第175話 共和国②
貸切風呂、混浴かどうかも関係ない、ここはまさに聖地、邪な欲望叶える場所。
水着着用もない。そもそもの話、文化がない。この世界は異世界。水着を普段使いにするのは、守護者の夢有だけ。
風呂に入るならば、誰しもが裸体となる。布切れで覆う者もいるかもしれないが、この場に部外者はいない。居るのは、純粋天真爛漫なボクっ娘の月華と、ラッキースケベしか考えてない欲望に忠実なエロオヤジ目線の幼女こと創造主ジュンのみ。
(ふっふっふ、このシチュ最高ね)
先刻、共和国王城にて『許さないっ!』と吠えていたのは嘘なのかというぐらいに、今は休業貸切の状況を楽しんでいる。
(邪魔は入らないわ。それに幼女だから、合法的にお触りしても問題無い!うん、絶対大丈夫!いけるっ!月華なら喜んで抱きしめてくれるはずよッ!!)
最強だから、回復するから、一人で管理不十分の熱湯風呂に入っても無事と思われるでなく、純粋な月華なら身長低い自分を心配して溺れないように入ってくれると、信じて疑わないのである。
そういう性格に創った本人が言うのだから間違いない。
柔らかでゆったりと夢心地を堪能する、そんな日になる。
ゆえに、脱衣所から出てくるであろう月華が待ち遠しくてたまらない。ハラハラドキドキと息も荒くなる。
その緊張が最高潮へと達した時────
「お待たせしました!」
(ありがっ………って、え……???)
「準備万端です!さぁ、まずは身体ほぐしますよ!」
「えっ、あ、うん、え??」
脱衣所から出てきた月華の風呂姿は、理想とはかけ離れていた。
タオル1枚もしくは裸、それが普通なのに、女同士なのだから恥じらう必要もないのに、ムホホな展開とはならず────
「それ、どう……したの?」
「これですか?零と小国レジデントとの共同合作みたいです。前に、式がレジデントで水中漁をしたみたいでして、考案して作ったと言ってました。その試作品を1つ貰ってたんです。この内陸地で海に潜ることはないですが、温泉を知るためにはあって損はないかなと思いまして……こういうのウエットスーツて言うんですよね?」
「えっ、あ、うん、そうね………」
(はぁ!?どゆことそれ!聞いてないんだけどっ!少しも、共同合作ゥ!?いつの間に……転生者の知識と零の技術が合わされば出来なくないけど、これが政治云々を任せたツケってこと?最終確認くらいしかしない怠け者の失態なの??というか判押した記憶ないんだけどぉ??水着文化出来ちゃってるじゃない!)
「どうかしましたか?もしかして、似合ってないとかです?やっぱり、ボクには共和国の管理者なんて向いてないっ───」
「いやいやそんなことない、そんな事ないから!似合ってるし、管理者出来てるからっ!まぁそうね、普段が軽装だから、ギャップ萌えはしてる。ただ、もう少し、そうもう少しだけ通気性に優れてたら、月華っぽくって良いかも知れない、そう思っただけよ」
「なるほど、提案してみます」
「あ、いや提案じゃなくてね。もうそれは貰ったものでしょ?提案なんてしたらまた時間かかっちゃうかも知れないし、零も政務で忙しいかもしれないし、月華の判断で普段着みたくしてみたらって意見よ」
「承知しました。しっかり考えて、今度やってみます」
「うん、今度………なのね」
(まぁ、ウエットスーツは身体のラインが分かりやすいし、ピッチリだから胸とか強調してくれるし、これはこれで悪くはない………か)
望んだ展開になったような、ならなかったような、正しく言えば叶ってないのだが、及第点として判断するしか現状は出来ない。
「ん?あれ………そいえば身体をほぐすって何?」
「はいっ、お湯に浸かる時の体操ですよ。ボクは毎回やってから温泉に入ってます」
「それプール!!」
真面目な守護者のおかげで、予定にない柔軟体操が強引に始まる。
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