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異世界の孤児園  作者: 宇佐美ときは
第三章 消滅する世界
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第三十四話 救世主

「ピク、大丈夫か!?」


 シールドが割れる音を聞いたのか、こちらに駆けてきたカイ君はロイ君を見て目を丸くした。


「ロイ!?」

「ロイ! なんだお前来てたのか!」


 続いて、ルーク君が気付いて声を掛ける。

 ロイ君は頷くと、手のひらに火の玉を作り出した。


「あぁ、この町が大変なことになってるって聞いてな。ここからはおれも協力する」

「助かる」

「そうか! ロイがピク達を助けてくれたのか!」

「まあな」


 カイ君、ルーク君から状況を聞きながら向こうに行こうとするロイ君。

 私はハッとして口を開く。


「ロイ君! ありがとう!」

「おう! あ、そうだ」


 ロイ君は返事をした後、何かに気づいたのかこちらに手のひらを向けた。

 頭上で光が生まれる。それは丸型になると、私達を包み込んだ。

 あ……シールドだ。ロイ君も作れるんだ……。


「じゃ、今度は気をつけろよ」


 そう背中を向ける彼はまさしくイケメンそのものだった。

 ほう……と感嘆してしまう。いつの間に、あんなに成長したんだか。孤児園にいた頃はよくルーク君と一緒にカイ君をからかっていたのに。そして、毎日のようにルミちゃんと遊んでいるような子だったのに。

 大人になってきてるんだね。孤児園を出た後も、ちゃんと生活出来てるようでよかった。

 それに、私が大人の姿になってることに何にも言わなかった。もしかしたら気づいてないだけかもしれないけど、どちらにせよ、今は説明してる時間はないから、何も聞かないで協力してくれるのはありがたい。

 わたしは安堵の息を吐くと、そこから気持ちを切り替えて前を見据えた。

 ロイ君に助けてもらった命、無駄には出来ない。わたしもちゃんと成長しなきゃ。

 戦う六人の前の方に視線を移動させる。あの辺から、町の人達は次々とやってくるんだよね。どこか、人がたくさん集まってるところがあるんだ。

 その時、ラギ君が一人気絶させた。その直後、向こうの大きな建物から人が走ってくるのが見えて。

 あの工場みたいな建物……あの場所から人が出てきてる……。

 でも、ここからじゃ遠すぎてよく見えない。もう少し近くに行ってみないと。

 ……よし。


「ピク、アト君。二人はここで待ってて」

「お姉ちゃん……?」

「ちょっと、あの建物見てくる」


 わたしは深呼吸をし、怖がりそうになる心を落ち着かせると、勢いよく走り出した。シールドから抜けてラギ君とエミちゃんの右側を走る。

 目指すはもちろん工場。近くまで行って、瓦礫に身を隠しながら様子を見ようと試みた。

 けど、そう簡単にはいかないみたい。

 一人の女性が工場から駆け出してきたんだ。わたしに向かって。

 手には包丁。

 狙われてることを実感し、身体が震える。恐怖で足が竦みそうになる。それでも、わたしは走り続けた。ここで立ち止まったら、それこそ相手の的だ!


「うああああ!」


 甲高い声をあげながら女性が包丁をお腹の位置で構えて突進してくる。

 わたしは刺される寸前で横に飛んでその攻撃から避けた。

 瞬間。

 パンッ!

