エピソード 早乙女純
早乙女純が異世界に転生して早1ヶ月、環境には直ぐに適応し、現実世界の知識も活かし、古城での暮らしを満喫している。
但し彼女は──いや彼と言うべきか、早乙女純は一番嫌いな男♂へと転生してしまっている。
救いはないのかと一度は神に問うたが、まだ見捨てられてはいなかった。
何故なら技の1つが“守護者創造”というチートじみたものであるからだ。
これを使用すると、ゲームのキャラ設定のように自由に人間─守護者─を創ることができる。
年齢から容姿、能力における全てまでだ。
最強の軍団を創るのは簡単だった。
ゆえに、早乙女純は自分にとっての最高の軍団を創ることにしたのだ。
自分好みの美女(美少女)を10人。
だがここで敢えて言えば、守護者に守られる必要が無いほどに彼女(彼)は強い。
傷は自動で治り、基本値においても非の打ち所がない。
更には、“守護者創造”は単なる技、能力本体ではない。
自身は既に最強格であるにも拘らず、軍団を持とうとするのは、欲求を満たしたいだけ。
だが、神は全てを与えなかった。
早乙女純本人だけは、どうしても容姿を変えられないのだ。
女として美女達と戯れたいのに、男の容姿を変えることができない。
男と女の恋ほど不純と思っている彼女(彼)にとっては、永遠に男として生きていくのは苦痛でしかない。
何とかして女になる方法を探しつつ、普段は寡黙な男を演じ、守護者に恋心を抱かせない──不純異性行為は認めない──ようにしようと心に決める。
見た目は男、中身は女の、男嫌いの女好きによる、ハーレムを築く物語が今始まる。
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