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性転換転生『♀→♂』したけど、女の子が好きなので百合ハーレム作りたい!!──最強の変態癖主人公と守護者たちの世界征服物語──  作者: 飯屋クウ
第七章 計画通り

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自己犠牲

 窓の無い部屋に雷鳴。


 当然の如く、誰の眼にも光は視えやしない。


 外の光は見えない、しかし───


 室内の光は見える。


 轟きと同一化したのは、メイドたちの身体。


 発光し、炸裂する。


 自爆。

 

 紅蓮(グレン)の『散開』合図で各々離脱、幼女ジュンは(レイ)に抱えられ難を逃れていた。



「この国は、爆破好きが多いわね!」

「ジュン様、恐れながら……外部の者もいるようです」



 破壊された部屋の隣は本会場。そこに居たのは一般的なネルの知人や有識者ではない。変装して潜り込んでいたのか、いかにも暗殺向けの服装をした者達。



「他の部隊もいますね」

「わ、わ、わぁ」

「どうってことねぇ、オレが全部蹴散らす!」



 暗殺者(アサシン)、装束部隊、そして───



「あれって民間人??」



 ゾビィーの“腐蝕死群(コープス)”ほどではないが、身体が一部腐蝕しており、尚且つ劇薬の赤眼、その上で()()()()()()()()ような一個師団の動きを見せる。


 その数、万を超える。もしかすれば十万人はいるかもしれない。


 全国民を集結させたと思えるくらいの圧倒数は、ネルが本物の死軍を作ったことに他ならない。



「これまた面倒ね」

「ですが、我々の敵ではありません」

「あたしも準備万端だよ」

「援護は任せてください」

「まっ、それはそう──じゃ、皆各個撃破宜しくね」

「「了解!/はい!/畏まりました」」



 雷鳴と雨音に気配掻き消される中、組織【S】の反撃が始まる。









◇◆◇◆◇◆







「始まった──わね」



 ネルの豪邸は、それはもう私財が空になるほど手を掛けた家だった。本人の財は元より、周辺を束ねる名門家に蓄えが無いなど有り得ない。壊れ燃えつつあるが、売れば高値が付く物は山程あった。戦いに明け暮れた生活は無かったかもしれない。


 しかし、ネルの血は闘争心にまみれている。回避型の能力を持って生まれたとしてもだ。負けず嫌いには変わりない。同時に陶酔者でもあるネルにとっては、自己犠牲は痛くも痒くもない。ギルテの為なら、身を捧げるのを厭わない。



「最後までお供しますぞ」

「ありがとうギーラ、コロッカス。貴方たちには迷惑掛けてばかりね。大分疲れたでしょう?」

「いいえまだまだ、老兵は不滅ですよ」

「ふふ、頼もしわね」



 とは言っても、3人の力ではSランク以上の強者には勝てない。無駄死には目に見えている。死軍も付け焼き刃、肉壁にしかならないかもしれない。万を超える兵力でも勝てる見込みは無い。


 但し、勝つ必要も無い。


 ()()()()()だけでいい。時間をかける事が、この戦いにおいて何よりも重要だからだ。



(四隊長と殺戮集団【六根(ルーツ)】の増兵は渡りに船ね)



 四隊長のマコトが参戦しなければ、本当の意味で死軍は完成しなかった。自爆も、ここまでの退避も彼等のおかげ。ネルの部下だけでは、到底できなかった役目。



「さぁ、私の可愛い国民よ、私のために死んで頂戴」



 仮設邸に后の笑い声。


 音に気付き目覚めたのは───



「んにゃ?」



 屋根裏で寝ていた(ケイ)、満腹猫。




作品を読んでいただきありがとうございます。

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