第13話 拾った少女と肝試し?~幽霊~
「さあ!!夕飯にしようぜ!!」
出がはりきる。
「なんだ?出が作るのか?」
「俺が作れるように見えるか?見えたらお前の目はあるだけ邪魔だな」
「じゃあ誰が作るんだ?俺は少ししかつくれないし佳奈も作れそうには見えないし…」
「失礼ね!?」
「でも事実だろ?」
「うん…」
「だから海音ちゃんに作ってもらうんだって」
「海音目覚めたばかりなのにそんなことさせるのか?」
「うっ…」
「大丈夫ですよ?俊さん達はゆっくりしててくださいっ」
「でも…」
「私が大丈夫って言ったら大丈夫です!」
「じゃあ俺も手伝うよ」
俺と海音は夕飯を作る。
「こうして見ると夫婦みたいだよな~ぐふっ!!なにすんだよ佳奈!!」
「あんたがうるさいから殴っただけ!!」
「?」
それから俺たちは夕飯を食べ暇になる。
「暇ならさ肝試ししない?」
「やっと小説のタイトルに合ってきたな」
「チーム戦にして相手チームを脅かせるってルールにしようぜ」
アミダくじの結果…
俺と海音。
出と佳奈になった。
「じゃあルートは今話した通りで。15分後に来てくれよ?」
そう言って出達は別荘を出た。
「なんかドキドキしますね」
「あいつらやるときは徹底的にやるからな…それに出のあの荷物…絶対に脅かすために持ってきた小道具だ…」
15分経ったので俺たちは別荘を出た。
その頃出達は…
「あんたよくこんなに持ってきたわね…」
「すごいだろ?」
「呆れてるのよ…」
「佳奈ライトもっとこっちに向けてくれ」
「え?私ライトなんか持ってないわよ?」
「え…」
「え…」
2人は後ろを向く。
『あ゛ぁぁあ゛ぁ゛あ』
「「ひっ…」」
「「ギャアアアアア!!」」
「ん?海音なにか聞こえなかったか?」
「しゅ…俊さんおどかそうとしたって無駄ですからね…」
海音は怖いのか俺にしがみついて震えてる。
「なんか明るくなってきたな…そろそろ出達の仕掛けがくるか?」
『あ゛ぁぁぁ゛あ』
「ギャアアアアア!!」
俺は目の前に現れた幽霊みたいなものに驚いて叫ぶ。
「ん?まてよ?これは出達が仕掛けた立体映像だ!!そうだったのか!!あいつらやるな~」
「…」
「海音?」
「こ…腰が抜けちゃって…」
『大丈夫でありますか?』
「あっ心配してくれてありがとうございます」
「立体映像なのによくできてるな~」
『我輩陸軍308部隊の佐藤恭介軍曹であります!!人が来るのは久しぶりであります!少しお話しませんか?』
それから俺たちは海音が持ってきたお菓子をつまみながら話しをする。
「へ~そんなことが」
『あの時の我輩の焦りようはすごかったでありますよ!』
「見てみたかったですね」
なんで俺たち立体映像と話してるんだ?
そんな疑問もすぐに飛んでいく。
『もう時間であります…最期に話せてよかったであります…』
そう言って恭介軍曹は消えた。
「なかなかリアルだったな~」
「びっくりしましたね」
俺たちは言われたところまで行ってそれから別荘に戻った。
「いや~お前らのすごいな!」
俺は出達に言う。
「え?俺たちすぐに逃げちゃったんだけど…」
「私たち幽霊見てあんたたちが来る前に逃げちゃったのよ…ごめんね」
「しゅ…俊さん…」
「あ…ああ」
恭介軍曹は本当の幽霊だった。
まあいい人だったし…
呪われたりしないよね?




