幕間――ルー・フーリンの誕生
麗子が過去のティル・ナ・ノーグに辿り着いてから、半年が経過していた。
魔女スカサハとなった麗子は、すでに数百種の魔法を行使できるようになっていた。師であるロビアタールの英才教育の賜物でもあるが、麗子の天性の才能の方が大きい。
影の国とティル・ナ・ノーグを自由に行き来するのに、さほど時間はかからなかった。
しかし、京子は未だに見つけられないままだ。
その寂しさを埋めるように、麗子は新しく友となったエディンの元を訪れる回数が増えていた。
天幕の中のベッドでは、身重のエディンが身体を横たえていた。
側では、従者のルネが甲斐甲斐しく世話を焼いている。
グライアイの予言で、エディンには息子が産まれることが確定していた。
ルネは時折り、呆然としベッド上のエディンを見つめている。
黒猫メイドの服の中には、一本のナイフが隠されていた。
真の主である魔女モリガンの命令を、遂行するためである。
ルネは深い、ため息をつくと涙を浮かべた。
(ルネの使命は、エディンさミャを殺すことニャ……でないと、モリガンさミャに殺されるニャ。でも、本当は殺したくないニャ!)
魔女モリガンの造った、人造妖精がケット・シーである。当然、主には逆らえないようになっている。
殺す機会は幾度もあった。
だが、エディンや周りの人々が優しすぎて、決心することができなかった。
すいません。後で、書き足します。
丁寧に書きたいので、考える時間をください。
m(_ _)m




