企み、潜み、謀る③
ここは、とある王城、その一室。
室内には女性が2名。警備は扉の前にも外にもいない不用心さでも、ここに他者が入ることはない。
許されないし、侵入したとしても返り討ちに会う。それだけの戦力を、この2名は有している。
「長らく仕事させてすまないね。もう、飽きた頃合いじゃない?」
「いえいえ、滅相もございません。この役柄、意外と楽しいですよ。美味しい料理も食べられますし、教養も備わりました」
「昔は、ガサツで口調も荒っぽかったのにね。顔が整ってなかったら採用しなかったよ」
「私も吃驚ですよ──で、もう暫くはこの身分を続けて宜しいので?」
「ああ、問題ないね。事が終わるまでは頼むとするよ。父も了承してるし、この国が生きるためにはこれしかない」
「彼らを欺くのは、少々気が滅入りませんか?持って帰らなかったんですよね?」
「確かにそうだけど、それだけじゃ何も測れりゃしないよ。それに、もうあたしらには後がないのさ」
「承知致しました。作戦が成功することを……団長の武運を祈っております」
「もちろんさ、やるからには負けられないよ。国に命張るんだ。一世一代の大勝負さ」
この場にいるのは、姫と姫、本物と偽物。
様々な思惑が潜み、絡み合う。
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