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ボス攻略がムズすぎる異世界生活  作者: 猫山 雄介
第1章「天性の魔法持ち」
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第1話「異世界転生ってのは0歳からやってこそだろうがぁぁぁ!!!!!」

(ん?ここはどこだ?)

見慣れない天井。

俺の記憶はトラックに轢かれたところで途切れていた。


「よかった目が覚めた」

(目が覚めた?

もしかして俺死ななかったのか?

ラッキーだぜ慰謝料とかなんとかでしばらくは生きていけるはずだ)


だが、少し様子が違った。

おかしい。

まずここは明らかに病院の天井ではない。


「おーい?聞こえますか?ラウス坊っちゃま?」


(坊っちゃまだと!?)

ちょと待って坊っちゃま?

30なんてとうに超えてる俺が?

坊っちゃまだと?

アニメとかゲームでしか聞かねぇぞ今どき

俺は脳みそをフル回転させる。

こうも頭を回したのは目の前の人間が脱糞した時の対処法を考えて以来だ。


まずは病院ではない天井。

知らない名前。

坊っちゃま。


数十秒後ハッ!と顔をあげる。

もしかして〝転生〟したのか?

しかも子供ってだけで坊っちゃま呼びされるすっげぇ、金持ちの家に?


だんだんと視界が慣れてくる。

ワクワクしながら周りを見渡す。

ホントに金持ちみたいだ。

広いベッドと謎の絵画、高そうな置物まである。


(そしたらこの人が俺の.....母さんってことか?)

坊っちゃま呼びは変かもしれないが

異世界なのだ多少の文化の差はあるだろう


赤髪、巨乳、深い青色の瞳、、なるほど可愛い。


「坊っちゃましっかりしてください

さっきからおかしいですよ?」


「心配ありがと」

反射的に言葉がでる。

ただそこは問題ではない。

問題は

なんと喋れてしまったということだ。


(え?0歳児ってのは喋れなかった気がするんだが....)

異世界だからという都合のいい解釈をしてみる。

この現実を受け止めたくないからだ。


「では行きましょう」

この赤髪の子に手を引いてもらう。

やっぱり歩けるなんておかしい..。


どんどん4、5mくらいの扉が近づいてくる。

おーすげーと感心していると

赤髪の子が口を開く。


「もう坊っちゃまったら3歳にもなって

階段に落ちるなんて少しヤンチャすぎませんか?」


衝撃的だった。

頭に雷が落ちまくった。

そこら辺の街が消し飛ぶくらい。

それくらい衝撃的だった。

(3歳だ....と)


「ァァァァァァぁぁぁぁぁぁぁぁあ」

叫びながら近くの柱に何度も頭を叩きつける。


「やっぱり錯乱してるんだわ」

と赤髪は俺をしがみついていた柱から無理やり引き剥がし、持ち上げる。


(少しは落ち着いたがなんで....なんで

3歳児なんだよぉ!

転生ってのは産まれた直前から始まるものだろぅがァ!

美女の母親と乳を吸って

最高だぜってするはずだろぉぉぉがぁぁ⤴︎ ⤴︎

1歳から2歳辺りで世界観理解するのが王道じゃないんすか....

転生直後でこんな事があるなんてトホホ…)


心の中で叫ぶ。

叫びまくる。

思わず勢いで涙が出る。

この涙が柱で頭を打ち付けた傷によるものなのか、それともこの感情のせいなのか

全く分からない。


それを見兼ねた赤髪の子が口を開ける。

「私がなにか気に食わないことをしたでしょうか?」

(いや、してないしてないんだけどね)

「お前、誰だよ」

錯乱していたのかは知れないが思わず声を上げてしまう。


その声を聞いたのかこの人は

「えっ!!!?」

何となく顔が劇画調に見えるほど変わっていた。

いや、劇画調になっていたのかも知れない。

「この、メイスのことを忘れたのでありますか?」

この人の名前をやっと知ることが出来た。

メイス、、、かぁ

この流れでは母ではないだろう。

やっぱり「坊っちゃま」呼びは変だ。

メイスの言葉はまだまだ続く。


「このメイド長の!!?あなたの護衛の!!?」

本気で焦っているようだ。

メイスは勢いよく柱に頭を打ち付け始める。

(これが、、、脳破壊かぁ)

感心して見てみるとどんどん額が赤くなってきている。

(そろそろ止めないとやばいか?)

