一悶着ありました。その1
職場に着くと、何人か既に出勤していた。
昨日、やっと容疑者を送検出来たのだが、報告書がまだなので、それに追われているようだ。
自分のデスクに座り、パソコンを開くと、何通かメールが来ていた。
それを一つ一つ読み上げていく。
「おはようございまーす。」
東野が出勤してきた。
東野も自分のデスクに座り、草壁と同じ様にパソコンを開く。
「草壁さん、ちょっといいですか?」
隣の強盗犯係の人間が、草壁に指示を求めたので、それに対して指示を出す。
そうこうして居ると、午前中はあっという間に過ぎた。
そろそろ昼だな…と思っていた矢先、一本の電話が鳴った。
「はい、捜査一課強行犯係です。」
電話を取ったのは、山崎だった。
「はぁ?はい…はい、分かりました。行きますわ。」
はぁっと溜め息を吐いた後、電話を切った。
「どないしたんや?」
「生活安全課の奴が暴れてるみたいです。」
「はぁ?」
「詳しい事、聞いてないんで、とりあえず行ってきます。」
「じゃ、俺も行くわ。」
一体、何事だ…。
そう思いながら、生活安全課へ向かうと、少し人集りが出来ていた。
「なぁ、どないしたんや?」
その辺に居た人間を適当にとっ捕まえ、話を聞く事にした。
「あー…取り調べ中に、容疑者がタバコ吸えへんのか?ってキレ出したらしいんですよ。
そしたら、取り調べしとった奴が、俺ら今タバコ吸えへんねんぞ!言うて逆ギレしたらしいですわ。」
何や、それ。
「今、修羅場ですよ。何人か呼んでるみたいですけど…」
「はぁ…行くぞ。」
「はぁい。」
人を掻き分け、生活安全課の中に入ると、未だに怒号が響いている。
「タバコぐらい吸わせろや!こっちただでさえイライラしてんねんから!健全な市民の言う事ぐらい聞けや!」
「だから、吸われへん言うとるやろっ!つか、お前、取り調べ中っていうの分かってんのかっ!?」
「だから!俺やないって言うとるやんけっ!!」
「お、落ち着いて!な?」
「こんなんしたって何も解決せぇへんで?」
お互い3人掛かりで止められているのは飛び込んできた。
「ちょっとー外まで聞こえてんでー。」
暢気に山崎が2人に近付いて行った。
2人は山崎に気付くと、思いっきり睨み付けた。
普通の人間なら、そこでビビってしまうが、
女ながら捜査一課に居る山崎には通用しなかった。