 銃声。

 その音と共に倒れたのは、相手の女性で。

 撃った者は……。


「お姉ちゃん!」

「ピク!? 付いてきたの!?」


 ピクだった。銃を前に向けた状態でこちらに駆けてくる。


「お姉ちゃん何してんの!? 武器も持たないでシールドから出たら死んじゃうよ!」

「でも、あのままジッとしてても戦いは終わらない。あの工場から人が出てきてるみたいなの。調べないと」

「じゃあピクも行く! 敵が出てきたらこの銃で撃ってお姉ちゃんを助けるから!」

「ピク……」


 ほんとはこんな危ないことして欲しくなかったけど……。彼女の真剣な目を見たら戻れなんて言えるわけがなかった。それに、ここで言い合いになったらさらに危ない。


「わかった。ちゃんと付いてきてね」

「うんっ!」


 再び走り出す。

 今度は誰にも気づかれることなく近くに行くことができた。入り口近くの瓦礫の陰に隠れ、様子を伺う。

 中からは何の音もしない。まるで機械のように、一人減ったら一人を排出している。

 どこからか中の様子は見られないかな……?

 あたりに気をつけながら工場の裏側に回って見る。

 窓は……あ、あった!

 一つだけ、高い位置に窓を発見した。ちょうど瓦礫の山が寄りかかっていて、あそこに登れば中の様子が見られそうだ。


「ピク。ここで町の人達が来ないか見張ってて。私はあそこの窓から中の様子見てくる」

「おっけー!」


 ピクの返事を聞いた私は慎重に瓦礫を登ら始めた。元々は隣の家の壁だったらしく、崩れることはなかった。

 登り切ると、一呼吸置いてから窓に顔を近づけた。中の様子を見てみる。

 中は殺風景だった。灰色の壁と床。家具は何も置いてなく、人の姿もない。

 あるのは、一つの魔法陣。床に刻み込まれたそれは、水色に光っている。

 ……否、いた。一人だけ、人が。

 奥に、一人の男の姿があったのだ。扉のない入り口の壁に背中を預け、外の様子を伺っている。

 腰には鋭く光を反射したナイフが装備されていて。

 緊張が走る。私は物音を立てないように注意しながらもう一度魔法陣に目をやった。

 人の姿がないということは、あそこから人が現れてるって事……? じゃあ、あの男が魔法を使って……?

 その予想は的中したらしい。

 不意に、男が魔法陣の方に顔を向けた。その目が青く光る。かと思えば魔法陣から放たれた水色の光が強くなり、収まった時にはそこに少年が立っていた。

 少年は剣を手に工場を飛び出して行く。

 そっか、こうやって人を増やしていたのね……! じゃあ、あの男をどうにかすれば……。

 男に視線を移動させる。刹那。


「……!?」


 ぞわりと鳥肌が立った。

 男と目が合ってしまったのだ。

 まずい、と思った瞬間にはもう遅く。

 シュッ!

 パリンッ!

 風の音。少し遅れて目の前の窓ガラスが割れる。

 後ろに引っ張られる、私の身体。

 いや、違う。引っ張られてるんじゃない。押されてるんだ。放たれたナイフに。

 そうわかった途端、肩が焼けたように熱くなった。ビィン、と頭が痺れると同時に、感じる激痛。


「ぅ……っ……!」


 痛みに思わず顔を歪める。目の前に散る、赤い液体。

 視界が回る。

 空が見えたと思いきや、今度は背中を痛みが襲った。


「か、はっ……!」


 肺の中の空気が吐き出される。

 息を吸う間もないまま、身体の色んな場所が叩きつけられる。

 少しの間、私の意識はどこかに行っていたのかもしれない。

 やっと衝撃が収まり、気づけば私は地面に倒れ、荒い息をしていた。

 地面に赤い液体が広がっていくのが見える……。


「お姉ちゃんっ!!」


 悲痛な声。ピクが駆け寄ってくるのがわかる。

 その時だった。

 パリンッ!

 再び、窓の割れる音。

 ハッとして顔を上げると、窓からあの男が飛び出してきていて。

 そいつはピクの横に着地すると、大きな手で驚くピクの首を掴んだ。


「うあっ……」

「な……や、め……っ!」


 痛みで、声が……!

 止めたいのにっ!

