「光と闇」
「お前だけは俺がやる」
勢いよく突っ込む。そして剣を降る。
だがその一撃は軽々とかわされた。
そしてすかさずボディへのカウンターを受けた。
「ぐわぁ」
「その程度か?ライジング。もっと私を楽しませろ」
「ちくしょー。ちくしょー」
続けて攻撃を繰り出すがことごとくかわされる。
「遅い」
ドン。
なんでだ?なんで俺の攻撃が当たらない?
俺はこんなに勝ちたいと思っているそれなのに
攻撃が当たらない。
「雷二そう熱くなるな」
はっ、この状況は…
「雷二、熱くなりすぎては攻撃が単調になり敵に読まれやすい。そういう時こそ冷静になるんだ」
シュミレーターで似たような体験をしたことがある。
その時の父の言葉を思い出した。
「そうだったな。今は冷静になるんだ。」
また突っ込んでいく
「バカが」
ダークネスはまた、カウンターを当てようと攻撃をしかけてきた。
今度はその動きを冷静に読み、カウンターのカウンターを打った。
「なに!?」
すかさず次の攻撃にうつる。
ガンガンガン。
「消えろ!」
稲妻のサーベルで、渾身の一撃を放った。
ジャキーン。
ダークネスはそのまま下に落下した。
「やった。やったよ父さん」
シュン。バーン。
「なっ……?」
ライジングにビームライフルが直撃した音だった。
「くそ!まだ生きてたのか」
臨戦態勢に入るが遅かった。
「遅い」
バキーン。何かが、ライジングの左腕を切り落とした。
すぐに距離をとった。
「全く、手を抜いてやれば調子にのりおって。」
そう言ったダークネスの腕には黒い鎌があった。
うかつだった。ライジングに特有の武器があるなら
ダークネスにもある。
そう考えるのは自然なはずなのに、父のことで頭がいっぱいで気づかなかった。
「もうお前は終わりだ。ライジングをあまり傷つけたくはないんだがな」
そう言うとダークネスは猛攻を始める。
「うわぁー!!!!」
このままじゃやられる。
「ふん。」
ドガーン。海に落とされる。
もうダメだ。俺の人生はここで終わりか…
結局敵はとれなかったな。ごめん父さん。
海に沈むなか上を見上げた。そこからは外の景色がよく見えた。
「!!」
忘れていた。これは俺と父さんだけの問題じゃない。
世界の危機でもあるんだ。
みんなの命もかかった戦いだった。
どうせ死ぬなら最後まで戦おう。
みんなごめん。もう諦めない。
「俺はあいつを倒す。」
バシャーン。
海から飛び上がる。
「まだ俺は終わってない。うおおおおおお!」
「やっときたか。次で終わらせる」
ダークネスは、鎌を凄まじい速さで振り下ろした。
ガン
何かが、直撃した。そこからの記憶はあまりない。
『自動操縦モード』
「え?」
そう表示されるとディメティスは勝手に動き出した。
「なに?いきなり動きがよくなっただと」
シュン。ズバッズバ。ダークネスの二本の鎌に対して、右腕一本で互角に立ち回っている。
「調子に乗るな」
ダークネスも反撃するが、ライジングはそれを避けた。
バン! 稲妻のサーベルが、ダークネスを直撃する。
「しまった!エネルギーコアをやられたか。」
エネルギーコア? 動力部のようなものか?
「総員撤退だ、土星に戻るぞ。」
だが、ライジングの自動操縦モードは続いていた。逃げようとするダークネスに襲いかかる。
「邪魔なんだよ」
次のダークネスの攻撃は当たった。どうやら、相当焦っているらしい。
「貴様は久しぶりに私を手こずらせた。この借りは次会った時に返そう。貴様とはまたいずれ出会う」
「宇宙にとっての光と闇として。」
そう言うとダークネスは去っていった。
闘いは終わった。だが俺は、何も解決させる事が出来なかった。
ディメティス、それを狙う謎の奴ら、そして父の敵……
全ては、今ここから始まるんだ。
第三話「光と闇」終了 執筆:助手