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第8話 拾った少女とお勉強?

「俊!!結婚してくれ!!」


「彼女ができないからって男に頼ってどうする!?」


大学に着くとすぐに出が突っ込んできた。


「出って男が好きだったんだ…正直引くわ」


「じゃあ佳奈が付き合ってくれ!!」


「お断りよ」


「ん?そこのかわいい子は?」


出が俺の後ろに隠れてる海音を見つける。


「ああ。えっと…」


「もしよかったら僕とお茶でもしませんか?」


さっそくナンパかよ…


だから彼女できないんだっつーの。


海音は俺を盾にする。


「出のせいで海音ちゃん怖がってるじゃないの!!」


佳奈が出を叱る。


「へえ~海音ちゃんっていうのか~いい名前だね」


あれ?なんかデジャブ…


「俊さんが…むぐっ」


俺はあわてて海音の口をおさえる。


俺に名前をもらったなんて言ったら俺が拾った少女だってバレちまう。


もしもバレたら警察に預けなかったのかって聞かれる。


それを答えることは俺にはできない。


だって出は俺のことを心配してくれたのにそれを俺は無視したんだから…


「ところで俊。その子とはどうゆう関係?たしかお前に妹なんていなかったよな?」


「あっ…えっと…」


従兄妹(いとこ)なんだよね?」


佳奈がフォローしてくれる。


「へ~」


「(助かった)」


俺は佳奈に小声でお礼を言う。


「(感謝するなら今度なにかおごりなさい)」


「(わかったよ)」


「うーん…海音って講義出れるかな?」


俺は疑問に思ったことを口にだす。


「どうせ『ケンサク』だから大丈夫っしょ」


『ケンサク』とは教師のあだ名だ。


ケンサクはだいたいが適当で海音が入っていてもバレないだろう。


「俊さん」


「ん?どうした海音」


「私が少し空気に…」


海音が残念そうに言う。


そう言われてもな…


なかなか全員がしゃべれるようにするのって大変だし…


「まあ講義になるとみんな空気だから大丈夫だろ」


「そうですかね?」


「俊酷っ!」


「佳奈…俊はそうゆうやつだ」


どうせ講義が始まったら俺の心の声で終わるはずだ。


~講義開始~


「ケンサクなかなかこないね?」


「そうだな~」


佳奈と出が話す。


「もう講義始まってから15分経ってるし…」


「ケンサクだもんな~」


2人でしゃべる。


海音は俺にくっついてる。


「あー。遅れてすまん」


ケンサクが入ってくる。


「ん?平坂。そこのかわい子ちゃんは?」


「「気づいた!?」」


佳奈と出が声を揃えて言う。


俺も言っておけばよかった…


「まあいっか。それにしてもよ~みのもんたってすごいよな~って思って去年はテレビ見てたのによ~最近まったくテレビ出ないよな~」


「それ私も同意見」


「去年までは朝ズバッで寝てたのにきっと今じゃ寝る時間沢山あるんだろうな~」


「ケンサク~彼女ができないんだけど~」


出が手をあげて発言する。


「男なら気合いで奪い取れ!!」


「了解!!」


そんな感じで講義は終わる…


「結局俊さんが一番空気でしたね」


「海音ちゃんいいこと言うね~」


海音の言う通り俺が一番空気だった…


「こうなったらヤケ食いだ…」


そう言って俺たちは食堂に向かう。


「俊早く決めろよ~」


「どうせラーメンかスパゲッティかで悩んでるんでしょ」


佳奈が言う通りだった…


いつも俺はラーメンかスパゲッティかで悩む。


「俊さん」


「ん?」


「ラーメンにしてください。スパゲッティは今夜私が作りますから」


海音が笑顔で言う。


俺にくっついたまま…


「なに!?海音ちゃんが俊なんかにご飯を作ってるだと!?羨ましいぞコノヤロー!!」


出がマジで涙を流しながら泣きついてくる。


「離れろ!!」


「海音ちゃんはいいのになんで俺は駄目なんだよ~!!」


「それは…」


どうしてだ?


あっ…


わかった。


こんなの誰だってわかる。


「お前が男だからだ。俺は男に興味はない」


「佳奈~!!俊が酷いよ!!」


「くるなホモ!!」


「天国の母ちゃん…俺はもうだめかもしれないよ…」


「お前の母ちゃん生きてるよな?前までジャニーズの追っかけだったのに今ではテニプリミュージカルにまで手を…」


「わー!!何言ってるんだよ俊!!」


そんなこんなで大学が終わり俺と海音は帰路につく。


「いいやつらだっただろ?」


「はいっ」


「少しは馴れたか?」


「まだちょっと怖いですけど大丈夫ですっ」


「そっか」


俺は海音の頭を撫でる。


俺はこの時望んではいけないことを望んでしまった。


『こんな生活がずっと続けばいいのに…』


そう願ってしまった。


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