第7話 拾った少女の尾行計画?
「起きてください!」
「海音…もうすこしだけ…寝かして…くれ…」
「むぅ…なら私も寝ます」
「そうしたほうがいいよ…」
そして俺はまた夢の中へいこうとする。
なんか背中があったかい…
俺は首だけ動かして後ろを見る。
「海音…なにやってるんだ?」
「二度寝ですっ」
「いや、そうじゃなくて…」
「?」
「自分の布団に行けばいいのに…」
「だって俊さんあったかいんですもんっ」
「はは…」
正直寝にくい…
なぜだ…
普通に女と寝たことはあるのに…
海音だからか?
そうなると俺は海音を意識していることになる…
それだけはまずい…
なら意地でも寝なければ…
あっ…意外と簡単に寝れそう…
「スースー…」
後ろから吐息が聞こえる。
海音が寝たのか。
それにしても…海音はいつ起きてるんだ?
海音よりも先に起きてみたい気がするけど俺じゃあ無理だな…
「…ごめんなさい」
いきなり海音が呟く。
なんで謝ってるんだろうと思い後ろを向く。
すると海音の頬が少し濡れていた。
「どうしたんだろう…」
俺は疑問に思う。
そして海音が起きたあとに聞いてみたがわからないようだった。
ただの寝言?
その時はそれで考えるのをやめた。
「じゃあ海音いってくるよ」
「早く帰ってきてくださいねっ!」
「ああ」
俺は大学に行くために家を出る。
「ちょっとついていってみましょう」
そう言って海音も後から家を出ていった。
~海音視点~
1人はやっぱり淋しいですから。
俊さんについていくだけでいいんです。
俊さんまったく気づいてないみたいですね…
それもそれで心配です。
このまま尾行を続け…む…あの女の人は誰でしょう…
いきなり俊さんに突撃しましたよ…
なんかあの光景見ていたくないですね…
どうしてでしょう…
見てると胸の辺りがズキッてします。
どうしてなんでしょう…
~俊視点~
大学って行くまでがめんどくさいよな…
俺はそんなことを思いながら歩いていた。
「俊~!!」
「ぐふっ!!」
いきなり俺に突っ込んできた女は平坂佳奈
こいつも出と同じように高校からの友達だ。
そして同じ大学に行ってる。
「誰に説明してるの?」
ちなみにこいつはなぜか人の心を読めるらしい…
「あっ!出に聞いたよ~また別れたんだって~」
「しょうがないだろ」
「なら今度は私と付き合ってみようかっ?」
「冗談言ってないで大学行くぞ」
「(冗談じゃないのに…)」
「なんか言ったか?」
「ううん!なんでもない!」
「?」
そして俺たちはまた歩きだす。
「や…やめてください…」
なぜか後ろから海音の声が聞こえた気がした。
そして俺は振り返るとそこには警官に怯えている海音の姿があった。
「まずい!」
俺は海音のもとに走り出した。
~海音視点~
俊さんを見てたら後ろから肩を叩かれた。
「君、ちょっといいかな?」
そこには警察の人がいた。
人だ…怖い…
俊さん…助けて…!
「や…やめてください…」
「海音!」
「俊さん!」
~俊視点~
「すいません。海音がなにかしましたか?」
俺は警官にたずねる。
「いや、ずっと君を見ていたからストーカーだと思っちゃってね。兄妹かなにかかな?」
「まあそんな感じです」
そこで俺は嘘をつく。
なんで嘘をついたのかはわからなかった。
なぜか無意識に嘘をついていた。
「じゃあ君たち気をつけてね」
そう言って警官は立ち去った。
「大丈夫か?」
「こ…怖かったです…」
「どうして家にいなかったんだ?」
「1人は…淋しい…から…」
「そっか」
俺は海音の頭を撫でる。
「俊~その子誰~?」
佳奈が俺に話しかけると海音は俺の後ろに隠れる。
「えっと…その…」
正直拾ってきた子だなんて言えない…
「俊~私が心読める設定忘れてない?」
佳奈がにやにやしながら言ってくる。
しまった…
「ってか設定とか言うなよ…」
「まあまあそんなことは置いといて…その子落ちてたんだ~」
「…」
「大丈夫誰にも言わないからっ」
そう言って佳奈は笑う。
まあ誰にも言わないのは本当だろう。
「信じてもらえるんだ~」
「人の心を読むのはやめろよ…」
「えへへ~」
こうゆうところはかわいいやつだ…
しまった…
また心を読まれたか!?
「私は平坂佳奈。よろしくねっ」
なんとか読まれてなかったようだ…
佳奈は海音に自己紹介をしていた。
「え…えっと…海音…です…」
海音も自己紹介をする。
俺の後ろに隠れたままだが…
「海音ちゃんか~いい名前だねっ」
「俊さんに…もらった名前ですから…」
「えっ…?」
佳奈がなんか言いたそうに俺を見る。
「な…なんだよ…」
「俊がそんなネーミングセンスを持ってたことにびっくりだわ…」
なぜ俺が名前をつけたってことをつっこまない…
「それよりも大学いこっ」
「ああ…でも海音どうするかな…」
「つれていけばいいじゃない」
「それでいいか海音?」
海音は無言で何度もうなずく。
「じゃあいこっ」
そうして俺たちは大学へむかった。




