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性転換転生『♀→♂』したけど、女の子が好きなので百合ハーレム作りたい!!──最強の変態癖主人公と守護者たちの世界征服物語──  作者: 飯屋クウ
第七章 計画通り

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マコト VS 博

 ギルテの部下四隊長の一人、マコトが交戦していたのは、守護者の(ハク)という人物。


 軍服姿の自分に対して、相手は研究服。



(コスプレ大会か何かか?)



 そう思っていいのは、客観的に分析する立場の者であって当事者ではない。マコトの言は自信を嘲笑うものでしかないが、こうも多様であれば親近感は湧く。



(征服王が転生者なのは確実か……和服にメイド服にスク水か、性癖拗れてるんじゃないか?そういえば、色は違うが私と似た軍服姿の者もいたな……)



 マコトが軍服姿なのは転生前の職業が起因する。



(だが奴は兵を持っていなかった。そういう意味で言えば、私こそが相応しい)



 死軍の服装をマコトと同じ軍服にしなかったのは、階級の意味もある。


 将校と一般兵は身分に差がある。


 それに───



(ギルテ様はこの姿を褒めてくれた──であれば、これは私だけのもの)



 偽物と接敵できなかったのは不運だが、眼前の敵を倒してからでも遅くない。


 数百の死軍と側近二人も連携する。



「行くぞ、モブA、モブB!!」

「合点承知の助!」

「アイアイサー!」



 唯一の汚点は、壊滅的なネーミングセンス。









◇◆◇◆◇◆








 (ハク)は武器を持たない。素手で戦って申し分無いのだが、腐蝕に感染する恐れがあったために、適当に転がっていた剣を拾って応戦している。



(腐蝕効果……ですか。一度、受けてみるのもアリかもしれません)



 研究者の血が騒ぐとでも言うべきか、(ハク)にしろ陰牢(カゲロウ)にしろ研究分野に属する者は心血の注ぎ方が違う。


 “半自動治癒(オートキュア)”で治さない場合の効力を知っておいて損はないとも推測してしまう。



(それこそ、守護者が敵の手に落ちた、操られた時の対処法はあって然るべきです。無論、ジュン様であれば造作ないでしょうが、問題はその場に私たち守護者しかいなかった時です)



 あらゆる事態を想定して行動するのは研究者として当たり前、慣れない剣を使うのも一緒、この瞬間でさえも研究の一部。


 戦闘記録(データ)は幾らあっても良い。



(──っと、何やら連携力が上がりましたね。漸く、本領発揮ですか)



 畳み掛けられた衝撃で、拾った剣は先っぽから折れている。



「悪いが、ここで死んでもらう」

「高みの見物を止めてまで出向くのは切羽詰まっているということですか?」


「好きなように推測してもらって構わない、研究者」

「あなたの周りと、戦場を埋め尽くす死に体、風貌が若干違うということは、そちらは腐蝕効果を持たない?」

「………さぁな」

「そっ……ですか。では始めましょう、時間をかけすぎるのは良くありません」


「それは、もしや……煙草か?」

「ええ、そうです。1本いりますか?」

「いや、いい。こっちに来てから禁煙にしたからな」

「なるほど、それは残念………」




 シュボッと煙草に火が付く。未だ小雨降る中だが、火は消えない。



「断言しましょう、これが無くなる時、あなたは死にます」

「ほう?それは楽しみだ。研究者風情に、この波この勢い抑えられるかな──かかれ!!」



 丸腰の研究者に死軍が襲いかかる。


 細剣が指を、皮膚を、切断すると思われた瞬間───



「何が起きた!?」



 触れる手前で死装束の者達はバタバタと倒れていった。



「分かりません!」

「どうします、マコト様!」



 博の能力、“毒煙(ポイズン・スモーク)”は、その名の通り毒の煙を操るもの。


 毒は数種あり、それが空気中に散布され、吸ったことで効果を発揮したのだ。


 だが、マコトの死軍は死装束とは別に顔を隠し面(ガスマスク)で統一しているにも拘らず、煙を吸わせたのはどういう了見か。


 こればかりは、操者の博でしか知る由もない。








◇◆◇◆◇◆







 マコトは考えを巡らせていた。


 その間、モブA・モブBの慌てる声に加えて、博の煽りも聞こえていない。



(どういうことだ?何故?いつ?攻撃モーションは無い。ただ突っ立っていただけだ。何が変わった?よく考えろ………煙草、そうか火もしくは煙か!)



 マコトは答えに辿り着きそうではあった。しかし、明確な答えは出ない。



(だがどうやって……?ちっ、判断材料が少ない。ここはもう少し物量で押してみるか)



 もう一度、隊を突撃させるも結果は同じ。手前で急に倒れ、ピクピクと動かなくなる。



(倒れるのはいいが、動かない理由が分からない!)



 マコトの能力、“死屍累々(デッド・アーミー)”で作り上げた者達は、ほぼ死んでいる。 


 脳死という形に近く、気絶しても尚動かせるのが特徴なのだが、条件に問題がないのに動かせないでいる。



(くっ、これでは私の兵が減る一方だ)



 兵力が減れば、行動にも制限がかかってくる。赤髪の軍服女を倒す行為はできなくなる。マコトの能力は兵力あってこそだからだ。



(一度、私自身が突っ込んでみるか………“血しるべ(デッド・フォーン)”!!)



 モブAモブBを横に、死軍も纏わりつかせて一点に突っ込む。


 猪突猛進の獣のような攻撃。



(何!?避けただと??)



 死軍の攻撃は回避しないのに、自分の攻撃は回避することに納得がいかなかった。


 横を擦れ違った死軍の兵士は、半数以上が倒れている所為もある。



(余計に分からない!能力が障壁の類でないのは分かった……ならやはり火か煙。熱くはなかった……なら煙一択だが、私に効果無いのは何故だ?まさか、その領域まで操作できるとでも言うのか??)



 推測が正しければ、手のひらで遊ばれていることになる。


 死の宣告は必ず訪れる。


 だが、死ぬのはいい。


 恐れていない。


 この地に戦いが起きた時点で計画の半分は成功している。


 あとはどれだけ長引かせるかだが、総軍は半数以上失っている。


 これは、マコトが高みの見物を止めた理由でもある。


 自分が動いて、かき回す必要があると懸念したのだ。



(征服王の名は伊達ではないということか。まぁいい、今はこちらに集中する)



「“血のか(デッド・ロッ)──”」



 マコトが技の発動を止めたのは、周りに立っていたのが()()()()だったからだ。



「んなっ……」



 次いでに言えば、博は自分の()()にいた。



「感覚を鈍らせる毒があってもいいでしょう」



 振り向きざまに景色が変わる。



「能力は、お茶会が始まる前から発動していました」



 声は出ないし、身体は動かなくなる。



「雨が降りそうだったので、早めの行動をしたわけですが、やはり天候は読みづらい──ほら、予想より早く消えてしまいました」



 皮膚が白くなり、視界も白くなる。



「煙草を知っていたからこそ、煙は白と限定したのではないですか?」



 やがて、ボロボロと崩れ始める。



「知識が無駄にあると、余計な事を考えてしまいます」



 崩壊は止まらない。



「毒も、出血する以外の死に方があっていいとは思いませんか?」



 身体は、煙草の灰のように消えてなくなった。



「加減が今後の課題ですね」



 断末魔なく、マコトの死軍も完全に息を引き取った。





〘 勝者 (ハク) 〙






作品を読んでいただきありがとうございます。

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