 そうしている間に、男は首を絞めながらピクを持ち上げる。

 暴れるピク。だけど、その振り回した足は男には当たらず、首を絞める手に爪を立てても相手は表情一つ変えない。ただ無心で、ピクの首を絞め続けていて。


「やめて……っ……お願いだから……」


 男を止めようと手を伸ばす。

 激痛。身体が言うことを聞いてくれない。

 やだ……動いて……痛みなんてどうでもいいから。私はどうなってもいいから、ピクを……!

 あの子は大切な妹なの! 血は繋がってないかもしれない。でも! 大事な子……失いたくない。失ってはいけない!

 肩を押さえる。足に力を入れる。

 痛い。痛い……! でも痛みになんて……!


「っ……!?」


 なんとか身体を起こしたところで息が詰まった。

 ピクの動きが徐々に弱まっていたから。

 目の前で。

 顔は血の気を失っていて。

 妹が。

 腕が、力無く垂れていて。

 殺される。

 男の手に力が入っているのがわかって。

 死んで、いく。

 ギリギリとした音が、耳に入って……。

 死、ぬ。


「嫌ああああああ!!」


 絶叫。

 身体が悲鳴をあげる。喉が潰れそうになる。それでも、この身体は立ち上がって走り出した。声をあげながら。

 直後。


「っ!?」


 私の動きを止めるかのように突風が吹いた。

 その風は男の身体も吹き飛ばす。

 二人が宙を舞う。男の手からピクが離れる。落下する小さな身体。


「ピクッ!!」


 肩の痛みなど忘れて両腕で彼女を受け止めた。

 すぐに地面に下ろして呼吸を確保する。


「ピク! 返事して、ピク……!」

「……あ……お姉、ちゃん……うっ、ゴホッ!」

「ピク……! 落ち着いて、ゆっくり息して……」


 背中をさすりながら咳き込む妹を落ち着かせる。

 まだ頭に血が行ってないのか、虚ろな目に少し涙を浮かべていた。首には、やはり締め付けられた跡がくっきり付いていて。思わずその身体を抱きしめる。

 ごめん、ごめんね……早く助けられなくて。こんな苦しい目に、少しでも遭わせちゃって……。


「お姉ちゃん……」

「あっ、ごめんね、苦しかったよね」


 ふるふると首を横に振られる。ピクは私の胸に頭を寄りかからせると、ゆっくりと息を吐いた。

 ……落ち着いてきたみたい、だね。よかった。

 いつの間にか目に溜まっていた涙をそっと拭う。泣いてる場合じゃない。こんな目に二度と遭わせないためにも、しっかりしなきゃ。

 あ、それにしても、誰が助けてくれたんだろう?

