共有
「分かりました。じゃあ、感覚を共有してみませんか?」
「感覚を?なんで?そもそも、どうやって?」
俺が抱いた疑問にスフィアは一つ一つ答えてくれる。
「感覚を共有することでマスターの頭の中に直接イメージを送り込んで、その後にマスターがそのイメージ通りに創造すればいいかと思います。そして、やり方ですがマスターは私を買っちゃいましたよね。」
「え、ああ。その事は大変反省しております。」
「いえ、別に気にしてないのですが。まあ、いいでしょう。イメージしてくださいマスター。私とのつながりや関係を。」
つながりや関係?イメージしろって言われてもな。うーん。たとえば。
「スフィアは俺のものだ!とか?」
そう言った瞬間、スフィアの首についてある黒いチョーカーがいつの間に俺の右手に握っていた鎖とつながっていた。
「あの、マスターこれは?」
「いや、スフィア、待ってくれ、違うんだ。別にこういうプレイがしたいとかじゃなくて。」
突然現れた鎖に驚き、こちらを見てくるスフィアがしているであろう誤解を解くために必死に弁解する。
「大丈夫です分かってますよ。マスター。」
「はあ、よかった。分かってくれるんんだな」
「マスターってこういう趣味なんですね」
「違うから、盛大に勘違いしてるからな、スフィア。」
それから、しばらくスフィアの誤解を解くために奮闘することになった。
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「それでこの鎖は何なんだ、スフィア?」
「私とマスターをつないでいるパスのようなものです。このパスに魔力を通してみていただけませんか?」
スフィアに言われた通りに鎖に魔力を流す。
『マスター聞こえますか?』
『うわっ。びっくりしたー。この鎖こんな事ができるのか』
右手にもつ鎖を見ながら言う。
「それで、ですねマスター。このパスを使うとこんな事も出来るはずです。」
首位アがそう言った瞬間、頭の中にイメージが流れ込んでくる。
「って、あれ。目の前に自分が。」
「どうやら、見えたようですね。マスター。今、マスターが見ているのは私が見ている景色です。」
「へー。なんか二つの画面を同時に見てるとよってくるな。」
しばらく、画面とにらめっこしていると。だんだんと、頭の中で情報が処理しやすくなってくる。
『スキル【並列思考】を獲得しました。』
「あ、スキル増えた。一応確認しとくか。」
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【並列思考Lv1】
・複数の事が同時に考えられるようになるスキル。
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まぁ、何というか名前の通りのスキルだな。戦闘とかでは役に立ちそうだ。
「マスターそろそろ話しの続きを…。」
「ああ、分かった。」
待たせるのは悪いので、ステータスボードを閉じる。
「スフィアが送ってくれたイメージをもとに俺が創造すればいいんだよな。」
「はい。理論上はこれで行けると思います。」
「よし、じゃあ早速始めるか。」
まず、鎖に魔力を流してスフィアからのイメージを受け取る。ふむふむ。これが女子の体ってなんか殺気も一緒に送られてくるんだけど!これは早くしたほうがいいな、俺の命が危ない。
「【創造】!!」
手から流れ出す魔力をイメージという名の型にゆっくりと流し込む。流し込んだ魔力が次第に形を成して体を創っていく。
「ふう。さすがにしんどいぞこれは。でも、強化したおかげで魔力は足りると思うけど。後、服も一緒に創造しとかないと」
そして、8割ほど創り終える頃には残りの魔力も半分以下になっていた。
「さすがに効率悪すぎるだろ。でももうすぐ終わる。頑張ろうっと。」
そこから、どれくらいの時間がたったかはわからないが、肉体が完成した。
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「ふう。やっと終わった。で、どうだ?お望み通りの出来になってるか?」
「ふーん。いいんじゃない?私の体としてはもう少し可愛くしてもいいと思うけど。」
「はいはい。文句があるなら肉体をやらねえぞ。」
「ちぇー。まっ仕方ないか。じゃ入るねー。」
そう言って光が体の中に入っていった。
「うーん!いいね!肉体があるっていいね!」
少女が起き上がる。
「にしても、本当に創れちゃうんだな。やっぱ、すごい力なんだな。」
そう言いつつも、心の中で恐ろしい力だとも思っている自分がいた。




