒に行きたいんだ?」
必死にメリットを考えていたせいか頭から煙が出てしまっている少女に言う。
「なんでって。もう一人は嫌なのよ。一人でいるのが寂しくて泣くのはもう嫌なの!」
そう言って少女が泣き出す。そして、それと同時に理解する。少女を泣かせたのは自分だと。俺が厄介ごとを持ってきそうだからという根拠もない理由で一緒に行く事を渋っていたから少女は泣いてしまったのだと。
俺は最悪で最低だ。
心の中でそう思っても現実は変わらない。目の前で女の子が泣いてるんだぞ、俺。だったら分かってるよな俺。さあ、いけ。笑顔に変えるんだ!
「なぁ、孤独ってつらいよな。」
下を向いて嗚咽を漏らしている少女に言う。
「あなたに何がわかるっていうの!何も知らないくせに!」
「知ってる。俺は知ってる。一人の寂しさを。まあ聞いてくれよ俺の昔話を」
俺さ、14,5歳の時に両親を事故で亡くしてさ。そん時ひどくふさぎ込んでしまったんだよ。最初のうちは友達とかが心配してきてくれたりもしたんだけど、ほっといてくれとかいろいろ言っちゃたんだよ。それで誰も来なくなって。気持ちの整理がついた頃には俺の周りの人間関係がほとんど消えててな。このままじゃだめだと思った俺は顔見知りの奴が誰もいない高校に進学したんだ。え、高校?ああ、人から物を教わるところだよ。で、高校に行ったはいいんだけど。友達が一人もできなくて一人寂しく2年間過ごしたんだよ。
「たったの2年じゃない、私なんて生まれた時からなんだよ。」
「てことは今まで誰かと一緒にいた事がなかったんだよな。つまり、誰かと一緒にいる楽しさを知らないのか。」
「なによ、私に自慢話でも聞かせたいの!」
「違うそうじゃない。俺はただお前に泣き止んでほしいだけなんだ。でも、その前に謝らせてくれ。」
目の前の少女に視線を合わせる。
「さっきは悪かった。お前の事を何も考えずに無神経な事を言って。そんでもって、俺らと一緒に来てくれないか、一人でいるよりみんなでいた方がきっと楽しいから。」
そう言うと少女は目線をそらして、
「謝罪は受け取ってあげる。。ついでに、あなた達が心配だからついて行ってあげる。どこまでもね。」
そう言った少女の顔からは涙は消えていた。
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