本気で焦った俺はチョンチョンと

メイスのスカートを引っ張る。


「そろそろやめた方が、、」

そう声を出してとめる。

ハッ!とした表情で何事も無かったような表情に戻る。

「そろそろ行きましょう。ラウス坊っちゃま」

手を繋ぐ。

(いや、誤魔化せねぇよ)

ジーッとメイスの顔を眺めていると

目の前の扉が開かれる。


そこには恐らく家族と思われる人達がいた。

(イケおじ1人と美女1人、あとは今の俺とあまり歳が変わらない男子が1人と女子が2人か、、まぁ普通の家族だな。)※個人的な意見です。


用意された席に座るやいなやメイスが落ち着いた声でイケおじ達に話し出す。

「ラウス坊っちゃまが記憶喪失になりました。」

その声に1番早く反応したのは美女、恐らく母である人であった。


「じゃあ私の事、、ママの、事は覚えてる?」

やはりこの人が母だったか。

手と歯が震えている。


「いいえ、何も覚えてなくて皆さんの名前聞いてもいいですか?」

丁寧に答える。

それだけ、、、それだけなのに

みんなは目が飛び出るんじゃないかと言うほど驚く。


「あのラウスが」

「け、敬語使いやがった」

兄妹思われる2人が口を開き、

驚きを口に出す。


どうやら俺は前までクソみたいな性格だったらしい。


俺の問いに最初に答えてくれたのは

威厳ある〝イケおじ〟であった。


「私の名前はナスカ・スカーレット。

ここの領主である。

そしてこの人が君の母のルナ。

あとは自分で聞いてくれ

みんなも話したいことがあるだろうからな」


(マジかぁ

俺はさっきの敬語を喋ったと驚かれてたのを見るに相当やばいやつだったんだろう。

そんなやつに名前聞かれて答えてくれるのか?まぁ記憶喪失だからな大丈夫だろう。)

思わず肩を下ろす。


「そしてあなたがラウス・スカーレット。

覚えておいてね」

メイスさんが教えてくれる。

まぁ忘れる事はないだろう。


「では昼食を始めましょう」

母・ルナがみんなに昼食を食べるように言葉を発する。


(うーんどうやら食文化は現世とあまり変わらないらしいな。

恐らくこれはシチューだろう。)


ダイニングテーブルに予めおかれたスプーンでシチューをすくい、ジーッと観察するように見る。やはりただのシチューだ。

当たり前のことかもしれないが美味しい。


昼食を終え自室に戻る。

メイスは予定があってどこかへ言ってしまう。

(なんか普通な気がするな

普通ならなんか封印された破壊神だとか

めちゃくちゃ

強い人の襲撃とかあると思ったはずだが

そんなもんかな)


「あっ」

勢いよくコケてしまう。

あまりの勢いに折れたのではないかと錯覚するほど痛い。

(危ねぇ〜)

受け身をとらなかったら

また記憶喪失になったんじゃないか?


「ハァ」

とため息をつきながらベッドに横たわる。


(ホント色々あったな)

思いっきり手を伸ばすとツンとなにかに当たる。

当たったナニカを見るために顔を傾ける。


──本だ。

(何だこの本)


その本は古ぼけた、なにかの教科書のようなものだった。


俺は勢いよく本を手に取る。


(これはなんだ?)

謎の文字が表紙に書かれている。

初めて見る文字だが読める。


(記憶が失う前に覚えた情報は忘れないのか?)