 ピクを支えたまま、男が飛んで行った方を振り返る。

 そこには、仰向けに倒れてる男と、そのすぐそばで男の様子を伺ってる一人の女の子がいた。

 白髪に、兎耳。こちらに気づいたのかパッと顔を上げた、その目は綺麗な赤色で。

 ハッと目を見開く。


「ルミちゃん……?」

「え、ルミルミ……!?」


 ピクが反応して首を巡らせる。

 私達を見た彼女はぴょんっと跳ねるようにして立ち上がると、にこっと笑った。


「うんっ、ルミだよ! また会えたね、ピンクちゃん、ピクちゃん!」

「ルミルミ! 来てくれたんだね!」


 パァっと、ルミちゃんにつられるようにしてピクが笑顔になった。ちょっとふらつきながらも立ち上がってルミちゃんのところに行く。

 私はルミちゃんが来てくれたことに安心すると、その場に座って肩に手を当てた。

 刺さったままのナイフを抜き取り、血が溢れ出す前に手で押さえつけながら意識を集中させる。

 手から発せられた光は、ルークを回復させたように傷を覆い、皮膚を再生させた。

 ずん、と腕が重くなる。

 血を失ったからか、それとも魔法を使ったからなのか。貧血っぽい状態になってきてるのがわかる。

 でも、まだ、大丈夫。

 そっと立ち上がってみる。

 うん、大丈夫。ちょっと回復魔法を使う回数は減らした方がいいかもしれないけど……でも、まだ戦える。

 重くなった身体に力を入れるように背を伸ばすと、私はルミちゃんの元に歩み寄った。


「ルミちゃん、助けてくれてありがとう」

「当たり前だよ〜、だって二人はアタシな友達だもん!」

「ありがとう。あ、そういえばなんで私がピンクだってわかって……?」

「んー? なんでかな? 勘? 雰囲気がピンクちゃんぽいなって!」


 さすがはルミちゃん。鋭い。

 それに、気づいても普段通りに接してくれて……嬉しい。


「ねえねえルミルミ! どうやってあの男の人を倒したの?」

「んとね、ロイに作って貰ったこのうちわで!」


 ルミちゃんは背負っていた大きなうちわを見せてくれる。


「これを仰ぐと、強風が吹くの! ちょっとピクちゃんを危ない目に合わせちゃったけど……」

「ううん、大丈夫! お姉ちゃんが助けてくれたから!」

「危なかったけどね……」


 あはは、と苦笑する。

 でも、助けてくれたのは本当にありがたい。あのままだったらピクは……想像するだけで身体が震えてくる。

 そういえばあの男は何者だったんだろう? 他の人とは動きも目つきも違かった。

 ふと、ルミちゃんの後ろ、男がいた場所に目を移す。


「あ!」


 あれ!? 男がいない!

 私の声に二人も目を向け、ハッとした顔つきになった。

 あいつ、どこに……あ、もしかして!

 パッとあの窓を見上げる。と、やはりそこには窓から建物の中に入っていく男の姿があって。

 私達は建物の入り口の方に走った。

 あの男、もしかしてまた魔法陣から人を出すつもりなんじゃ……。

 入り口の方まで来ると、私はそっと中を伺った。ナイフが飛んで来ることを警戒して。

 けれど、そこには予想外の光景があった。


「ミニたん!?」


 私の代わりに、ピクがそこにいた人物の名前を呼ぶ。

 そう、建物の中にはピクの友達、ミニちゃんの姿があったんだ。

 そして、彼女は何故か魔法陣の上を走り回っていた。

 ピクの声に、ミニちゃんがこちらを振り返る。


「あれ、ピクちゃん! やっほー!」

「やっほー! じゃないよ! 何してるの!?」

「んー? まほーじんっていうの消してる!」


 魔方陣を、消す?

 ミニちゃんの足元に視線を落とす。

 あ、ほんとだ。魔方陣が跡形もなく消し去られている。残っているのは、白い粉。

 そっか。この魔法陣は、床に刻まれたものじゃなくて粉で描かれていたんだ。

 でもどうしてミニちゃんが……?


「アタシが頼んだの。あの男の人が外に出て来たら、魔法陣を消してって。ほんとはアタシが男の人を引き寄せるつもりだったんだけど……アタシがここに入る前にピンクちゃん達の方が先に気づかれちゃったみたい」


