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性転換転生『♀→♂』したけど、女の子が好きなので百合ハーレム作りたい!!──最強の変態癖主人公と守護者たちの世界征服物語──  作者: 飯屋クウ
第三章 砂漠の姫

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王女の護衛

 双丘を堪能した翌日、ジュンは紅蓮(グレン)に案内されつつ、市街を通り王城へと向かっていた。


 街の中で目にする、この国ならではの服装には興味を持ち、守護者に普段とは違う装いをしてもらうのも、ハーレムライフの一興になると、実行できるか分からない【コスプレ大会】に思いを()せる。


 早乙女純のいた世界で言うならば、この国の服装はアラビアンな雰囲気。


 守護者は全員似合うし、エロくもなる。だが、妄想は妄想。寡黙な男のジュンでは、夢で終わる。早乙女純の願う女性同士のムフフな関係にするには、一刻も早く女体化を実現させなければならない。

 

 そんな妄想に(ふけ)(ふけ)まくっていると、いつの間にか王城に到着しており、城内を歩かせられている。


 宿から王城まで瞬間移動したかのような時間感覚は、妄想が絶えなかった所為。



(何か、変な事言ってなければいいけど……)



 聞き耳を立てるも、周りの雰囲気に特段変化は見られない。ホッとしたジュンは、応接室らしき部屋へと案内され一息つく。城内は商国シンディのような派手さは無い。古き良き落ち着いた雰囲気は、ジュンとしても好みなところ。



(今回は、戦わず(スムーズ)にイケるものね)



 兵士一人一人の挨拶は丁寧で、友好国への歓迎心も見受けられる。


 暫くして、出迎えた王と王女も礼儀正しい所作(しょさ)



「この度は、我が国と友好を結んでくださり感謝申し上げる。今日はゆっくりしていってほしい」


(わたくし)からも一言お礼を、長年の争いに終止符を打つことができ嬉しく思います。亡き母も喜んでいることでしょう。今後は手を取り合い、仲を深めていきましょう。まずは長旅の疲れを癒してください」



 王と王女の言葉が終わると、豪華な料理が運ばれて来る。更には、香が()かれ、音楽も奏で、整体師も来るという、至れり尽くせり。ジュンに疲労はなかったが、存分に味わい(くつろ)いだ。


 紅蓮(グレン)月華(ツキカ)も料理に舌鼓(したづつみ)している。


 会談は順調で、ジュンとしては始めて他国の王族とまともな会話ができている。



(この国の料理美味しいわぁ。今度、(レイ)に作ってもらおうかしらね。それにしても王女ちゃん、礼儀正しいわ。紅蓮の報告通り普通の見た目……ちょっと美人よりって感じだけど、王族感はあるし、アリサちゃんみたく候補(キープ)枠に入れるべきか迷うわね──っとあれは?)



 食事中にヅカヅカと入室してきたのは、紅蓮と同じくらいの背丈(タッパ)がある女性。紅蓮の赤に近い、紅の髪色をしている。



「食事中にすまないね、少し遅れたよ」



 そう言いながら、椅子にドカリと座る。ジュンからすれば、守護者の(シキ)彷彿(ほうふつ)とさせる豪快さ。



「あたしはヤンだ、宜しく。王女様の護衛兼自警団のまとめ役をしている者でね、予定より仕事が長引いてしまって申し訳ない。今回の友好条約、あたしも感謝してるんだ。これは私から……心ばかりのお礼だよ」



 ヤンが腰に下げていた小袋は、ジャラジャラと音がする。机に置かれた時の重さからも分かるように、中身は金銭、所謂(いわゆる)これは賄賂。



「……不要だ」

「足りないってかい?強欲だねぇ──なら、これはどうだい?」



 別の袋からは高価そうな宝石が1つ。


 

「不要だ」

「これもかい。金目の物に(なび)かない人間は初めてだよ、じゃあ──」

「いい加減にしろ!!」



 料理が(こぼ)れるのではと感じるほどの振動。急な怒鳴り声に、横にいる月華は喉が詰まり、むせりそうになっていた。



「貴様はジュン様をナメているのか?」

「悪い悪いって、冗談だよ。そんなに怒らなくてもいいじゃないか」


「貴様の態度が問題だ」

「確認は必要でね。金目当ての場合、本当の意味で友好は(はか)れないのさ」


「そもそもだ、貴様は最初、王女とは友人関係で護衛ではないと言っていたくせに、嘘の訂正もせずに開口一番に王女の護衛だと言っていたよな?つまり、私には嘘をついていた、違うか?」

「確かに、あたしは嘘をついた。だけど様子見は必要だろう。それに友人ってのも嘘じゃないさ」



 紅蓮とヤンはバチバチムード。


 互いの主の制止により事無きを得るも、二人の仲は微妙な感じ、目も合わせないでいる。

 


 「皆様、大変申し訳ございません。ヤンには(わたくし)の方から後で(きゅう)()えますので、機嫌を直してもらえると嬉しいです」



 機嫌が悪いのは紅蓮だけ、ジュンは何とも思っていないし、月華は口いっぱいに入れていた料理を(こぼ)さずに食し、口元も丁寧に拭き『ボクは大丈夫です』、とだけ言っている。




「まぁ悪いのはあたしだし、お詫びと言っちゃあなんだけど、良かったらあたしら自警団と一緒に()()()にでも行かないかい?」

「宝探し?」

「そうさ、いいだろう?」


 

 ヤンが許可を求めているのは、王女にだ。



「これ以上、友好国の皆様に無礼を働かなければ(わたくし)は何も言いません」

「ああ、もちろんさ」



 突然の流れに、ジュンはついて行けてない。更には紅蓮も月華も反論を示さないでいる。



「さぁ、善は急げさ、ついて来な!」



 食事も会話も中途半端のまま、ジュン達はヤンの言う宝探しへと向かうことになった。





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