文字が読めることにも驚いたが、

一番驚いたのはこの本の題名だ。


『原初の魔法』


(魔法!?この世界には魔法があるのか!?

もし本当にそうなら是非習得してみたい。)


期待に胸を膨らませ本を開く。

内容は題名通り、原初の魔法のことだった。

まずは原初の魔法についての説明。


(世界の魔法の基礎が原初の魔法か)

使用すると多少のデメリットがあるらしいが

そもそも原初の魔法が超上級魔法と呼ばれる魔法の到達点なのでよくわかっていないらしい。


数十分かけて読破して、みたが

原初の魔法のここがすごいなど原初の魔法の魅力が永遠に語られているだけで、

役に立つ情報がない。


パンッと本を閉じ、自室を出る。

自室には本棚がなく、この本の出処が分からないため探しに行くのだ。

(他の魔法に関する本を読めば誰でも使える魔法があるかもしれない。)

という純粋な期待の気持ちもある。


しばらく廊下を歩いていると扉が開けっ放しの部屋に着く。

俺はその部屋に頭を突っ込み、中を見る。


そこには大量の本があった。

『原初の魔法』と書かれた本を抱え中に入る。

小さい声で

「お邪魔しまーす」

と言う。

これは中でどんな人が何をしていても、俺が入ってきたと知らせるための自分なりの配慮である。


「おぉすげぇ」

周りを見渡すと、規則正しく並べられた無数の本棚。

その中には本が隙間なく収められていた。

薄い本や、太い本。

古びた本や、ピカピカの本。

様々な本が並んでいる。


しばらく本に見とれていると後ろから突然声がかけられる。


「やぁこんにちは可愛い来客だね」


あまりにも異質なオーラ。

なのにどこからか落ち着いた雰囲気がある。


ビクッと背中が跳ねる。

「すみません誰です...か?」

恐怖や焦りに包まれた空気を押しのけて

声を震わせながら問いかけた。


「その本を持っているなら知っているはずさ」

あたかも少し前まで友人だったかのような柔らかい声のトーンで続ける。

「僕の名前はレイキッド・レンズ

覚えておいてね。」


その男が名乗ると同時に意識が遠のいていく。

「この本は君にはまだ早いけど、この本を渡しておこう。」


沈み行く意識の中で一冊の本を手渡される。


次に目が覚めたのは自室のベッドの上であった。

先程レイキッド・レンズと名乗っていた人の身体的特徴が思い出せない。

性別も、髪の色も、

記憶から抜け落ちている。


「大丈夫ですか?」

ボーッとしていたところに

メイスが覗き込んで来る。

「僕、何してました?」

「先程、この部屋の前で倒れていたんですよ?」

「え?」

倒れたのか?

「ホント、一日に二回怪我をするなんて珍しいですね」

ゆっくりと髪を撫でてくる。

「おかしいですね」

「なんのことです?なんか私、顔についてますか?」

顔を赤くして頬を触るような素振りをする。

「いや、さっきまで別の部屋にいた気がして、」

つい本音を言ってしまう。

するとメイスはフフッと笑い

「不思議なこともあるのですね」

と言われる。


恐らく3歳児の考えた精一杯の冗談と思われたらしい。

「あっ」

手に何かがあたる。

それは一冊の本であった。


その本を見たことで

レイキッド・レンズからある一冊の本を手渡されたことを思い出した。


──恐らくこの本に違いない。

本の題名は

『魔法入門基礎編』の文字。


メイスはその本を見て目を開く。

「この本どこで見つけたんです?」

興味津々に聞いてくる。


ここでレイキッド・レンズと名乗る謎の男から渡されたと言われたら問題になるかもしれないので

「分かりません」

と気まずそうに話す。

「魔法に興味あるんですか?」

と聞かれる。

まぁ興味があるので、「はい」とだけ答える。


「じゃあ教えてあげましょうか?」

とメイスから言われた。

(教えてくれるのか?ありがたい)


「お願いします!」

俺はメイスから魔法を教わることになった。




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