トマトは異世界に通じる2
こんにちは。
あなたのお口にトマト爆弾。
どうも、賑わっております。
更新はノロマですが、
見てくださる人はおじおばペースで、
暖かく見守ってください。
僕は長い長い、悪夢を見た。
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「とまとまとまーと、けちゃぷっぷー。
とまとまとまーと、けちゃぷっぷー」
トマトたちの合唱が始まる。
両手にケチャップをにぎり、ぶちまけた。
ぐちゃあ、ぐちゃあ。汚い音色にいつも吐き気を覚える。
飛び散る鮮血めいたケチャップに鳥肌が立つ。
そう、ここはトマト帝国。
トマトのための、トマトによる独裁政治。
人は逆らえず、奴隷になっていた。
強制的にトマトを食わされ、
小便と大便がトマト色に染まった者もいる。
どうにかして、彼らをトマトの手から救わなければ。
人類に未来はない。クソ、トマトのくせに生意気だ。
かくいう僕は、反旗を翻したレジスタンスの一人。
まだ小規模だし、力はないに等しい。
だから、今はこうして、チャンスを伺っている。
「おい、紅井、聞いているのか」
「ん、ああ、少し考え事をしていた。
まさか、トマトが腕と足を生やして襲うなんて」
「おいおい、寝ぼけてんじゃねえ。これが現実だ。
リーダーなんだから、しっかりしてくれよ」
そうだった。トマトは人を従える。
人並外れた知性と身体能力を持つトマト。
我々人類はトマトに負けた。
「嘘だ、なんでトマト何かに支配されてんだよ。
人類が生物の頂点だろ。ロボットだとか、
知的外生命体とかならまだしも、トマトって」
「なにを今更。現実を見ろ紅井。目の前にいるのは何だ。トマトだ。
偽りようのない赤々しいトマトだ。俺達はトマトを疎かにしすぎた」
「だからって、トマトが、あのトマトが」
「気をしっかりしろ。いつもの強気はどこいった」
おかしい、記憶がちぐはぐだ。
確かに今までの記憶はある。トマトのことも知っている。
今までの経緯も、相棒の蒼木のことも。
一つも忘れてはいない。だけど僕はさっきまで。
ダメだ、これ以上は思い出せない。
まあいい、忘れよう。レジスタンスの首謀者として、
やることをやろう。部下に示しもつかない。
「大丈夫だ。落ち着いたよ。ありがとう蒼木。
奴らのパレードも終わったことだ。そろそろ、ずらかろう」
「ああ、そうだな。見つかったら元も子もな、、、」
ドスン、鈍い音がした。ズサッ、蒼木はその場に倒れる。
背後には、トマトがいた。
「蒼木、蒼木ぃぃぃ! よくも蒼木を!」
「トマト刑法に基づき、おまえらレジスタンスを捕らえる。
残念だったな、トマトを侮ったのが運のツキだ。
もっと慎重にことを運ぶべきだったなあ」
「っく、ウワアアア!」
すかさず、懐に隠していたアーミーナイフで襲いかかる。
トマトはそれを難なく受け流し、トマトの拳が僕の腹を射止めた。
グハッ、吐血。意識がもうろうとし、やがて目の前が真っ暗になった。
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「はあ、はあ、はあ」
夢だったのか。夢にしては鮮明だった。
血の味と匂いをふんわり感じたが、やがて消えた。
「だいぶ、うなされてたようだけど、大丈夫?」
「頭が少しクラクラする」
「待ってて、お水を持ってくるから」
彼女はそばを立ち上がり、ふわりと部屋を出て行った。
部屋、ここは彼女の部屋のようだ。
透き通った青い壁に、青い床。
部屋はまるで、青空そのものじゃないか。
悪夢もつかの間、悪夢の再来である。
僕は雲のベッドに寝ていて、寝返りをうとうものなら、
地の底に真っ逆さまじゃないか。あれ、そういえば僕は、
さっきまで空を飛んでいたような。
正確には、足をふみ崩して、
それから彼女に助けてもらって。
いてて、上手く思い出せない。
ふわりと彼女が戻ってくる。
「どうしたの、頭を抱えて。悩み多き年頃なのね」
「うわっ、ビックリ、うわっ」
僕は体勢を崩し、ベッドから転げ落ちた。
死ぬ、嫌だ死にたくない。彼女の部屋を殺人現場にしたくない。
「ウワアアア!」
「なにやってるの。私と話すより、
青空の床とじゃれるのが好きなのね。モノ好きな人」
赤面汁ブシャア、僕はとんでもおかしく恥ずかしくなった。
「ち、ちがうよ。わざとに決まってるだろ。
