ふ、どうやら俺の真の力が目覚めるときが来たようだな。
始めから中二病発言。深夜テンションって恐ろしい。
『俺、いらなくね』
スフィアのステータスを見てつぶやく。
『マ、マスター。お気を確かに!』
『いや、スフィアと戦ったら瞬殺される自信があるわ』
ステータスボードを可視化してスフィアに見せる。
『いえ、そんなはず。な、何ですかこれ!?』
『さあ、俺にもさっぱり分からん』
首を横にかしげながらスフィアに言う。
『私が………死神。死とか血とか苦手なのに。』
そうやって落ち込むスフィアを心配して声をかける。
『まあ、無理して使う必要は無いし。後ろで援護してくれれば』
『いえ、マスターを支えるのが私の定め。この力でマスターを支えます!』
そうやって意気込むスフィアに言う。
『分かった。でも無理だけはするなよ。よし、休憩も終わったし次のところに行くか』
『はい!では行きましょう』
ゆくっりと立ちあがり次の門があるだろう奥へ進んで行く。
『あ、そういえば。スフィアのスキルに絶対忠誠ってあったけどあれっていつから何だ?』
スフィアはクスリと笑い答える
『それは…』
『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!』
上から降ってきた?先ほどの鬼よりも一回りも二回りも大きい鬼がこちらに向かって雄たけびを上げながら突撃してくる。
『スフィア!早速だが行くぞ!』
『は、はい!』
左手に死刀ツラヌキ、右手にシルバーソードを正面に構え、鬼の目の前に飛び込む。
『まずは、今だ!』
【自動防御】が発動し鬼の包丁による斬撃を受け流す。
『これでも喰らえ!』
そう言いながら鬼の腹に死刀ツラヌキを突き刺す。そして鬼が倒れたのを確認し、スフィアがどうなっているのかを確認する。
『お願いです。死んで!死んで!死んでーーー!!!』
叫びながら鬼にデスサイズを振るっている。というよりも
『スフィア!その鬼もう死んでいるぞ!』
『えっ?あ、すいませんマスター』
あ、鬼には謝らないんだな。そんな事より戦闘に集中しないと。
『ふっ。はっ。せいや!よしこんなもんか。後はアイツだけだな』
そう言いながら、たった一匹残っている鬼のリーダーを見る。
『スフィア!アイツを倒したら終わりだ。行くぞ!』
『分かりました!』
リーダーの鬼に俺を先頭に二人で突っ込む。
『まずは、防いで』
言葉の通りに【自動防御】が発動し鬼の右手に持つ包丁から放たれた斬撃を受け流す。
『これで、終わりだ!』
死刀ツラヌキを鬼の腹に突き刺そうとした時、
パッン!!
俺の左手から死刀ツラヌキが離れる。いったい何が、そう思ったとき鬼はすでに左手に持った第二の包丁で俺に切りかかっていた。
(くそっ。【自動防御】が発動しているけど間に合わない。また、死んじまうのか)
『マスター!』
そう叫び声が聞こえ俺の体が突飛ばされる。そして、俺がいた位置にスフィアがいて。
鬼の包丁がスフィアの腹を切り裂いた。
『スフィア!』
俺が突飛ばされて態勢を立て直している内に鬼はスフィアの首を掴み持ち上げる。
『あ、ああ。マ、マスター。』
(どうする!?どうすればスフィアを助けられる!?このままじゃスフィアが死んじまう。
嫌だ、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。スフィアが死ぬなんて嫌だ。
認めない。認めない認めない認めない認めない認めない。こんな現実認めない。
力が、アイツを殺せるだけの力が。
そんな力を俺に!)
『条件をすべて満たしました。これより神格【守護神】が発現します』
体の底から力が湧いてくる。今ならアイツを殺せる!!!
『GAAAAA』
もはや人間ではないような叫び声を上げて突撃する。
『その手を放せ!』
シルバーソードでスフィアの首をつかんでいる右手を切り落とし、落ちたスフィアを抱えたまま、空中を蹴り鬼の背後に回る。
『死ね、くそ野郎!』
片手でシルバーソードを使い、鬼の首を切り落とす。
そして、地面に着地すると同時にゆっくりと鬼が倒れる。
『はあ、はあ、何とかなったか。でも、もう力が入らねえ』
スフィアを横に寝かせてから、重力に体を任せ意識を手放した。
質問です。読者の皆さんが一番欲しいチートは何ですか。良ければ感想に書いてください。