 ルミちゃんが説明してくれる。

 なるほど。ルミちゃんは気づいてたんだ。この魔法陣から人が出て来てることに。

 そっか。それでピクが危ない目にあった時にすぐに駆けつけてこられたんだね。


「最初に気づいたのはロイなんだ。ロイは魔法が使えるから」

「ルミルミとロイ君は一緒に来たの?」

「うん。広場の近くに来た時、二手に分かれたの。ロイはカイ君達を助けに行って、アタシは魔法陣を消す」

「そのとちゅーでミニがルミちゃんに会って、手伝うことになったんだよ!」


 続くようにしてミニちゃんもそう教えてくれた。

 そうだったんだね。私達には、こんなに心強い味方がいてくれたんだ。すごく、ありがたい。


「そーいえば、あの男の人はどうなったの? 窓から中に入って行ったよね?」

「あ、そうそう。私達その人を追ってここに来たんだよ」


 ピクの言葉にハッとして窓の方に目を向けた。

 割れた窓。その真下の床に、その人は倒れていた。


「あ、あの人ならまほーじんを消したらパタッて倒れちゃったよ?」

「ミニたんが倒したってことー!?」

「そう! ミニが倒したの! すごいでしょ?」

「すっごーい! さすがミニたん!」

「えっへん!」


 腰に手を当てて胸を張るミニちゃん。

 その横で、ルミちゃんが頷く。


「あの魔法陣は人を転送させると同時に、そこの男の人を操って自分を守らせてたみたいなの。だから、消した時に男の人も気絶しちゃったみたい」

「そうなんだ。魔法の力があったから、あんなに強かったんだね」

「でも倒せた! まほーじんを消したミニのおかげでしょ?」

「うん、そうだね!」

「ミニたんの大活躍!」

「イェーイ!」


 ピースするミニちゃんは満面な笑みを浮かべていて。ピクもミニちゃんと会えて嬉しそうだし、なんだかこの三人がいると自然と笑みが漏れてしまう。

 人を出し続ける原因も排除出来たことだし、少しは肩の力抜けそうだね。

 広場に戻ってみんなに報告しなきゃ。みんなも疲れてると思うから、少しでも休ませてあげたい。

 おそらく、あのメンバーだったらもう広場に出ている人達を倒し終えてるんじゃないかな。

 私達は念のため、男の人を連れて広場に戻った。

 案の定、人が増えなくなったためかみんな襲ってくる人を倒し終え、それぞれ身体を休ませていた。

 みんなの姿を見たルミちゃんが最初に声を上げる。


「みんなー! 大丈夫ー?」

「え!? ルミじゃねえか!」

「やっぱりルミも来てたのか!」

「まあ、ロイが来たならルミも来てるだろうな」


 カイ君、ラギ君が驚きの声を、ルーク君が納得の声を発する。

 エミちゃんは「久しぶり!」と手を挙げ、ロイ君は安心したように微笑んでいた。

 私達はみんなの近くに行くと、さっきの魔法陣のことを話し、敵が来なくなったことを告げた。すると、みんな疲れた顔に安堵の色の浮かべた。緊張が和らいだのがわかる。

 ずっと戦いっぱなしだったからね。やっと、終わりが見えた。

 でも、まだ一番厄介な相手が残ってる。この騒動を起こした犯人が。


「ソラちゃん、大丈夫かな?」


 エミちゃんがポツリと呟く。その言葉に、みんな心配そうな顔でソラちゃんとシン君、二人が向かった方を見る。

 その時、「あっ」とルーク君が声を上げた。


「ルークどうした?」

「ソートがいない……」

「えっ」


 全員を見渡し、それから広場にも目を向ける。

 ほんとだ、ソートさんがいない。てっきり、一緒に戦ってるもんだと思い込んでいたけど……でも、今振り返ると確かに戦っていたメンバーに彼の姿はなかった。

 一体どこに……?

 彼を探すためか、ルーク君が立ち上がる。

 その、直後だった。

 ダン、ダン、ダン…….。

 そんな、何かぶつかる音が聞こえて来たのは。

 その音は、徐々にこちらへと近づいてくる。

 まるで、何がが壁にぶつかりながらこちらに飛んで来ているかのように。

 そんな私の例えは最悪なことに当たってしまったようで。

 音の方向に視線を向け、何かが三つ、こちらに飛んでくると認識した途端、その何かはすぐ近くのコンクリート製の建物に衝突した。

 凄まじい音を立てて建物が崩れる。そんな中、飛んできた何かは建物を貫通すると広場の地面に叩きつけられる。

 それを見て、私は目を疑った。


「ソラちゃん!?」

「な……ソート!」

「あっ! シンお兄ちゃんっ!!」


 同時にルーク君とアト君も声を上げる。


 そう、建物にぶつかりながら飛ばされてきたのは、ソラちゃん、ソートさん、カイルさんの三人だったのだ。

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