お姫様に拾われた!!
薄暗い石のレンガと鉄の柵に囲われた部屋の中やけに元気な奴隷がいた。
名は多田明人 21歳
その檻の中にいる奴隷は転生者であった。
時は遡る事二日前…
「やっべwww遅刻やんwww店長に殺されるわwww」彼はこう言いつつも次遅れたら減給の為マジで切羽詰まっていた。
そして焦るあまり彼は信号を無視し、軽トラに撥ねられ交通事故により死亡したのだ、自業自得である。
轢かれた彼が次に見た光景は青い空に浮かぶ自分である。
その目の前には美人のお姉さんが座っている…「多田明人さん私はこの世界の魂を管理している女神イブと申します。」
「担当直入に言いますと貴方は死亡しました。」
明人は少し記憶を遡り軽トラに撥ねられた事を思い出す。あまりの急展開に少し混乱している様子だがイブは続けさまにこう言った。
「あなたにチャンスをさし上げましょう」
「チャンス?何の?生き返る的な?」
「はい、あなたにやって貰いたい事があります。あなたには今から異世界に行ってもらいソンゾーク王国のアイシャ姫を1年程護衛して下さい。」
明人は異世界と言う言葉を聞いてからかなり乗り気であり「やる!」と叫んだ。
女神は淡々と続ける
「しかし二つルールがあります。
まず一つに異世界から来た事を隠す事、そして一年姫を護りきった後自殺する事、このルールを守ればあなたの死を特別に無かった事にします。」
明人は今すぐにでも異世界に行きたい気持ちを抑えられていない「そのルールを守ればいいのね!了解っす!因みに何の為にルールがあるんすか?」女神は答える
「そうですね…まず異世界から来た事を隠す理由…それはあなたの身を守る為です。この世界には魔王がいます。その魔王転生者で世界を滅ぼそうと企んでいます。その為この世界では転生者は忌み嫌われています。少なくとも命の保証はできません。」
「そして姫を護りきった後の自殺、これは元の世界へ魂を戻すために必要です。なるべく自然に自殺してくださいね?死ねれば他殺でも何でも良いですが…」
明人は不満を抱いた「俺にチート能力宿して魔王倒せば良くね?チート能力貰えないの?」彼は異世界でチート無双出来ると期待していたのだった。
女神は「それはあってはなりません。この世界にはこの世界の勇者がいます。なるべく他の世界の力で解決するよりこの世界の力で解決してもらわなければなりません。」
女神は
「しかし…姫の護衛はあなたが思っているよりハードな物になるでしょう。そのための転生特典、あなたの言うチートです。それを差し上げます。特典は時間逆行です。」
明人のテンションはピークに達した。「時間逆行!?これで遅刻しても大丈夫じゃん!勝ったな!」
女神は狼狽えながらも「能力の発動条件はアーシャ姫の死、或いはあなたの死です。念の為天界からも私が見守っています。応援してますからね」と言い辺りが急に光り始めた
明人は「任せて下さいよ!」と言い放つ
そして明人は元の世界で生き返る為、そして夢と期待を胸に異世界へと降り立つのだった。
失踪するかも