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性転換転生『♀→♂』したけど、女の子が好きなので百合ハーレム作りたい!!──最強の変態癖主人公と守護者たちの世界征服物語──  作者: 飯屋クウ
第二章 闇の商人

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酒と女



 商国シンディの都市部にある歓楽街、ここは国の魅力と言っていいほどに()()()()()()がある。


 入室制限がある店や女性厳禁と書かれた看板。子供はおらず、成人した大人のみが闊歩する街。二人か飲み明かした?店は普通の飲み屋も、店に行き着くまでは、街中探索したくなるのはごく当たり前。ジュンも夜の街で有意義な時間を過ごしたように思われたが、なんとそこでも一悶着あった。


 興奮状態のジュンを一気に沈静化させたのは、またもや女性、しかも期待に満ち満ちた状態での直下落ち。


 その女性は(はだ)けた服を着ており、最初はジュンに近づくも、お金の匂いが感じ取れないや否や、即刻立ち去った。


 『貧乏人は不要』と言われ、裕福そうな男を見つけては、『王子様お待ちになって』、と言っていた。派手な服装を着ていないだけの違いだったが、ジュンは女に(もてあそ)ばれたのだ。


 飲み屋に着いてもイライラは止まらない。


 自動治癒(オートキュア)で精神が回復してもだった。


 そんな気分を払拭したいがために、長く店に滞在してしまった。挙句の果てには爆睡、眠る前後のことも余り覚えていないという始末。これはその出来事の翌日の話。




「──だから、何が問題なんだ?」

「遊びすぎよ、式。楽しみはあとに取っときなさいな」

「オレは(あるじ)の『待て』しか聞かないぜ」


「ふぅ、まぁいいでしょう。これ以上は()()()()()が出るから私が指示するまでは待っておくように」

「オ、レ、は!!主の言葉しか聞かない!」

「安心して、ジュン様に『待て』って言ってもらうから」

「ああ!そうしてくれ!」



 その主は、別室で休んでいた。というのも、二日酔いがやっと治ったからだ。


 本来であれば、毒をも瞬時に治す自動治癒(オートキュア)で酔う必要もゲロることもなかった。だが昨日は誰かに愚痴りたいという欲求が勝り、自動治癒(オートキュア)を解除したのだ。


 それが裏目に出た。 さらには──



(ああああ〜!もしかしたら中身は女の子って言ってるかもしれないぃぃ!あらぬ事を言ってるかもしれないぃぃ!キス魔になってたらどうしよう……ヒィィ!!)



 全く覚えていないのだ。世理(セリ)に改変してもらおうかと迷うほどに、あたふたしている。


 安易に技を解除するのは良くないという教訓は得たが、ダメージは大きい。



(陰牢のことだから何か知ったとしても誰かに言わないはず……よね?秘密は厳守するような真面目設定にしてるもの。作り直すのだけは絶対にしないからね。今回の教訓は次に活かすわ。必ず……もう失敗はしない)



 そう意気込んだ所で、戸が数回ノックされる。

 吃驚するも声に出さなかったのは、ある意味奇跡と言えるだろう。



「ど、どうした?」

「情報収集が終わりましたので報告に参りました」



(あれ?何の情報?私何か指示してたっけ?)



「簡単にまとめています。零ほど読みやすくはありませんが、ご確認ください」

「ふむ………ん?」



 そこには女性の情報。昨夜の一悶着あった娼婦と娼館の情報。



「ジュン様に無礼を働いたので、始末対象に加える予定で調べさせたのですが、想定を超える偶然でしたので、一応報告致しました」

「なるほどな──で、()()()のか?」

「いえ、まだ」

「そうか」

「この件を含め、この国掌握の全権を私がいただいてよいでしょうか?」

「そうしよう」



 ジュンの判断が異常に早かったのは昨夜の一件があったため、何か1つでも秘密を口実にされると厄介と思ってしまったからである。


 そんな行為を守護者がする筈もないのだが、二日酔いから目覚めたばかりでは判断も鈍るというもの。


 陰牢(カゲロウ)の運が、ジュンよりも勝った結果とも言える。



「それと、ジュン様は、お疲れの様子。レムハで朗報をお待ちください。もしくは、ジルタフ方面に行くのはどうでしょうか?向こうも多少は動きがあった頃合いでしょうし、紅蓮や月華も、ジュン様からのお言葉を待っているかもしれません」

「そ……うだな」



(ナイスアイデアね。気分転換に一度戻ってからジルタフ方面に行ってみましょうか。この国は私が居ても問題しか起こらなそうだしね。全権も委任したわけだし、陰牢なら上手くやってくれるでしょ…たぶん)



 帰り支度が終わり、式には『陰牢のGOサインが出るまで待て』という指示を伝え、ジュンは新界(ニューゲート)を発動する。


 守護者3人は見送る体勢も、主が亜空間へ入ろうとした瞬間に、妖艶な美女だけは主の傍に寄り、耳打ちする。


 この言葉、他の2人には聴こえていない。


 いや正しく言えば、ケモミミの式には聴こえていたが、あまり理解はしていない。


 その後、疑問に思う2人を適当にあしらった陰牢は夜中、鏡の前の自分に問いかける。



「貴方は知っていた?知らないわよね。まさか、ジュン様が()()だったなんてね。あんなに魅力的な殿方なのに吃驚だわ。私の言葉、上手く伝わったか、これからが楽しみね」



 陰牢が伝えたのは、『昨夜の事はお気になさらず、私は気にしませんし、誰にも言いません、初めてを経験する際は私にお声掛けください』、という内容。


 早乙女純の女性としての貞操は過去に奪われるも、男性としての貞操は無事、つまり童貞。


 ジュンは中身が女とは言ってないし、キス魔にもなっていなかった。その事実を、ジュン本人も気づいたので、一旦は安心したのだが、()()()とは一体何を意味するのか。可能性が無限にあって、余計に悩む事態となってしまう。


 意味を暴くか先か、男としての貞操を奪われるが先か、後者を早乙女純が望まない以上は、この論争は長く続く。結果、飲みでの愚痴は言うのも聞くのも、ほどほどが丁度いいということ。


 一夜で数個の教訓を得たジュンは、これから更に成長する……はず。






作品を読んでいただきありがとうございます。

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