僕がいた世界では、毎朝行う儀式なんだよ。
これはやらなきゃ、朝は始まらないってね」
汗汁ブシャア、僕はとんでもおかしく嘘をついた。
「嘘つきは泥棒の始まりだよ。
ほら、お水飲んで、シャキっとして」
「う、うん。ありがとう」
ゴクリ、ああ汝よ、すべての罪を許したまえ。
やっぱり水は、心も体も清めてくれる。
「ところで君の名前は、紅井くんでいいの。寝言でそう叫んでいたけれど」
「え、そうだけど、寝言でしかも叫んで」
赤面汁ブシャア。ああもう、生きていけない。
初対面の子に、寝言で名前を知られるなんて。
「さっきから汗ダラダラだよ。わたし、まずいことでも言った?」
「いや、気にしないで。汗っかきなだけだから。
そう、僕の名前は紅井、紅井 気持伊です。
上の名前でも、下の名前でも好きな方で呼んでよ」
「じゃあ、紅井くん。
あなたについて、聞きたいことがあるのだけれど」
「な、何でしょうか」
緊張汁ブシャア。ロリ金髪美少女が、改まって何を。
まさか、寝言の他にやらかしてしまった事があるのだろうか。
「あなたはどこから来たの?」
僕は一呼吸おいて、答えた。
「地球から来ました」
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しばし、状況説明が不足している。
前回の続きなのは、間違いない。
これだけはハッキリ言える。
むしろ、これを外したら、
さっきも今も、別人ということになる。
落ち着け、頭を冷やすんだ。
語りの僕がおどおどするのは不味い。
授業で習ったことを思い出せ。
できるだけ、わかりやすい言葉を使え。
小学生でもわかるような、イージーな言葉で、
読んでいても疲れない、温かい言葉で、
さあ、もう一度仕切りなおしだ。
二度、同じことを言うのは面倒だ。
しかし、相手の理解を深めるためなら、
やぶさか惜しむことでもない。
僕は先生ではないけれど、
むしろ生徒なのだけれど、
それでも、人に何かを教える時はこうする。
教える目的は、相手に理解させることである。
ふんふんと、頷かせるだけではなく、
自分で説明できるようになるまで、じっくり仕込む。
教える相手にもよるけれど、
とにかく僕はやれるだけ、やっておきたい。
いいじゃないか、最後は自己満足さ。
ぼく、紅井 気持伊は物事を多面的に捉えたがる。
あの手、この手を提案し、時には逆転の発送を導き出す。
役に立つこともあるが、ぼくの場合は9割は逆に働く。
虚しい話だ。クリエイティブ気質ではあるものの、
実行力に難ありというべきかもしれない。
作りたいけど、自信がないので作らない。
要は、豆腐メンタルなのだ。
小柄で細身な体だから仕方ない。
心身一体とは、よく聞く四字熟語だ。
とはいえ、僕は普通より、何かとできる方だし、
悪くはない、悪くはないが、良くもない。
やればできる。できればやれる。
素直で、真面目で、バカ正直で、
中々の明るい性格でもある。
気前はいいし、単純だし、扱いやすい。
紅井 気持伊は巡り巡って、平凡なのであった。
何となく、スゴそうなことをやっている風には見える。
話をすれば、凄いと評価をもらうこともある。
それでも、平凡な理由はそれで終わってしまうからだ。
続きが見えない。今後の展開が見えない。
それゆえに、僕は平凡なのである。
納得の行かない有象無象のために、
平凡を辞書様で引いておこう。
「平凡とは、これといったすぐれた特色もなく、当たり前なことである」
好きで、平凡推しをしている訳ではない。
一般市民の同情にあたるとか、似たような感覚だとか、
共感を誘うために、平凡を装っていない。
二度いうけれど、ぼくは単純明快。
アホは芸を隠せず、労することは逃げたがる。
作詞はするけれど、策士は似合わない。
そして、まとめると、
紅井 気持伊はどこをとっても、平凡なのである。
あくまでも、僕に対する、僕の意見なので、
信じるも信じないも、読者次第。
なんて、惑わせ発言をしてみる。
ここまで、わかっていても尚、
僕は改善しようとも思わないのである。
これが僕だ、これ以上は僕ではない。
他人の目線に立てばわかることだが
何だかんだの何だかんだで、
紅井気持伊は謙虚なだけである。
ありがとうございます。
またのご来店をお待ちしております。
次回は、熟したトマトをたっぷりご堪能あれ。




