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性転換転生『♀→♂』したけど、女の子が好きなので百合ハーレム作りたい!!──最強の変態癖主人公と守護者たちの世界征服物語──  作者: 飯屋クウ
第七章 計画通り

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スーパーメイド

 (レイ)はスーパーメイドの座に君臨している。


 普段の家事・洗濯は勿論のこと、ジュンの執務における業務補助、ならびに管理業務、各国への通達など多岐に渡る。


 明確な呼称は無いが、守護者たちのまとめ役を担う存在だ。

 

 これらは創造された順番が最初であるのも大いに起因している。


 万能型であり、出来ないことの方が少ない───というのが()()の共通認識。



(さて──)



 能力者としての器も高い。武器の鋼糸は鋭く、伸縮自在、自分の身体のように柔軟に動かすことができる。時には盾となり、時には剣となる。一本一本は微小に振動しており、触れたものを斬り刻む。防ぐも避けるも簡単にはできない仕様だ。



(かなり減ってきましたね)



 長距離跳躍も何のその。軽快に戦場を舞う姿は蝶の様。


 加えて、性格が他人に対して冷たいのは戦場に於いては功を奏しており、死体の山を築き上げても何とも思っていない。


 今回の相手が死軍なのもあるためか、いつも以上に冷ややか、民の風体をしていても慈悲はない。



(そろそろでしょうか)



 たがこれまで、戦闘時に能力を使用したことはない。


 “次元殺法(ディメンションキラー)”が必殺技に近い要素を含むのもあるが、強い相手に恵まれないというのもあった。


 全て雑魚処理。


 非能力者狩りが殆ど。


 敵対の能力者を相手するのは他の守護者ばかり。


 仲間が増えたことで日々の業務分散は叶ったが、戦いの見せ場は未だ来ず。


 でも、それで良いと本人は思っている。


 影の立役者・苦労人と呼ばれてもいい。


 零の本分はジュンの隣にいること。容姿性別が変わってもだ。


 想いが伝わっているかは定かではないが、少なくとも零は現状を憂いていない。


 寧ろ、(よろこ)びが勝る。


 創造主を背に乗せて運ぶなど、他の誰もができる所業ではないからだ。


 密着するほどに、傍にお仕えしていることを実感できる。



(ジュン様、見ていて下さい。この私が全て倒して見せます)



 蝶は、より華麗に舞う。








◇◆◇◆◇◆








 零の背に乗っているジュンは依然としてスーハーしていた。


 黒の捕食者による攻撃補助(サポート)は抜け目ないが、本人の欲求も貪欲で、メイド服に顔を埋め香りを嗅いでいた。



(ああぁいいぃ……サイコー)



 惜しむらくは雨。


 鋼糸が傘のような役割も担っているため、全く濡れていないのだ。


 これでは、下着が透けるなんてことは夢のまた夢。



(運が悪いわね──っと?)



 もう暫くこの時間を堪能したい所だったが、零の足が止まる。



「ジュン様」

「おいでなすったようね」



 現れたのは、【六根(ルーツ)】の幹部。


 死軍同様に殺戮集団もミンチにしていたことで、漸く幹部のお出まし。



「我らの同胞の仇、取らせてもらう」

「サブロー、注意した方がいいわ。あの糸は少々厄介よ」

「知っている。フタバの方こそ、もう一つの触手に気をつけるべきだ」

「確かにあれはグロい。征服王も私たちと何ら変わらない。ただの殺人鬼ね」

「サブロー、フタバ、お喋りはその辺に───行くぞ!」

「了解!イチレンのあとに続くわ」

「十分に動きは理解した!我らの勝利は揺るぎな──」



───ズババンッ!!



「い……エッ……?」



 首をチョンパされたのに喋れるのは、死を把握していないから───



───ドシュッ!!



「つっ……あっ?」



 予想が簡単に覆ると誰もが反応を鈍らせる。



(うわっ……一瞬ね)



 ドサッと崩れ落ちる2体。サブローは死軍と同じようにバラバラに、フタバは槍状の糸で心臓を貫かれた。



「ひっ……フタバ!サブロー!!」

「どうして()()()()()()()()などと吠えることができたのでしょう?私の初速(トップスピード)がこの程度と思った報いですね」

「あ……あの、お助け………」

「何故?」

「あっ、あぁ……アアアァァァ!!」



 無我夢中に突っ込んでくる輩には、剣状にした糸で一刀両断。



「アバッ………」

「弱い」



(零が強すぎるのよ───って、え?)



「ちょっと!?」

「どうかしましたか、ジュン様?」

「違うわ!零じゃなくて、これは、えと……(シキ)!」

「………死んだのですか?」

「それも違う!魂が、魂魄値(エネルギー)が少なくなってたのは知ってたけど、まさか勝手に使うなんて………」

「え!?それはもしや、アレですか?」

「そう、ね。まぁ切羽詰まってたんでしょうけど、アレを使う時は連絡寄越すよう決めてたのに………」



(余程の距離の場合は連絡できないけど……)



「少し離れてますが、この距離なら念話(メッセージ)は届きますから、これは完全に式の失態ですね。あとで灸を据えておきます」

「う、うん、よろしく……お願いするわ」



 死軍を壊滅させるため、助太刀には行けない。


 否、行ってもいいのだが、最早手遅れ。


 ()()を無断で使った以上は、勝ってもらわなければ困る。



 ジュンの目線の先は、激しい(エネルギー)(エネルギー)のぶつかり合いで空間が揺らめいていた。








作品を読んでいただきありがとうございます。

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