第2話 拾った少女は記憶喪失?
「ん…」
ビクッ!!
寝ている少女がいきなり声を出したので俺は驚いてしまう。
そして少女は目を覚まし上半身だけを起こす。
そしてすぐに後ろに下がり俺と距離をとる。
まあいきなり近くに知らない男がいたら距離をとるよな…
「起きた?」
「こ…ここは…?」
少女がおびえながらこっちを向いて言う。
「ここは俺の家だよ。君は海で倒れてたんだ。覚えてない?」
「わ…わからないです…」
「んー。じゃあ自分の名前は?」
「わからないです…なにもわからないんです…私は一体だれなんですか!?」
少女が必死の表情で俺に問いかける。
わからないって…
記憶喪失?
「本当になにも思い出せない?」
「はい…」
少女が悲しそうに言う。
うーん…
どうしたものか…
~少女視点~
目覚めるとそこにはしらない男の人がいた。
なぜか私は無意識のうちに男の人から距離をとっていた。
人が怖い…
あなたはだれ?
あなたは私を傷つける人…?
「起きた?」
男の人が優しく言ってくれる。
「ここは…?」
知らない部屋…
「ここは俺の家だよ。君は海で倒れてたんだ。覚えてない?」
倒れてた?私が?
海…
よく匂いをかぐと塩の匂いが私の体をつつんでいることに気がつく。
でもどうして倒れてたんだろう…
「わ…わからないです…」
私は正直に答える。
「んー。じゃあ自分の名前は?」
な…ま…え…?
そういえば私の名前はなに?
思い出せない…
思い出そうとすると頭がいたくなる…
どうして…?
自分が怖くなる…
「わからないです…なにもわからないんです…私は一体だれなんですか!?」
男の人は難しい顔をする。
たぶん男の人もわからないんだろう…
私に一体なにがあったんだろう…
「本当になにも思い出せない?」
「はい…」
なにも思い出せなくて悲しくなってくる…
本当に…
私は誰?
~俊視点~
「まあとりあえず俺の名前は中村俊。大学1年生だ」
「俊さん…」
「君のことなんて呼ぼうか…」
「俊さんが呼びたいように呼んでください」
そう言われてもな…
落ちていたのは海だから…
「よし!今日から君は海音だ!よろしくな!海音!」
「はい!」
海音はうれしそうに笑う。
めちゃくちゃかわいいな…
でもこの子はなんで海で倒れてたんだろう…
そして記憶喪失…
わからないことだらけだね。
~海音視点~
俊さんは私に名前をくれた。
私に優しく微笑んでくれた。
この人は悪い人じゃなさそう。
そう思った。
でも、体は少しだけ俊さんを拒絶している。
どうして?
こんなにも優しそうな人をどうして拒絶するの?
わからないよ…
記憶があった頃の私にはなにが起きたの…?
思い出せないよ…




