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独白 −八月一日の朝に−
懸命の努力を、想ってくれる人の心を踏みにじれる彼女が、私には理解できなかった。
『生まれてこなきゃ良かった』
そんな言葉をも母に吐きつけた時には、ひっぱたいてやろうかとも思った。
自分の馬鹿さ加減に気づき土下座して謝った所で、私からかけてやる言葉はない。ただ、母が可哀相で仕方なかった。
人の倍も家族の為に働いて、頑張って、耐えてきた母。何故こんなにも、彼女の努力は報われないのだろうと、私はこうして筆を走らせている。
今朝は、疲れ果てた母の代わりに祖母の朝食を作った。
仕事から戻ったら、たくさん話を聞いてやろう。せめて私だけは、母を悲しませないようにしよう。今思い付くのは、それだけだ。
彼女へ伝える言葉があるとするなら、こうだ。
『貴女の心ない裏切りで、母の心は折れてしまった。もし立ち直れなかったら、私は貴女を許さない。血の繋がった妹であっても、決して許さない。』